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自動車の普及を「モータリゼーション」と言います。
これにならって、
SNSが普及することを「SNSリゼーション」と、
呼称する、と仮定しましょう。

このSNSリゼーションは
生活に何をもたらすのか?

すでに普及が進んでいる自動車のほう、
モータリゼーションの影響と比較対照することで
探ってみたいと思います。

以下は、「モータリゼーションの影響」で
検索したページに出てきた文章を参考に、
私が加筆修正したものです。
悪い面も良い面も、挙げてみました。

≪事故の増加≫

自動車の交通量の増加は
事故の増加をもたらしました。
1990年代後半からは
交通事故による死亡者数は減少していますが、
自動車事故件数自体は、増加しています。
2010年代になってから
日本では高齢化を背景に
運転中の高齢ドライバーの事故が
問題となっています。

≪成人病の増加≫

モータリゼーションは、
遠い場所への移動を簡易にしました。
その結果、運動不足や肥満をはじめとする
成人病を増加させてしまっています。
公共交通機関の発達している都会ならば
住民はちょっとした距離なら歩きますが、
公共交通網が脆弱で車に依存した地域では
近場でも自動車を利用せざるを得ません。
身内・知人のマイカーで
送迎してもらうことも多くなっています。

≪経済の中心地の移動≫

自分で移動することが容易になったために、
それまでの市街地を離れたところに
住宅地が設けられるようになりました。
大型ショッピングセンターも郊外に進出しました。
商業施設は国道沿いのほか、
住宅街の幹線道路を中心に広がっていき、
「郊外に行けばどこへ行っても同じ風景」
という現象が起きています。
買い物客が郊外へと流れていったため
地方都市の中心部の商店街は空洞化、
特に小型店鋪の衰退を促しています。
(ドーナツ化現象、シャッター通り)
交通弱者にとって、こういった地域で
自立した生活を行うことは困難です。

簡単にまとめると、こう。

◎交通事故の増加
◎運動不足、成人病の増加
◎経済の中心地が郊外へ移動

…この文章を、SNSリゼーション版に
変えて書いてみます。

≪炎上・誹謗中傷の増加≫

SNS投稿量の急激な増加は
炎上の増加をもたらしました。
2000年代から様々なSNSが使われていき、
投稿に対する炎上事故は、増加しています。
日本では匿名のアカウントからの
誹謗中傷を受けて
精神的に追い込まれるケースがあることが
問題となっています。

≪対面でのコミュニケーション不足の増加≫

SNSによる急激な交流の普及は、
ネット上での人同士の交流を簡易にしました。
その結果、直接の対面による
コミュニケーション不足が生まれています。
元から人との交流が盛んな地域や組織ならば
ネット住民であっても、ちょっとしたイベントで
顔を合わせることができますが、
SNSを日常的に活用している人は
たとえすぐ隣でもSNSを利用する人もいます。
「中二病」と揶揄されるケースもあります。
もしSNSを行っていない人が
SNSを通じてしか連絡できない場合には、
身内・知人のアカウントを使って、
代理で発信してもらうことも増えています。

≪情報の中心地の移動≫

自分で投稿することが容易になったため、
それまでのマスコミを離れ
自分だけの情報収集・編集・
発信基地が設けられるようになりました。
多数の使いやすい検索・発信機能を備えた
SNSがリリースされています。
拡散されやすい情報は
他のSNSにも広がっていきます。
「インフルエンサーには共通する要素がある」
「バズる投稿は拡散されやすい」
という現象も起きています。
情報の中心がSNSへと流れていったため、
ラジオ、新聞、雑誌、テレビなどの
既存のマスコミは空洞化しており、
リスナーや部数、視聴者の減少を促しています。
(情報のドーナツ化現象、シャッターマスコミ)
情報弱者にとって、SNSを使わずに
自立した生活を行うことはできなくはないですが、
時代に取り残される可能性が高くなっています。

簡単にまとめると、こうですね。

◎炎上・誹謗中傷の増加
◎対人コミュニケーション不足の増加
◎情報の中心地がSNSへ移動


さて、ここまで、半ば無理やりに
モータリゼーションが推移してきた事柄を
SNSリゼーションに、あてはめてみました。

ここまでで、読者の皆様は
どのように思われるでしょうか?

「…ちょっと無理があるんじゃないか?」
「自動車ほどは普及しきっていないのでは?」
「ZOOMで話せれば、対面のコミュニケーションも
そんなに衰弱しない、と思います」
「まだマスコミの影響力は強いよね…」

色々なご意見があることでしょう。
相違点も、多い。
コストが段違い、とか、
自動車は運転するのに免許が必要だが
SNSは免許が必要ない、とか…。

自動車に比べて、SNSはまだ
「ほとんどの人が普通に使いこなす」という
レベルではないと思われます。私も含めて。

つまり、普及しきった感のある
自動車に比べて、SNSは
まだまだこれから、なのです。

試行錯誤の最中。
ほら、Twitterなども、
有料化などを模索し、一部実行に
移しているではないですか。

モータリゼーションで言えば、
ようやく1970年代くらいの段階。
そろそろマイカー(マイアカウント)も
持たなきゃな、くらいのところ。

最後に、まとめましょう。

50年たって、自動車は(特に地方では)
無くてはならないツールになりました。
交通公共機関が発達している地域ならともかく、
そうでない地域で(成人が)自動車を使わないのは
生活の困難を伴う。

SNSリゼーションも、同じだと思います。

早晩、SNSを使いこなせない人は
生活の困難を伴うことになるでしょう。

加えて言えば、モータリゼーションには、
「移動する個室」という側面がありました。
「移動手段の民主化」とも表現されます。

SNSリゼーションにも、
「移動する自己ブランディング」という
側面があります。

自分とは何者か、相手は何者か、
そう言った情報を公開し
「見える化」「見せる化」する。

日本では「匿名のアカウント」を使うほうが
人気ではありますが、
それは、例えて言えば、スモークをかけた
運転手の見えない自動車が
公道を走っているようなもの。

相手にとっては、ちょっと、怖い…。
(もちろん、意図的にそうしている
ケースもあるので、
一概に良い悪いではない、とは思いますが)

情報や交流のブラックボックスから、
情報手段・交流手段の民主化へ。

この流れが、SNSリゼーションで
さらに進展していく。

と言うか、もう進展しています。
好むと好まざるとにかかわらず…。

ならば、早く始めたほうがいい、と思います。
と、偉そうに書いてしまった私も、
ようやく2019年1月から
SNS投稿を始めた新参者です。

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