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「AIがお題だ」と聞いたので書きます。
本記事はLinkedIn上で LinkedIn News編集部(日本)
お題にのっかって、勝手に書いたものを
noteに転載したものです。

私は「ヒストジオいなお」なので
歴史について。
「そもそもコンピュータはどう生まれたのか?」
「AIという言葉はどう生まれたのか?」
を。

◆ブール代数
◆アラン・チューリング
◆ダートマス会議

このあたりを軸に紹介します。
ただその前段として、昔のお話から。

そもそも『人の手で人間
(に近い知能を持った人形など)を
生殖によらずに「つくりだす」』
という
試行錯誤は、古代から行われてきました。

古代ギリシア神話ではヘーパイストスという
「オリンポス十二神」の神の一人が、
「自動人形」を作っています。
クレタ島のタロースという青銅自動人形など。
…これって、AIを搭載してますよね?

もっともヘーパイストスはゼウスの子ども、
パンドラという「人間の女性」をつくったり、
(注:パンドラの箱の話の、元ネタの人です。
パン=全ての物、ドラ(ドーラー)=贈り物)
ゼウスの盾や雷をつくったりと、やりたい放題。
チート級の「炎と鍛冶の神」の設定なのですから、
AIだってちょちょいと作れるかもしれません。

中世には「錬金術」が発達しました。
金をつくれれば、人間もつくれるはず!
様々な研究(秘術)が行われてきた。
(ここで荒川弘さんの漫画『鋼の錬金術師』
思い浮かべてもいいかと思います)

他にも、例えば「ゴーレム」がいる。

これは、現在のチェコの首都、
「プラハのゴーレム」が有名。
ユダヤ人のレーヴという人が、
反ユダヤ主義者からユダヤ人たちを守るために、
ゴーレムという「泥人形」を作ったそうです。
16世紀後半(日本で言えば戦国時代)のお話。

ただ、主人の命令しか従わないゴーレムは、
夜な夜なプラハの街で暴れていたとか…。
ゴーレムの作成方法はレーヴが門外不出として、
教会の天井裏で泥の塊に戻されてしまい、
今でもそこに眠っている、とのことです。
(余談ですが、初代ドラゴンクエストの
「メルキド」にはゴーレムがいましたよね…)

と、こんな話を始めていくと止まらない。
軸で示した話に戻していきましょう。

19世紀(日本で言えば幕末のあたり)、
イギリスでジョージ・ブールという
数学者が現れます。

彼は「ブール代数」をつくりました。
「1か0か」を突き詰めた。
真を「1」、偽を「0」で、あらわした。
それを、えんえんと積み重ねていく…。

◆「AND(論理積)」0と1の掛け算。
◆「OR(論理和)」0と1の足し算。
◆「NOT(論理否定)」0を1、1を0にする。

簡単ですよね?

◆0×0=0、0×1=0、1×0=0、1×1=1
◆0+0=0、0+1=1、1+0=1、1+1=1
(ブール代数では0か1しかないため、2はない)
◆0を否定すれば1、1を否定すれば0

『デジタル計算機のプログラミングは
算術の問題ではなく論理の問題である』

そう言われることもありますが、これは
ブールの「真か偽か」という
論理を土台にしている
からです。

それを踏まえての、アラン・チューリング

彼は20世紀前半のイギリスの人。
20世紀前半と言えば世界大戦です。
第二次世界大戦では暗号解読、
ドイツの「エニグマ」という複雑な暗号を
解読した人
としても知られています。

彼は「チューリングマシン」という
抽象的で仮想的な機械の概念を提示しました。
これは「計算できるかどうか」という
可能性を確認する、機械っぽい装置。

彼はこの機械で
「どんな計算であっても、アルゴリズム、
すなわち「計算可能」な問題に対して、
その解を正しく求める手続き、これさえ
書くことができれば、計算は可能である」

ということを示した。
いわばAIの最初の一歩の概念を生み出した。
手続きさえできれば勝手に計算させられる。
一台の機械に、何でもさせられる…!
その考えを示したのです。

ただ、実際どうつくればいいかはわからない。
その実現化を進めたのがシャノンという人。
人呼んで「情報理論の父」

彼は「ブール代数」の考え方を援用し、
0か1かだけで情報をあらわすことを考えた。
100文字の英文ならアルファベットは26文字、
26の100乗の組み合わせがあればいい。
26の100乗はほぼ2の470乗なので、
よし、これを「470ビット」と名付けよう…。

すべて0か1かに変換すれば
膨大で複雑な情報を計算させられる…!?

チューリングの考えた概念、理論が
「ブール代数」と「シャノン」によって
実現化の道をたどっていく。

ただし、いくら計算ができるといっても、
その都度、計算回路を増やしていったのでは
無限に機械が大きくなっていきます。
これじゃ使えない。
いったい、どうすれば良いのか?

それを解決していったのが
「コンピュータの父」と言われる
ノイマン(とそのチーム)でした。

彼らは、機械(ハードウェア)から
計算手順や入力値を「独立」させ、
外部からこれを入れ込み、
元からある回路群でこれを処理させる、

という方式を構想しました。
これなら機械は大きくならなくていい!
「ソフトウェア」「プログラム」という
概念が生まれてきたんですね!

ブール、チューリング、シャノン、ノイマン。
(もちろん彼ら「だけ」ではないですが)
それやこれやの研究を踏まえて1956年、
アメリカのダートマス大学で、
「人工知能」の会議が開かれる
ことになります。
ここで人類史上初めて、提案書において
「人工知能(Artificial Intelligence)」
という言葉が使われたのでした。

この「ダートマス会議」が、
「AI」という言葉の起源です。

最後に、まとめます。

いまやAIは、将棋や囲碁のプロを負かし、
色んな機械に組み込まれ、
チャット形式で気軽に質問に答えてくれます。
そのうち人間を超える、
「シンギュラリティ」も迫ってくるでしょう。

ただ、自動人形や錬金術、ゴーレムの話、
また、ブールが複雑な話をシンプルにして
突き詰めていったところから、後に
コンピュータやAIが生まれていったように、
「『最初に』実際に動いていく」のは、
やはり人間の「想い」
だと思います。

AIは、アイディアや選択肢を示したり、
軍師のような助言をしたりはできます。しかし
それを形にするべく選択し、悩み苦しみ、
実際に行動できるのは、あくまで人間。

今後もAIは「パンドラの箱」
どんどん開けるでしょう。
「人間だけができた」はずのものを、
何でもしてくれるようになっていく…。


でもだからこそ、人間としては、
『想いを持ち、選択し、行動する』
それが大事だ、と思いました。

一言で言いかえると、こうです。

◆『を持ち、ええかを選び、動く』。

愛情を持ち、やるべきことを決め、ともに動く。
これこそがAIの存在が教えてくれている
「人間の姿」なのではないでしょうか?

(ダートマス会議以降の
もっと詳しいAIの歴史は、こちらを)

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