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サッカー(フットボール)発祥の地、イギリス!
しかしイギリス、と一口に言っても、
サッカーのW杯には「イギリス代表」という
チームは出ていません
よね。

例えば「イングランド代表」
「ウェールズ代表」などという名前で出る。

そう、イギリスとは、あくまで
外の国から見た時の呼び名であって、
普段私たちがイギリス、イギリス、と
呼んでいる国は「連合王国」なんです。

一つの国、ではない。
「グレートブリテン
および北アイルランド連合王国」


だから、W杯などには
それぞれから代表を出します。
イギリス代表、としては出ません。

日本は「日本代表」として出ますので、
どうもこのあたりの感覚が
なかなかつかみづらいところですよね。
同じところにある島々の国なのに、
違う王国が並び立っている…。

その中でも、特に個性的な王国が
「スコットランド」です。
(サッカーW杯には、1998年に出た以降は
出ていないのですが)

…2014年には、この連合王国から
スコットランドが「独立」するのではないか、
と話題になりました(住民投票で否決)。

同じイギリス国内なんですけど、

ロンドンがある「イングランド」、
ラグビーも盛んな西の「ウェールズ」、
アイルランドの北「北アイルランド」と
スコットランドは、ちょっと違うんです。
文化的にも、場所的にも…。

お酒の「スコッチ」、伝統楽器「バグパイプ」
などは、スコットランドならでは、です。

本記事では、このスコットランドにある
「ミュアフィールド」という
超名門のゴルフクラブ(コース)について、
少し書いてみようと思います。
(ゴルフ発祥の地については諸説ありますが
スコットランド説もありますので…)

まず、スコットランドそのものの
地理について確認していきましょう。

場所は、イギリス国内の北の端
緯度は北緯五十五度あたり。

これは北海道の北、樺太より
さらに北の位置なのですが、
「西岸海洋性気候」のため、
冬暖かく、夏は涼しい。

暖流の上に偏西風が吹いているので、
緯度のわりには寒くなりすぎないんです。
冬は関東北部、
夏は北海道西部くらいの気温。
じめっとした夏の関東から見ると
とても羨ましい気候です。

その首都は、エジンバラ(エディンバラ)

…ドラクエ3で言えば「エジンベア」。
私の中では
「ゆいしょ ただしき おしろである。
いなかものは かえれ かえれ」という
プライドの高い門番がいるイメージ。

(あくまでイメージです。
ドラクエ3の世界は
現実世界をモチーフにしているためか、
各町や村の人々もかなり個性的なのです)

…実際のエジンバラも
「由緒正しき歴史ある街」でして。

エジンバラ大学は
欧州屈指の名門大学として知られています。
アダム・スミス、ダーウィン、
コナン・ドイル
など有名人を
綺羅星の如く輩出している。

さて、これらを踏まえた上で、
「ミュアフィールド」という
ゴルフ場について見ていきましょう。

ここは、エジンバラの
東のあたりにありまして、

フォース湾という
湾沿い・海沿いに設計された
由緒正しきゴルフクラブ(コース)です。

ゴルフの世界では、海沿いのコースを
「リンクス」と呼びます
(スコットランドではゴルフ場のこと
そのものをリンクスと呼ぶようです)。
ミュアフィールドは、
代表的なリンクスです。

海に近いゆえに、風が強い。
いや、本当に、強い!
例えば、ここで行われた
全英女子オープンの中継でも、
風がびゅんびゅん吹いていたかと思います。

この風のおかげでスコットランドは
寒くなり過ぎないのですが、

ゴルファーたちにとっては、
誠にキツく厳しい
「強風のコース」なのです。

18ホール中、9ホールは「時計回り」、
残りの9ホールは「反時計周り」に
ぐるりと回れるように設計されています。
つまり、同じ方向から風が吹いていても、
前半と後半では異なる風向きになる…。
(もちろんグリーンへの方向によって
それぞれのホールで異なりますが)

この前半後半で風向きが変わる設計が、
このコースでの勝負をさらに難しく、
そして面白くしています。

「帝王」「オハイオの怪童」とも呼ばれた
かのジャック・ニクラスさん
ミュアフィールドをことのほか愛したそうで、

何と自分の故郷であるオハイオ州に
「ミュアフィールド・ビレッジ・ゴルフクラブ」
を作ったほどなのです
(どんだけミュアフィールドのことを
愛しているんだ、ニクラス…)。

少し、歴史を紐解きましょうか。

本家本元のミュアフィールドができたのは、
何と18世紀半ばのことです。
…日本で言えば、江戸時代。
「世界初の会員制ゴルフクラブ」とも言われ、
その場所は何回か移動したのですが、
1891年には、現在の地に落ち着きました。

ただ、そのような
「由緒正しき歴史ある」クラブですので、

長い間「女人禁制」のポリシー
堅持していました。
イギリスは貴族がいる身分制社会の歴史があり
その影響が強いのです。
そのため「全英(女子)オープン」の舞台には
ふさわしくないだろうと、
いったん会場候補から外されたほどでした。

しかし2017年に、ついにこの歴史が変わる。

273年間貫き続けた「女人禁制」を撤廃…!
この決断により、晴れて2022年の
「全英女子オープン」の舞台に選ばれた、
というわけなのです。

ですので、2022年の全英女子オープンに
参加したすべてのゴルファーは、
歴史の扉を開いた人たち、と
言えるのではないでしょうか?

最後に、まとめます。

ミュアフィールドの正式名称は、
『The Honourable Company of Edinburgh Golfers』。

直訳すれば
「エジンバラのゴルファーたちの神聖なる集まり」
と言うそうです。

2022年、ここに集った世界中のゴルファーたちは、
その歴史を踏みしめながらも、風とも戦いつつ、
全力でプレーしたことでしょう。

以上、本記事は
スコットランドにある
ミュアフィールドというゴルフ場のお話でした。

ぜひ読者の皆様も
自分なりの風を吹かせて、
人生の「ナイスショット」を
連発
していただければ、と思います!

※本記事は以前に書いた記事を
リライトしたものです↓
『遥かなるミュアフィールド』

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