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『ビジネスで使ってみたい英語!: red herring(おとり)』

推理小説や映画には、必ず「コイツが犯人じゃね?」風に描かれる登場人物っていますよね。まあ、だいたいがハズレで、思いもかけない真犯人がでてくるものですが。そういう犯人くさい人、つまり「おとり」や「目くらまし」になるものをred herringと呼びます。

Red herringは、直訳すれば燻製にしたため色が赤くかわったニシンのことですが、なかなか匂いがきついらしい。そのため、猟犬の訓練をする際に、獲物が通る道にわざと燻製ニシンのにおいをつけて犬を惑わせるようにしたのが語源と言われています。

Red herring: a clue or piece of information which is or is intended to be misleading or distracting; irrelevant Information used as a distraction

アガサ・クリスティの名作「そして誰もいなくなった」では、マザーグースTen little Indian boysを引用しています。

"Four little Indian boys going out to sea; A red herring swallowed one and then there were three."
「4人のインディアンの子が海にお出かけ、1人が燻製ニシンに飲み込まれ、残りは3人になった。」 

ここでも、ミステリーのカギをにおわせてるのでしょうね。あんまりにも遠い昔に読んだので記憶のかなたなんですが!

The author's latest book is a real page-turner. The plot is full of red herrings.
その著者の最新本は、読み始めたら止まらない本だよ。プロットはおとりやひっかけがやまほどある。

また、政治家などがよく使う手法ですが、記者会見で聞かれたくないことを質問をされたときに、関連はするが争点が異なる答えを出してごまかすことがよくありますね。そちらもred herring.

The New York Times reported President Trump paid just $750 in federal income taxes for 2016 and 2017.  Trump called it "total fake news" at a White House news conference, but many thought it was nothing but a smelly red herring.
NYタイムズ紙は、トランプ大統領が2016年と2017年の連邦税として$750しか支払っていなかったと報道した。ホワイトハウスの記者会見にて、トランプはそれを「フェイクニュース」と呼んだが、多くはそれをインチキくさい「目くらまし」以外の何ものでもないと思った。

そっか、私、大統領よりもずっと多く連邦税を払ってたんだ・・・(苦笑。

ちなみにアメリカの場合、会社員で源泉徴収があっても、自分で国税機関(IRS)に税の申告をしなければなりません。以前は、納税期間になりますと、街中にある会計士のオフィスだけでなく、ウォルマートやターゲットなど大手総合スーパーなどでもにわか仕立てのブースができて、そこに会計士が待ち構えていたものですが、昨今は納税ソフトを活用して、自分一人でやってしまう人が大半のようです。スーパーで見かけるブースの数がずいぶん減ってきました。

1月になると雇用主からW-2と呼ばれる源泉徴収票が送られてきます。それをもとに1年間で受け取った年収額や、支払った税、社会保障額、401Kなど、いろんな数字を入力していきます。するとソフトが1040とよばれる個人所得税申告書を作成してくれるのですね。ちなみに税は、連邦税、収税、市税の3本立てです。

いざ申告をしたときに追加で税を払うのが嫌なので、私は「扶養者なし(つまり一番税金を取られる設定)」の納税額を毎月納め、申告後に税金をがっと返してもらえるようにしています。

実は連邦税を払う人はアメリカ人の45%強のようです。残りは収入が少ないため対象外。この比率には驚きました。ちなみに払わなくて良い人とは収入のない(少ない)リタイヤした高齢者、専業主婦(夫)、失業者、低所得者たちなどで、一番多いのは高齢者だそうです。

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