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ドイツには「16の州」があります。

日本は47の都道府県
しかし、ドイツの州の在り方は
実は、日本の都道府県とは全く違う。

2022年W杯の予選リーグで、
日本はドイツと戦いました。
さて、その相手選手たちは、どのような
歴史と地理を背負っていたのでしょう?

本記事は、ドイツの16の州のご紹介です。

(注:ネット情報を元に書いた記事です。
詳細は各自でご検索を…)

さて、ドイツと言って、読者の皆様が
真っ先に思い浮かべる街は?

「『壁』があったベルリン」
「フランクフルト空港」
「ライン川下り」
「…ケルン大聖堂?」
「サッカーで有名なミュンヘン!」

現在のドイツの実際の行政区分は
以下の16の「州」に分かれております。

≪北部≫

①シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州
②自由ハンザ都市ハンブルク
③ニーダーザクセン州
④自由ハンザ都市ブレーメン

≪東部≫

⑤メクレンブルク=フォアポンメルン州
⑥ベルリン
⑦ブランデンブルク州
⑧ザクセン=アンハルト州
⑨ザクセン自由州
⑩テューリンゲン自由州

≪西部≫

⑪ノルトライン=ヴェストファーレン州
⑫ヘッセン州
⑬ラインラント=プファルツ州
⑭ザールラント州

≪南部≫

⑮バーデン=ヴュルテンベルク州
⑯バイエルン自由州

四つの地方ごとに、見ていきましょう。

≪北部≫

ドイツの北は海。
ニシンの塩漬けやカレイのムニエル、
海鮮が美味しい地域。

有名な街としては、
「ハンバーグ」の名前の由来になった
「ハンブルク」
『ブレーメンの音楽隊』で有名な
「ブレーメン」があります。

州の名前にハンザ都市と入っているのは、
中世後期の北欧中心の都市同盟、
『ハンザ同盟』の名残です。
「ハンザ」とは「団体」「組合」。
政治・軍事上、緩やかに連合していました。

シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州
デンマークの領土から
ビスマルク時代のプロイセンが獲得した地で、
ドイツ最北端の州。

乳牛の「ホルスタイン」
昔、このあたりで飼育されていた牛です。
のちにオランダに移り定着し品種改良されて
乳牛として有名になったそうです。
(欧州ではホルスタインではなく、
主にフリーシアンと呼びます)

≪東部≫

有名な首都「ベルリン」
この街は別格で、単独で一つの州。
その周りはブランデンブルク州でぐるり。

東部の州は「旧東ドイツ」で、
「新連邦州」とも呼ばれます。

『ポツダム宣言』のポツダム
ベルリン郊外にあります。
ブランデンブルク州の州都。
古都ドレスデンは、ザクセン自由州の州都。

冷戦期の「ベルリンの壁」が有名ですが、
現在のベルリンは、世界中から
アーティストが集まるおしゃれシティです。

豚のすね肉を野菜で煮込み
香辛料で味付けした「アイスバイン」
キャベツの漬物「ザワークラウト」
マスタードと一緒に、どうぞ。
お土産ですか?
やはり本場の「バウムクーヘン」を…。

≪西部≫

ケルンの大聖堂、と言えば
ゴシック様式の建築物としては世界最大!

初代ができたのは四世紀(今は三代目)。
16世紀のあたりで財政難で建設中止、
1842年に建設再開して、1880年に完成。
高さ157メートル。

その頃のドイツは「ドイツ帝国」成立後で
鼻息が荒い頃です。
「ドイツの 大聖堂は 世界一ィィー!」と
誇り高かったことでしょう。

西ヨーロッパの中央です。
ライン川ザール地方ルールの工場群。
フランクフルトの国際空港。
鉱工業も商業も盛んで豊かな地域!

ちなみにフランクフルトの街は、
中世からミート・ソーセージが特産でした。
「フランクフルト」は
今では全世界で売られていますよね。

≪南部≫

ミュンヘンでは「ミュンヘン一揆」など、
歴史的な出来事も起こっておりますが、

今ならサッカーチームの
「バイエルン・ミュンヘン」で有名な都市。
(元日本代表の宇佐美選手なども所属)

ビアホールが多い街です。
ビールの祭典『オクトーバーフェスト』
この街で開催されています。

シュトゥットガルトには
ベンツやポルシェの本社もある。
車好きにもたまらない地域。

観光としては「ロマンティック街道」
ヴュルツブルクから
最南西の街フュッセンまでを結ぶ道です。
有名な『ノイシュヴァンシュタイン城』
この街道沿い、バイエルン州にあります。

バイエルンの「狂王」こと
ルートヴィヒ二世が国を傾けてまで
作った「芸術の極み」の城。

彼が精神を病み、不審死した後に、
1886年から観光施設として公開されました。
(王様は「私の死後、城は破壊しろ!」と
言ったそうですが、摂政の人が無視して
住民に開放したそうです。摂政、グッジョブ)

…以上、四つの地域から
ドイツを断片的に紹介しました。
最後にまとめます。

ドイツは、各州、各地域ごとに
ずいぶん特色が強い。
そう、東京の日本、パリのフランス、
ロンドンのイギリスとは違う。
ドイツは「ベルリン一極集中」では、ない。

それもそのはず。

ドイツは「ドイツ連邦共和国」。
「16の州の連邦、連合体」なんです。

日本の「都道府県」は、地方自治ながら
国の支配下にあることが多いですよね。

しかしドイツでは、
各州が独自の政治を行っている。
州ごとに首相がいて、法律を決めます。
休日すら、州ごとに違うんです。

なぜでしょう?

…これは1871年の「ドイツ帝国成立」の
経緯から来ています。

新しい国に「オーストリア」を含めるか否か?
含めるべきの「大ドイツ主義」と
含めない「小ドイツ主義」で揉めたんです。
結果、プロイセンを中心として統一。
「小ドイツ主義」の国がまとまりました。

22の君主国と三つの自由都市から、
「ドイツ帝国」が出来上がった。

しかしプロイセンは強国ではありましたが、
圧倒的な存在ではありませんでした。

そのため、他の21の国から全部政治の権利を
取り上げることはできなかった。
「秦の始皇帝」みたいに、
各王国を滅ぼして統一したわけではない。


そもそも「神聖ローマ帝国」の昔から
ドイツは「領邦国家」でばらばらになりがち。
日本で言えば「戦国大名」が
各地に存続しながらまとまったイメージ。


日本のように「廃藩置県」をした
徹底した「中央集権」では、なかった。
だから、勝手に芸術の道に走り、
城を作る個性的な「狂王」も出てくる…。

(中央集権の明治新政府の日本においては、
勝手に城を作るような「狂知事」などは
(表立っては)出てきませんでした)

この地域ごとのユニークさが、
ドイツをカラフルな個性を持つ国にしました。
まるで「ブレーメンの音楽隊」のように。
「金太郎飴」とは真逆の国、なんです。

『市町村の消滅危機』『人口減少』
『道州制』『地方創生』『地域おこし』を
真剣に考える必要がある、これからの日本。

地方色豊かなドイツの歴史や地理、
地方自治を参考にできる面が
あるのではないでしょうか?


読者の皆様は、どう考えますか?
…ドイツのどこに行ってみたいですか?
何を見て、何を食べたいですか?

本記事は以前に書いた記事を
リライトしたものです↓
『47の日本、16のドイツ』

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