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早慶上理。GMARCH。日東駒専。大東亜帝国。
関関同立。産近甲龍。摂神追桃。
旧帝一工に、関東上流江戸桜…。

「…これは、呪文か何かですか?」

これらはすべて、大学の略称です。
読者の皆様は、
どこの大学を指しているのか、
おわかりになりますでしょうか?

本記事では「大学の略称」を糸口に
大学や世間のあれこれについて書いてみます。

まずは、答え合わせといきましょう。
大学マニアの方は、考えてから答えをぜひ!
(「大学」は表記から省略します)

◆早慶上理(そうけいじょうり)

早稲田・慶應義塾・上智・東京理科。
「早慶上智」と3校になることもある。
関東の私立の最難関、とも言われます。

◆GMARCH(じーまーち)

学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政。
それぞれのローマ字表記の頭文字です。
Gの学習院を除き「MARCH」とも呼ばれる。

◆日東駒専(にっとうこません)

日本・東洋・駒澤・専修。
東洋や駒澤は、箱根駅伝の常連ですよね!

◆大東亜帝国(だいとうあていこく)

大東文化・東海・亜細亜・帝京・国士館。
「国」士館は「國」學院に代わることも。

◆関関同立(かんかんどうりつ)

関西・関西学院・同志社・立命館の4つ。
「KKDR」とも略される、関西の私立。

◆産近甲龍(さんきんこうりゅう)

京都産業、近畿、甲南、龍谷。
関西の私立大学群。

◆摂神追桃(せっしんおうとう)

摂南、神戸学院、追手門学院、桃山学院。
こちらも関西ですね!

◆旧帝一工(きゅうていいっこう)

「旧帝」は、かつての帝国大学。
東京、京都、北海道、東北、
大阪、名古屋、九州の七つの国立大学です。
これに「一」橋と、東京「工」業で旧帝一工。

◆関東上流江戸桜(かんとうじょうりゅうえどざくら)

関東学園、上武、流通経済、江戸川、桜美林。
いずれも関東の私立ですね。

…全部知っていた方は、スゴい!
私もある程度は知っていましたが、
全く知らないものもありました。

しかし、この略称、誰が呼び出したのか?
「早慶上理」の例を挙げます。

「私学の雄」と言われる「早慶」!
すなわち「早」稲田と「慶」應義塾は、
早いうちからセットで呼ばれていました。

早稲田は、大隈重信が創立!
慶應義塾は、福沢諭吉が創立!

幕末~明治時代からの歴史があり、
大隈、福沢ともに「明治の文明開化」の
中心人物、重要人物でもあるので、
早稲田は政界、慶應義塾は財界を中心に
多くの人材を出した歴史がある。

力のある卒業生も多い。総理大臣もいる。
両校の対抗野球戦「早慶戦」もある。
「凄い私大? ワセダとケーオー!」
そんなイメージで、世の中に広まった。

これに、上智が加わっていきます。
上智大学は、有名な「ザビエル」
端を発する(と伝えられる)学校です。

(ここから引用)

『上智大学の原点は、カトリック修道会
「イエズス会」の宣教師、
聖フランシスコ・ザビエルにまで
さかのぼります。1549年、
布教のために来日したザビエルは、
知的好奇心あふれる日本人の資質を高く評価し、
文化・思想の交流拠点として
日本の首都に大学を設立することを
イエズス会に要請したのです。』

(引用終わり)

大学のホームページに、こう書かれている。
続きを読んでみますと、

(ここから引用)

『1908年、ローマ教皇ピウス十世から
大学設立の命を受けた3人のイエズス会神父が
来日しました。3人の国籍は
ドイツ、フランス、イギリスとさまざま。
… 幾多の困難を乗り越え、
1913年に上智大学が誕生。
学生数わずか15名からのスタートでした。』

(引用終わり)

この「国際的」な上智が、早慶に加わった。
全くルーツも学風も違うのに、なぜ?

…1980年代に「共通一次試験」が導入されて、
いわゆる「受験戦争」が激化してから
「偏差値」が受験業界で使われていきます。
難しさで早慶に迫る上智。
関東の難関私立大!

そう、「受験業界」において
「早慶上智」とセットで呼ばれていったのです。

同様に、他の大学群も、
偏差値の輪切り、ゴロ合わせでくくられる…。
(旧帝国大だけはちょっと違いますが)

予備校では、まとめたほうが呼びやすい。
「早慶上智に〇〇人合格!」と言えば、
凄い宣伝効果になりますからね。

この早慶上智の三つに、特定の予備校が
東京理科を加え、最近10年ほどは
早慶上理、と呼ばれるようになったとのこと。
(私は「早慶上智」に馴染みがありますが)

…さて、ここまで読まれて、
読者の皆様はどう思われましたか?
「なるほど…」と思いましたか? それとも
「学歴社会の象徴、くだらない」でしょうか?

ここから、私の主観に基づき、
大学のグループ・略称と個人の関係について
書いてみたい、と思います。

「早慶上理」や「GMARCH」などは、
あくまでセットで呼びやすいように
まとめたものに過ぎない。誰が?
受験業界や予備校が、です。ひいては
高校の進学担当者や
企業の新卒採用担当などが…。

つまりは世間、外からの視点、なのです。

でも個人にとって、通う大学は一つ。
早稲田、慶應、上智、東京理科、全部に
通っていました!という人は、まず、いない。

そう、個人にとってみれば、
どの学校に通うか、また大学に行かなくても
「自分から何を学び、何を身に付けてきたか」
が一番大事
ですよね。
いわばこれは、自分の主観、中からの視点

そもそも同じ大学群でも
学校の理念は千差万別。
個人にも個性があり、ピンキリ。
特に早稲田は大隈重信の理念もあり、
「自分から自分の学びたいように学ぶ」
個性を尊重する教育が行われています。

つまりは「早慶上理」など、ただの呼び名!
そんな「外からの視点」には
縛られ過ぎない方がいい
、のでは?

…ただ同時に、逆説的ではありますが
「外からの視点」を「無視し過ぎない」のも
大事だ
と私は思うのです。なぜなら、
個人が内面でいかに考えようとも、
世間は「ひとまとめ」で見てしまうから。

個人ではなく、その背後にある
つながりやイメージで見てしまうから。

主観的には唯一無二の個人でも、
例えば早稲田を卒業していたら
「早慶上理! 素晴らしい!」
という目で見られることが多い、と思う。

所属や出身は、
他人にわかりやすい「ブランド」。
良くも悪くも「刻印」
なのです。

これは、大学に限った話ではない。
所属する(した)国とか、県とか、会社とか、
そういったものにも共通する話…。
「大阪出身だからボケとツッコミのプロ」
「青森出身だからりんご好き」
とは
限りませんが、世間からはそう見られがち。

この「外から/中から」の両方の視点を
バランスよくつかむ
ことが大事だと
私は思うのです。そしてそれには、
SNSの活用が大事ではないでしょうか?

最後に、まとめます。

本記事では、大学群の略称を糸口にして、
「外から」「中から」の視点について
書いてみました。

読者の皆様は、どう思われましたか?
ご自身の中では、どう考えますか?
ご自身は外から、どう思われていますか?

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