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『アメリカ暮らしの素人投資-11: 債券とは』

投資には自分の資産を貸し出すタイプの投資Lending investmentと、保有するタイプOwnership investmentがあります。銀行に預金したり債券に投資するのが前者、株や不動産の保有者となるのが後者ですね。

債券は、資金調達のために発行されますが、
国債 Treasuries / Government bonds  /National bond:国が発行するもの。Treasuriesはアメリカ連邦政府発行の国債。1年未満満期のものをTreasury bills, 1年から10年満期のものをTreasury notes, 10年より長い満期のものをTreasury bondsと呼びます。
地方債 Municipal bond:地方公共団体が発行するもの。
社債 Corporate bonds:企業が発行するもの。
などがあります。

債券は、決められた金利/利率で利息(interest)がもらえる上に、償還期限(maturity=満期)時には、債券に記載された額面金額(principal=元本)が償還されます。

アセットアロケーションで株と債券の比率配分を考えるのは、両者が逆の動きをするためです。つまり好景気では株価や金利も上がり、債券の価格は下落しますが、逆に株価や金利が下がるときには、債券の価格が上昇します。そのため両者を織り交ぜた投資をすることでリスクを分散することができます。

---金利と債券の関係---

この金利と債券の反比例の関係って、素人にはとまどうのですよね。ゆっくり考えないと「ん?なぜ?」となってしまいがちです。これを理解するには、違うタイミングで発行された債券を比較して考える必要があります。

まず・・・
債券A:元本100円、年利3%、5年満期の債券Aを保有しているとします。毎年3円X5年=15円が利息、かつ満期時には元本100円の償還があるため、合計115円となります。

これを売ろうとします。しかし、その時には金利が上昇していたため、市場にはより金利の高い債券Bが売られています。

債券B:元本100円、年利4%、5年満期のものが売りに出されているとします。こちらは4円X5年=20円、満期時には元本の償還があるため、合計120円となります。

そのため、債券Aを売るには割引しなければならず、120-115=5円を元本100円から引いて95円で売ることになります。つまり、金利の上昇に伴い、債券Aの価格が100円から95円に下落したというわけです。それが債券市場における値段の動きになります。

逆に金利が下落している時、市場にはより金利の低い債券Cが売られています。

債券C:元本100円、年利2%、5年満期のものが売り出されているとします。こちらは満期時には、2円X5年=10円、満期時には元本の償還があるため、合計110円となります。

そのため債券Aを債券Cと同じ価格で売ると損をするため、債券Aの価格を吊り上げることができます。115-110=5円を元本100円に足して105円で売ることになります。つまり、金利の下落に伴い、債券Aの価格が100円から105円に上昇したというわけです。


---債券のリスク---

株よりも債券のほうが安全な投資だとはよく言われますが、それは株が将来上がるか下がるか予測が不可能な一方、債券は利回りが決まっているからです。そのため、株は債券よりもハイリスク・ハイリターン、債券は株よりもローリスク・ローリターンだと言われます。

債券の発行元、例えば社債を発行した会社が倒産した場合、最悪利息はもとより元本も戻ってこないということもあります。国債でも、対外債務不履行を宣言して国家経済が破綻することもあります。(とはいえ、投資信託は複数の債券を組み合わせた投資商品なので、そのうちの一債券が倒産したところで元本ゼロになるわけではありません。)

とはいえ、リターンを得るためにはある程度のリスクを取らねばなりません。そのリスクを管理する手法が分散投資です。そのため、株と債券を組み合わせるわけですね。

ちなみに、リスクが嫌だからと株は買わないで債券のみですと、リターンが減ります。さらには債券すら買わないで銀行預金していると、株などに投資した場合に比べリターンが少なくなり、機会損失となります。要は、どこまでリスクをとるか?そのため、アセットアロケーションを考える必要があるのですね。アセットアロケーションはこちらの記事をご参照ください。




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