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ドイツには「16の州」があります。

日本には47の都道府県がありますよね。
しかし、その州の在り方は
日本の都道府県とは違うのです。

本記事は、ドイツの16の州についてご紹介。

(注:私はドイツ在住でも
ドイツ愛好家でもありません。
ネット情報から取捨選択して書いています。
詳細はそれぞれ、ご検索を…)

さて、ドイツと言って、読者の皆様が
真っ先に思い浮かべる街は?

「やはり『壁』があったベルリン
フランクフルト空港」
ライン川下り」
「…ケルン大聖堂?」
「サッカーで有名なミュンヘン!」

色々と思い浮かぶかと思うのですが、
実際の行政区分は
次の16の「州」に分かれております。

≪北部≫

①シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州
②自由ハンザ都市ハンブルク
③ニーダーザクセン州
④自由ハンザ都市ブレーメン

≪東部≫

⑤メクレンブルク=フォアポンメルン州
⑥ベルリン
⑦ブランデンブルク州
⑧ザクセン=アンハルト州
⑨ザクセン自由州
⑩テューリンゲン自由州

≪西部≫

⑪ノルトライン=ヴェストファーレン州
⑫ヘッセン州
⑬ラインラント=プファルツ州
⑭ザールラント州

≪南部≫

⑮バーデン=ヴュルテンベルク州
⑯バイエルン自由州

…全部を詳しくは書き出せませんので、
この四つの地方ごとに見ていきましょう。

≪北部≫

ドイツの北は海に面しています。
ニシンの塩漬けやカレイのムニエル、
海鮮が美味しい地域です。

有名な街としては、
「ハンバーグ」の名前の由来になった
「ハンブルク」
『ブレーメンの音楽隊』で有名な
「ブレーメン」があります。

州の名前にハンザ都市と入っているのは、
中世後期の北欧中心の都市同盟、
『ハンザ同盟』の名残ですね。
「ハンザ」とは「団体」「組合」。
政治・軍事上、緩やかに連合していました。

シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州は
デンマークの領土から
ビスマルク時代のプロイセンが獲得した地。
ドイツ最北端の州。

乳牛の「ホルスタイン」
昔、このあたりで飼育されていた牛です。
のちにオランダに移り定着し品種改良されて
乳牛として有名になったそうです。
(欧州では主にフリーシアンと呼ぶ)

≪東部≫

世界的に有名な首都「ベルリン」がある地域!
この街は別格で、単独で一つの州。
その周りはブランデンブルク州でぐるり。

東部の州は「旧東ドイツ」で、
「新連邦州」とも呼ばれます。

『ポツダム宣言』のポツダムはベルリン郊外。
ブランデンブルク州の州都。
「エルベ川のフィレンツェ」とも言われる
古都ドレスデンは、ザクセン自由州の州都。

冷戦期の「ベルリンの壁」が有名ですが、
現在のベルリンは、世界中から
アーティストが集まるおしゃれシティです。
小粋なギャラリーやカフェが目白押し!

豚のすね肉を野菜で煮込み
香辛料で味付けした「アイスバイン」
キャベツの漬物「ザワークラウト」
マスタードと一緒に、どうぞ。
お土産はやはり本場の「バウムクーヘン」を…。

≪西部≫

ケルンの大聖堂、と言えば
ゴシック様式の建築物としては世界最大!

初代ができたのは四世紀(今は三代目)。
16世紀のあたりで財政難で
建設が中止されていましたが、
1842年に建設再開し、1880年に完成。
高さ157メートル。

その頃のドイツは「ドイツ帝国」成立後で
鼻息が荒い頃です。
「ドイツの 大聖堂は 世界一ィィー!」
誇り高かったことでしょう
(実際に、1884年にアメリカで
ワシントン記念塔が建つまで世界一の高さ)。

西ヨーロッパの中央です。
ライン川にザール地方。ルールの工場群。
フランクフルトの国際空港。
鉱工業も商業も盛んで豊かな地域。

ちなみにフランクフルトの街は、
中世からミート・ソーセージが特産でした。
「フランクフルト」は今では全世界で
売られていますよね!
遠く日本のコンビニでも
ふつうに売られています。

≪南部≫

ミュンヘンと言えば「ミュンヘン一揆」など、
歴史的な出来事も起こっておりますが、

今ならサッカーチームの
「バイエルン・ミュンヘン」で有名。
(元日本代表の宇佐美選手なども所属)

ビアホールが多い街です。
ビールの祭典『オクトーバーフェスト』
この街で開催されています。

シュトゥットガルトには
ベンツやポルシェの本社もある…。
車好きにも、たまらない地域。

観光としては「ロマンティック街道」
ヴュルツブルクから
最南西の街フュッセンまでを結ぶ道です。
有名な『ノイシュヴァンシュタイン城』
この街道沿い、バイエルン州にあります。

バイエルンの「狂王」こと
ルートヴィヒ二世が国を傾けてまで
作った「芸術の極み」の城!
彼が精神を病み、不審死した後に、
1886年から観光施設として公開されました。
(王は「私の死後、城は破壊しろ!」と
言ったそうですが、摂政の人が無視して
住民に開放したそうです。摂政、グッジョブ)

…以上、四地域からドイツを紹介しました。
最後にまとめます。

ドイツは、各州、各地域ごとに
ずいぶん特色が強いと思いませんでしたか?
そう、東京の日本、パリのフランス、
ロンドンのイギリスとは異なる。
ドイツは「ベルリン一極集中」ではない。

それもそのはず。
ドイツは「ドイツ連邦共和国」。
「16の州の連邦、連合体」なんです。

日本の「都道府県」は、地方自治ながら
国の支配下にあることが多いのですが、
ドイツでは、各州が独自の政治を行う。
州ごとに首相がおり、法律を決める。
休日すら、州ごとに違う。

なぜでしょう?
…これは1871年の「ドイツ帝国成立」
経緯から来ています。

新しい国に「オーストリア」を含めるか否か?
含めるべきの「大ドイツ主義」と
含めない「小ドイツ主義」で、もめた。
結果、プロイセンを中心として統一。
小ドイツ主義の国がまとまりました。

22の君主国と三つの自由都市から
「ドイツ帝国」が出来上がった。

しかしプロイセンは強国ではありましたが、
圧倒的な存在ではなかった。
そのため、他の21の国から全部政治の権利を
取り上げることは、できなかった。
「秦の始皇帝」みたいに、
各王国を滅ぼして統一したわけではない
んです。

そもそも「神聖ローマ帝国」の昔から
ドイツは「領邦国家」で、ばらばらになりがち。
日本で言えば「戦国大名」が
各地に存続しながらまとまった感じ。


日本のように「廃藩置県」をした
徹底した「中央集権」ではなかった。
だから、勝手に芸術の道に走って
城を作る個性的な「狂王」も出てくる…。

ただ、この地域ごとのユニークさが
地域性を豊かにして
カラフルな個性を持つ国にしています。
そう、「ブレーメンの音楽隊」のように。
「金太郎飴」とは真逆の国、なんです。

『市町村の消滅危機』『人口減少』
『道州制』『地方創生』『地域おこし』を
真剣に考える必要がある日本。

ドイツの各地方の歴史や地理、
地方自治を参考にできる面があるのでは?


読者の皆様は、どう考えますか?
…ドイツのどこに行き、何を食べたいですか?

◆こちらの記事を参考にしました↓
『各都市の魅力を発見!
16の州からなるドイツの多様性・地方性』

バイエルン国王ながら「狂王」と言われ、
芸術の道をひたすらに突き進んだ
ルートヴィヒ二世の生涯は
何度か映画化されていますが、
そのうちの一つはこちら↓


国旗が似ている国、
ドイツとベルギーの記事もどうぞ↓
『ベルギーという国、そのタテとヨコの歩み』

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