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2022年6月27日の早朝、場外ホームラン級のニュース。
かねてより去就が注目されてきた、
元西武、元レッズ・元パドレスのメジャーリーガー、
秋山翔吾選手が日本球界に戻るチームを決定
というニュースが飛び込んできたのです!!

本記事は、このことについて。

まず、その背景から、簡単に書きます。

秋山選手は、1988年生まれの(記事執筆時)34歳。
神奈川県の横須賀市出身。
二歳から野球をはじめ、イチロー選手にあこがれ、
小学生の頃から中学生に交じって
陸上の練習をするなど、技術と精神を磨きました。
まさに「走れる・打てる・守れる」の
三拍子そろった選手
、なのです。

八戸大学に進学し、四年時には四冠に輝くなど
素晴らしい成績を残して、西武ライオンズに入団。

入団後、東日本大震災のあった2011年から
いきなり新人で開幕スタメンになります。
以来、九年間、西武の主力選手として
大活躍してきました。
2015年には、あのイチロー選手を抜き、
「216本安打」というシーズン最多安打を
記録したこともあります。

とにかく、打つ選手なんです。

その輝かしい実績を残して渡米、メジャー入り。
…ところが。

2020年、2021年、いずれもぱっとしない。
コロナ禍で、なかなかベストのコンディションで
なかったこともあるでしょう。
2021年には妻が事故に遭い、一時離脱。
自身も太もも裏を痛め、故障者リスト入り。
2022年には開幕メンバーから外れて、FA。
パドレスと契約を結んでいましたが、
五月には「日本球界に戻る」と表明しました。

ここまでの歩みをまとめると、

◆強肩強打、たくさんヒットを打つ外野手
◆西武ライオンズで九年、大活躍
◆メジャーの壁に阻まれ、約二年で帰国

…そんな秋山選手の前に、
三つの日本の球団が手を挙げました。
どのチームに行くのか?!
ここ最近、プロ野球界の大きな関心事、
それぞれのファンが、やきもきしていたのです。

①西武ライオンズ(古巣、パ・リーグ)
②ソフトバンクホークス(西武と同じパ・リーグ)
③広島東洋カープ(セ・リーグ)

①は古巣、九年間活躍した球団。
②はとにかく資金力がある、選手層も厚い。
③は前とは違うリーグ、しがらみゼロ。

…さあ、秋山選手はどこに決めたのか?

③広島東洋カープ入り、を決断したのです。

これは、かなりのびっくり。
普通に考えれば、勝手知ったる西武でしょう。
また、同じリーグのソフトバンクならば、
対戦するピッチャーもよく知っている。
しかし秋山選手は、第三の選択肢を選んだ。

この、彼がカープに決めた理由。
…新卒採用業務や中途採用業務、
スカウティングなどに従事している方に
かなり参考になると思うんですね。

以下に、ニュース記事から、一部引用します。

(ここから引用)

『―環境が大きく変わるが、決め手は?

「西日本に住むのもセ・リーグという環境も初めて。
米国という知らない場所に
飛び込んでいった時のような、
新しいことを知りたいという思いがある。
それが、カープというチームにお世話になりたいと
思う一つの要因になりました」』

『―交渉の席での言葉が大きかったか?

「鈴木(清明球団本部長)さんからの
“来てもらえれば カープの大きな財産になる”
という言葉は響きました。
それと“2000安打まで、あと五百何本だったよね”
と言っていただいた。
自分が2000本への思いを持っていることを
フロントの方が認識してくれていたのが、
ありがたかったし、うれしかった」』

『―カープのイメージは?

「地元に熱いファンがいて、
球場が真っ赤に染まるイメージ。
アツ(会沢)、キク(菊池涼)、(田中)広輔と、
侍ジャパンで一緒に戦った年の近い野手陣がいる。
チームが勝つためのワンプレーに対して
“今のは凄いよかった”と共有できるような
メンバーだと思う。客観的に見て、
いい雰囲気だなと思っていました」』

(引用終わり)

…さて、読者の皆様は、
この秋山選手のコメントから、
どのような感想を持ちますか?

もちろん、複雑な思いの中からの一部であり、
裏ではもっと葛藤があった、と思います。
特に、古巣西武への恩義、しがらみ、
さまざまな考えがあったのでは…。
当然、年棒や契約期間、出来高など、
条件の比較もあったかと思います。

ただ私が、あくまでこの引用したコメントから
感じたことを少しだけ書きますと、

「入団した後に、自分自身が活躍でき、
チーム自体に一番プラスになれる環境を
選んだのではないか」
ということです。

西武は、当然、秋山選手が抜けた後、
「次の外野手」を育てています。
ソフトバンクは、豊富な資金力で
選手層が厚いことで有名。

一方でカープは、鈴木誠也選手がメジャーに行き、
打撃がすごい西川龍馬選手がケガで離脱中、
若手・ベテランがとっかえひっかえ
出場して頑張ってはいますが
外野手三人は、なかなか固定できていません。

ここに惹かれたのではないか?
自分が最大限活躍できるだろう、という環境に。

かつ、秋山選手の2000本安打への想いを
理解してくれた球団本部長がおり、
日本代表でともに戦ったメンバーも、いる。
何より、違うリーグ、西日本、という
まっさらな環境がある。
どうしても同じパ・リーグだと、
古巣西武に対する複雑な感情がありますよね。
セ・リーグなら、新たな気持ちで頑張れる。

もう一つ、今後の彼のキャリアを考えますと。

西武→メジャー→西武だと、
野球選手としての経験として、
ちょっと視野が狭くなるかもしれません。
西武→メジャー→広島カープ→西武なら、
違うチーム、違うリーグ、違う立場を経験し、
仮に西武に選手としてではなく
コーチや監督として戻るにしても
幅の広い指導ができる、と思います。

何より、カープは若いチームです。
しかも(最近は鳴りをひそめていますが)
「機動力」を生かそうとするチームカラー。
日本最多安打記録保持者で足が速く、
しかもメジャー帰りの秋山選手は
きっと、若い選手たちから
指導を乞われるような「見本」
になります。
秋山選手も、積極的にその技術を教える。
またその指導する経験が、彼の次のキャリアにも
活きてくるように思うのです。

転職(チーム決定)はゴールではない。
あくまで、スタート。
その後に活躍できるかどうかが、大事。

このニュースから、私は、
いろいろな想像、教訓が得られました。
というか、よくぞカープ、手を挙げた。
「漢気」黒田投手の時もそうですが、
メジャーから戻る選手を迎え入れるスタイル、
カープは持っているなあ…、と思うのです。

もちろん西武・ソフトバンクファンの方にとっては
「ちょ、待てよ」という感じかもしれません。
しかし、上述したように、
いずれは秋山選手がそれぞれのチームに
大きなものをもたらしてくれる、かもしれません。

末筆ながら、エールを。
秋山選手、よくぞ決断しました!
勇気を、もらいました。
頑張ってください!

さて、読者の皆様は、彼の決断について、
どう思われますか?


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