SNSは、そのうち客を狙うべき理由【前編】【ヒットの因数分解#5】
「SNSをやってるけど、売上に繋がらない」
「SNSを売上アップにどう繋げたらいいのか?」
本当にこの質問は多くいただきますので、今回は多くの方が知りたいこのテーマについて、前編・後編にわたって書いていきます。
『ヒットの因数分解』シリーズでお伝えする情報は、これまで実践されて再現性が確認されている売上アップの法則を小規模事業者向けにアレンジした内容を中心に、一部独自に実践して再現性がありそうな内容をブレンドしてお伝えしています。
そのため、トレンドに左右される内容は極力避け、普遍的、恒常的に効果が見込める考え方でSNS活用法をお伝えしていきます。
SNSで売れる、とはどういうことか?
まず、整理したいのが言葉の定義です。
「SNSで売上アップ」という言葉はとても曖昧で、人それぞれ意味が異なっていると感じますので、まずは今回の話においての定義を決めてから本題に入っていきます。
想定されるのは以下の3つのパターンです。
①SNS投稿を見た人にネットショップで商品を即座に買ってもらいたい
②SNSで発信してから数日以内に新規顧客を集客したい
③SNSで興味喚起し、後日必要な時に思い出して買ってもらいたい
この中で、多くの人がSNSで売上アップとして想定している売上は、①と②です。
小売用商品のメーカーなどは①を、店舗への集客型のサービス業の方は②を想定されているのではないでしょうか。
どちらも発信から数日という時間軸で効果があったか判断してることが多い気がしています。
ただ、アカウントが育ってないうちは①②は非常に難しいので、私はまずは③をお勧めしています。
その話は後編で詳しくお伝えしますので、前編では①②がなぜ難しいのかをまずは説明していきます。
SNSで短期的な売上アップが難しい理由
短期的に売上アップに繋がりにくい理由は、以下の3つです。
・理由その1)今すぐ必要と感じている人が少ない
・理由その2)今使っている商品から乗り換える必要性を感じない
・理由その3)店舗が遠く行けない、通販の送料がかかる
それぞれ以下で説明します。
今すぐ客とそのうち客
まずは、見込み客を、今すぐ商品を欲しい「今すぐ客」と、そのうち必要となったら買いたいという「そのうち客」に分類します。
ネットショップでの購入率(CVR=コンバージョンレート)は、ショップへのアクセス数の1%程度と言われるように、基本的に「今すぐ客」は全体の1%と考えておくのが概ね良いと思います。
となると、残り99%の人は「そのうち客」(そもそもターゲット外も含む)に分類されます。
この時点で、SNS投稿してもフォロワーが少なければ売れないのが感覚的にわかるかと思います。
SNSのリーチ数は約30%?
また、SNS発信はフォロワーや友達全員に表示されているわけではないのです。
投稿が表示される人数をリーチ数といいますが、平均ではフォロワーや友達の30%程度にしか表示されていないと言われており、初速での反応がいい投稿の場合はリーチが伸びやすい傾向にあります。
また、最近ではフォロワー以外にも興味関心のありそうな人にSNS側が自動でレコメンド表示することでリーチが伸びることもありますが、ここでは単純化して、リーチはフォロワーの30%として購入者数を計算式で考えてみます。
フォロワーと購入者数の関係式
フォロワー数330人 × リーチ率30% × 今すぐ客1% = 0.99 ≒ 1人
となります。
単純計算ですが、フォロワーが330人いるアカウントで発信した場合、その投稿が表示されるのが30%の99人となります。
その99人のうちの1%が今すぐ客なので、その投稿からの購入者は1人と予測できます。
つまり、「SNSを使って今すぐ売上を増やしたかったら、330人フォロワーを増やせば1人買ってくれますよ」ということに理論上はなります。
リーチが伸びる投稿テクニックがあれば、リーチ数が伸びますが、仮に2倍の60%(+30%)にまでリーチが伸びても購入者数は+1名の2名です。
フォロワーを増やすことはリーチを増やすためにも重要であることは間違いありませんが、だからと言って売上に即効性がある訳ではないことがわかってもらえたでしょうか?
仮に購入率が1%だとしても、1%が100人を超えるようなアカウントになっていればそれなりに即効性は出てくるでしょうけど、そのためには時間がかかるので、それを主目的にすることはお勧めしていません。
これが短期的に売上アップが難しい理由①です。
ブランドスイッチというハードル
次に、理由②を見ていきます。
みなさんの商品・サービスが競合他社とどう違い、使うと競合商品にはないどんなメリットがあるのかが明確になっていますか?
例えば、SNSで【平飼い卵だけで作ったおいしいマヨネーズ】という投稿を見たとして、欲しいと思うでしょうか?
大半の人は「キューピーマヨネーズで十分美味しいからわざわざ乗り換えようとは思わない」と答えます。
このように、ある商品から別の類似商品に乗り換えることをブランドスイッチといいますが、今使っている商品に不満がなければわざわざ慣れ親しんだものから乗り換えようと思わないため、競合商品との違いが明確になっていなければブランドスイッチは起こりにくいのです。
逆に言えば、しっかり差別化できていて、その商品でしか解決できない消費者ニーズが多ければブランドスイッチによる「今すぐ客」が増え、短期的にも売上アップになる可能性はあります。
詳しくは後編で書きますが、中長期か短期か、SNSを使うか使わないかに関わらず、売れるための全ての原点はココです。
差別化ができてないなと思ったら、3C分析やVRIO分析などを行い、自社のUSPを発見しましょう。
物理的な距離という問題
SNSは世界中の人と物理的な距離に関係なく繋がれると言うのが大きな魅力の一つです。
しかし、BtoCビジネスとなると、物理的な距離の問題が発生してきます。
SNSで見て魅力的なレストランだと思っても、自宅から遠ければ行けないため、諦めてしまうことがほとんどですよね。
これを公式にすると、
商品・サービスの魅力 > 支出+ 所用時間 + 交通費(送料)→売れる
商品・サービスの魅力 < 支出 + 所用時間 + 交通費(送料)→売れない
となります。
商品・サービスの魅力は同じだとしても、お店までの往復の所要時間や交通費が小さいほど商品・サービスの魅力のほうが高くなりやすいため、売れやすくなります。
つまり、自店舗に近いフォロワーのほうが遠いフォロワーより相対的に集客しやすい訳ですが、近場に住む人をフォロワーにすることは事業者側がコントロールできないので難しいのです。
通販の場合は店舗までの距離は関係ありませんが、遠いほど送料が高くなり、届くまでの時間がかかるため、基本的な考え方は同じです。
これがSNSが短期的に売上アップにつながりにくい理由③です。
SNSでは中長期のブランド構築を目指そう!
このようにSNSで短期的な売上アップを目指すことの難しさをご理解いただけましたでしょうか?
全国チェーンのような店舗展開をしていたり、固定ファンがいるようなアカウントは別として、SNSで短期的な売上アップができないのは、事業者のせいではないのです。
そもそもそういうものなのです。
誰も悪くないのです。
だけど、中長期的に必要な時に思い出してもらえる状況は作れるのです。
だから、99%の「そのうち客」に思い出してもらうためのブランディングを意識したSNS活用が重要なのです。
ここは、いち早くそのポジションを取る椅子取りゲームのようなものなので、いち早くスタートして継続していくことが望ましいのです。
一般的に継続施策はランニングコストが発生しますが、SNSはランニングコストがかからずに継続施策ができるというのも大きな魅力です。
長くなってしまったので、具体的な「そのうち客」向けの活用法などは後編でお伝えしていきますので前編はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
是非、投稿のいいね!、フォローお待ちしてます♪
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?