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陰陽術鬼!

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素敵すぎるお表紙は水城るり様@より。無断使用は禁じます。 ラノベ風陰陽道ファンタジーBL小説。9万文字程度。18禁です。 18禁シーンは中盤以降。
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記事一覧

幽玄狂鬼!9

「ハァァッ!!」

逃げ惑うラウ。

構わず追いかけてくるランタオ。

飛び出た眼球は白く、得体の知れぬ粘液を眼窪から出している。溶液の様にどろどろに溶けた頭部が、ラウを目標にして追いかけて来る。

扉を開けた。
地下の儀式場だ。

室内を迫ってくるランタオ。

後退りすると何かがガツンと腰にぶつかる。
後ろを向くと祭壇だった。
祭壇の上にあるツボを取りランタオに投げつけた。
壺が割れ中の粉塵が飛

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幽玄狂鬼!8

「#爛頭__ランタオ__#を作り大嶼山島に住む人間を皆殺しにしてくれる……ウハッははっ」

「なぜそんなことを」

「スカッとするからだ……!」

七星剣を構え、妖怪ににじりよる思聡。

「自身の目的を遂げるために人間の体を捨てるとは愚かな」

狙いを定める。

「抜かせっ!!」

腕を広げる妖怪。

妖猿が守っている。

なんだかわからないが多分インのおかげだな。思聡は察した。

妖猿を味方につ

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幽玄狂鬼!⑥

「よくも美女のふりをして男を襲ったな!」

怒り心頭のラウは赤ん坊を置いて妖怪に掴みかかろうとする。

「フンッ!」

目の前にいる妖怪の男は片腕を振り上げ、術を放つ。掴みかかろうとしたラウは、見えない力に寄って後ろに跳ね飛ばされた。

「見ていろ……我が先祖の虐げられた霊達よ」

地下の儀式場……。祭壇の奥に飾られた五体の木彫りの彫像が震える。

黒煙と共に五体の木彫りの像から噴き出た、五体の黒

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幽幻狂鬼!⑤

幽幻狂鬼!⑤

ある妖気を感じる部屋の前についた。
腐っても道士の弟子、これだけ強い妖気ならば感じ取れる。
インは扉を開いた。

開けるなり何者かの大きい腕が掴みかかってきた!

インの腕を掴み、吸い込まれる様に中へと引き摺り込んでいく。

「ウワァああ、ああああーっ!!」

握力が強い。

「クォッ!!」

ドガンッ

レンガ状の壁に叩きつけられ倒れた。
棚が壊れ埃の煙が舞う。

掴んだ手は人のものより大きく毛

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幽幻狂鬼!④

幽幻狂鬼!④

「この城は怪しい。イン!手分けして探ってみよう!ラウは赤ん坊を抱いてここで待っていろ」

「ええ!」

ラウが仰天する間に、返事も聞かず思聡(スーツォン)道士は廊下に続く扉に走る。
インも慌てて後を走り着いていく。

ラウは困惑をしながら、とりあえず泣きぐずる赤ん坊をあやして、この暖炉の間にいるしかなかった。

心細く極まりないーーーー。

三人が城の異常に勘づいた頃、変わらず地下儀式の間には女が

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幽幻狂鬼!③

幽幻狂鬼!③

「はーあぁ。この雨が天から降り落ちる雨銭(うせん)だったらいいのになぁ。今頃俺はザックザクのお金持ちに」

インが濡れそぼる窓を覗き込みながら馬鹿な発言をする。ラウと思聡の二人は暖炉に当たっていた。
「スヤスヤ寝ちゃっているぞ」
ラウは胸に抱える赤ん坊の寝顔を見て、自分も安心したように言う。柔らかなベビー服はちっとも濡れてはおらず、暖炉に当たってうっすら汗を浮かべていたので、ラウは慌てて火からちょ

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幽幻狂鬼!②

幽幻狂鬼!②

三人は広東省の山奥から、1人の赤ん坊を預かって遥々香港まで戻ってきた。

あまりにも山奥の交通不便な場所まで車を乗り換えながら一走り。
香港から本土を繋ぐ特急鉄道、城際直通車(Intercity Express)を利用するのはかえって不便だった。

「よぉ~し、よし。それじゃあ、無事に赤ん坊を連れて香港まで戻って来ましたよと、かなり遅くなっちゃったけどあのオバちゃんにご連絡しましょおかねえ」

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幽幻狂鬼!①

幽幻狂鬼!①

※これから始まる物語は、地理が実際の香港とは異なる可能性があります。

…プロローグ…

「オギャぁぁ、オギャああ。……ホギャあああ………………」

「おーよちよち……。もうちょっと我慢してくだちゃいねぇ!もうちょっと我慢したら暖かいご両親の元へ帰れまちゅからねぇ!」

「………………………」

「あーぁあ、こんな嵐の日にまったく冗談じゃないよ。おい!ちょっとは変わってくれよ、後ろの!長時間の運転

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陰陽術鬼!rust

陰陽術鬼!rust

俺は…………生きていた。

「あれっ!?生きてるじゃんっ!」

目覚めたら病院で治療を受けていて、二日間は丸々、懇々と眠りっぱなしだったらしい。

あの崩れ落ちた地下から、全員無事に逃げられていて、案の定俺と機洞だけ、死んだかと思われていたらしい。

けど、気がついたら朝日が照らす地上に倒れた俺がいて、慌てて救急患者として一番近くの病院に運び込まれた次第だ。

重体だった金龍さんも目覚めて、リハビ

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陰陽術鬼!19

陰陽術鬼!19

いつか見た、白三弥山の地下洞の中と似ていた。

オーブがそこかしこに蛍のように飛び散って光る地下の道。
自分達が進んでいるのは、まるで死後の黄泉の道のようだ。

灯りを照らして、暗がりの道を、俺達は先へ、先へと進んだ。
たまに邪魔をする水たまりを上手に避けて下がっていく。

やはり同じように巨大なだだ広い空洞が、道の先には広がっていた。
更に無数に舞うオーブ。
ご丁寧に照明も設置されてある。
天井

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陰陽術鬼!18

陰陽術鬼!18

扉が開いて、ボロボロになり果てた、ボロ雑巾以下の俺を見下げて、機洞は何をするかと思えば、傍らに屈んで俺の髪の毛を手のひらで撫でてきた。

「もうそろそろ、いいだろう、こんな苦痛より、気持ち良い快楽に、一緒にそろそろ溺れよう………」

俺をこんな状態にしている張本人のわりには、機洞自身も苦しそうな表情を滲ませている気がしないでもない様子なのは、やっぱりそれほど客観的に俺の姿が無残に変化しているのかな

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陰陽術鬼!17

陰陽術鬼!17

気付いたら、猪狩裕司は社樹学園の視聴覚室にバッタリと倒れていた。
おかしい、と思った。腕時計は19時を指していて、今日一日分の記憶が無いからだ。
それに体も妙に気怠く、何かがなまめかしい。
見たところ、服もボタンははめられ、ちゃんと着ているが
なんだろう、よくわからないが、何かが変だ……。と猪狩は思った。







定児が目覚めたのは、真っ暗闇の中だった。
照明無く、ただの黒い空間。

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陰陽術鬼!16

陰陽術鬼!16

黒い妖気漂う儀式場。
ここは何処だろう。窓のようなものは無く、全て黒布で四方を張り巡らされた黒い空間。
少なくとも、白三祢山の地下の儀式殿とはまた異なる、呪術のために拵えてある機洞一味達の造成した空間であった。

肌の色が一つ浮かぶ。黒いものに蝉のようにしがみつきもぞもぞと蠢く。長い髪を揺らす人肌。キメに汗が絡まるするりとしたベージュの肌。
艶かしい女の肌が、くびれた腰つきと丸い豊かな臀部をくねら

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