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ブハイ選手優勝、渋野日向子選手三位の結果で
幕を閉じた、2022年の全英女子オープン。

渋野選手、優勝までもう一歩でしたね。
実に惜しかった!
しかし、ここまでの結果を残すのは
さすが、素晴らしい!の一言に尽きます。

この勝負の舞台は「ミュアフィールド」という
スコットランドにある超名門の
ゴルフクラブ(コース)でした。
本記事では、ミュアフィールドについて
まとめて書いてみたいと思います。

スコットランド。
「イギリス」すなわち「グレートブリテン
および北アイルランド連合王国」

形成する一員です。

普段私たちがイギリス、イギリス、と
呼んでいる国は「連合王国」なんですね。
2014年には、この連合王国から
スコットランドが「独立」するのではないか、
と話題になりました(住民投票で否決)。

つまり、同じイギリス国内なんですけれども、
ロンドンがあるイングランド、
ラグビーが特に盛んな西のウェールズ、
アイルランドの北にある北アイルランドと
スコットランドは、ちょっと違うんです。
文化的にも、場所的にも。

お酒の「スコッチ」、伝統楽器「バグパイプ」
などは、スコットランドならでは、ですよね。

場所は、イギリス国内の北の端。
緯度は北緯五十五度あたりで、
これは北海道の北、樺太よりさらに北なのですが、
「西岸海洋性気候」のため、冬暖かく夏は涼しい。
暖流の上に偏西風が吹いているので、
緯度のわりには寒くなりすぎないんです。
冬は関東北部、夏は北海道西部くらいの気温です
(じめっとした夏の関東から見ると羨ましい)。

その首都は、エジンバラ(エディンバラ)
…ドラクエ3で言えば「エジンベア」です。
うん、私の中では
「ゆいしょ ただしき おしろである。
いなかものは かえれ かえれ」という
プライドの高い門番がいるイメージ
(あくまでイメージです)↓

確かに、実際のエジンバラも
由緒正しき歴史ある街でして、
エジンバラ大学は欧州屈指の名門大学です。
アダム・スミス、ダーウィン、コナン・ドイルなど
有名人を綺羅星の如く輩出しています。

さて、ミュアフィールドに、話を戻します。

ここは、エジンバラの東のあたりにありまして、
フォース湾という湾沿い・海沿いに設計された
由緒正しきゴルフクラブ(コース)
です↓

ゴルフの世界では、海沿いのコースを
「リンクス」と呼びます
(スコットランドではゴルフ場のこと
そのものをリンクスと呼ぶようです)。
ミュアフィールドは、代表的なリンクス。
ゆえに、風が強い。いや、本当に、強い。
全英女子オープンの中継でも、
風がびゅんびゅん吹いていたかと思います。

この風のおかげでスコットランドは
寒くなり過ぎないのですが、
ゴルファーにとっては、
誠にキツく厳しい強風のコースなのです。

18ホール中、9ホールは「時計回り」、
残りの9ホールは「反時計周り」に
ぐるりと回れるように設計されています。
つまり、同じ方向から風が吹いていても、
前半と後半では異なる風向きになる…
(もちろんグリーンへの方向によって
それぞれのホールで異なりますが)。
この設計が、このコースでの勝負を
さらに難しく、面白くしています。

「帝王」「オハイオの怪童」とも呼ばれた
かのジャック・ニクラスさんも
ミュアフィールドをことのほか愛したそうで、
何と自分の故郷であるオハイオ州に
「ミュアフィールド・ビレッジ・ゴルフクラブ」
を作ったほどです
(どんだけ好きなんだ、ニクラス…)。

少し、歴史を紐解きましょう。

本家本元のミュアフィールドができたのは、
何と18世紀半ばのこと。
…日本で言えば、江戸時代ですね。
「世界初の会員制ゴルフクラブ」とも言われ、
その場所は何回か移動したのですが、
1891年には、現在の地に落ち着きました。

ただ、そのような歴史あるクラブですので、
長い間「女人禁制」のポリシー
堅持していました。
イギリスは貴族がいる身分制社会ですからね。
そのため、全英(女子)オープンの舞台には
ふさわしくないと、いったん外されたほど。

しかし2017年、ついにこの歴史が変わります。
273年間貫き続けた「女人禁制」を撤廃…!

この決断により、晴れてこのたび
「全英女子オープン」の舞台に選ばれた、
というわけなのです。
ですので、2022年の全英女子オープンに
参加したすべてのゴルファーは、
歴史の扉を開いた人たち、と
言えるのではないでしょうか。

最後に、まとめます。

ミュアフィールドの正式名称は、
『The Honourable Company of Edinburgh Golfers』。

直訳すれば
「エジンバラのゴルファーたちの神聖なる集まり」
と言うそうです。

2022年、ここに集った世界中のゴルファーたちは、
その歴史を踏みしめながら、風とも戦いつつ、
全力でプレーしたことでしょう。

もちろん全英女子オープンにおいて
4ホールものプレーオフの死闘の末に
優勝したブハイ選手、二位のチョン・インジ選手、
惜しくも一打差で三位の渋野日向子選手は、
讃えられてしかるべきだと思いますが、

この三人だけでなく、
「神聖なる集まり」に集まってプレイした
すべての選手に、私は拍手を送りたい
と思います。

私も彼女たちの頑張りに負けないよう、
自分なりに頑張っていきたいです。

ぜひ読者の皆様も、
自分なりの風を吹かせて、ナイスショットを
連発していただければ
と思います!

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