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『アメリカ暮らしの素人投資-7: 目論見書Prospectusで確認するべきこと!』

投資信託で投資を開始する前に必ずするべきホームワークがあります。

まずは、これぞと目をつけた信託の「目論見書」Prospectusを読むこと。

全部読むと思えばうんざりしてしまいますが、的を絞って読めばそれほどではありません。実際読んでみるとわかりますが、案外平易な英語で書かれています。

それも嫌ならば、グーグル翻訳で翻訳して読むという手もあります。目論見書はウェブで検索すれば出てきますが、PDFがほとんどだと思うので、いちいちグーグル翻訳ウェブ上にコピペするという手間はかかりますが。

さて、特に確認しておきたい項目はこちら。

目論見書の発行日:目論見書は1年に1回最新版が発行されるのが普通のようです。表紙に発行日が記載されています。

投資の目的・戦略 Investment objectives and strategies:どんなタイプの証券に投資しているのか、などなど。インデックスファンドの場合は、どのインデックス(株価指数)を追っているのかが、わかります。

購入手数料と信託報酬などの費用 Fees and Expenses:費用はとりわけ重要なので、「アメリカ暮らしの素人投資-6」に説明と訳を載せています。そちらをご参照ください。

主なリスク Principal Risk:リターンを求める以上リスクは必ずセットでついてきます。なので投資をする上で、どんなリスクがあるかを知っておくと、「こういった類のリスクならば許容できるわ」と判断でき、逆に安心につながるとも言えます。

個人的には、このリスク欄が読んでいて一番面白いです・・・って、わーマゾっぽい!?でも、これ、すんごく勉強になるんですよね。どういうときにパフォーマンスが下がるかの説明が書かれているわけですから。

実績 Performance、リターン Return:毎年どれぐらい上下にぶれるかの感触がつかめますね。それから税引き前・税引き後のリターンがどれくらいになるか、参考値も載っています。(なぜ参考値かと言えば、401Kなど引き出すまで課税されない口座の場合や、個人の年収額によって累進課税額が変わるからです。)

純資産総額 Net Asset Value(NAV):投資信託の一単位当たりの価格。基準価格。資産から負債を差し引いた額を単位口数に割ったもの。

トータルリターンTotal Return:この信託を持つ投資家が毎年いくらのリターンを上げてきたかを示したもの。

参考例はVanguardのWellington Fundより

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平均純資産に対する信託報酬全額の比率 Ratio of Total Expenses to Average Net Assets: これまでの信託報酬の変化がわかる。投資信託が成長すると信託報酬は下がっていくべきである。新しく作られたばかりの投資信託では、投資家(つまり投資額)を集めている最中のため高くなる場合もある。

平均純資産に対する純投資収入(資産運用利益)の比率 Ratio of Net Investment Income to Average Net Assets: 投資信託が支払った配当金・利回りの変化。就労収入がないリタイヤ後の人たちにとっては特に重要。

回転率 Turnover rateTurnover:投資信託のうち、何パーセントの証券など投資対象品が売られて新しいものに置き換えられたかを示す。30%未満ならば低いとみなされ、Buy-and-hold(長期で買い持ちする)戦略をとっていると言える。100%以上ならば高いとみなされ、ファンドマネージャーが頻繁に売り買いしていると言える。あまりにも回転率が高いとその分コストがかかっているためよろしくない。

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どうでしょうか。はじめはわからなくても、我慢して見続けているうちに、なじんでくるものだと思います。特にいくつか投資を考えている信託がある場合、ぜひぜひ見比べてみてください。

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