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人間万事塞翁が馬、とはよく言ったもので
うまくいった体験は、
うまくいった瞬間に毒性を持ちます。

「これ、次にも使えんじゃね?」
成功した方法は、再現性があれば
次にも使えますよね。
そして、見事にうまくいくこともある。
それを精査し、エッセンスを抽出して
使えるようにすれば
いわゆる「必勝法」になります。
「勝ちパターン」と言ってもいい。

成功を重ねている人は、
この自分なりの「必勝法」の
引き出しがたくさんあるんです。
自家薬籠中。
自分の薬箱から
「うん、この場合は、これだな」と
薬師が適する薬を選ぶかの如く
処方することが、できる。

ところが、です。

初めて出てきた災難、疫病には、
それまでの薬が効かないことも
ありますよね。
それなのに、
「うん、この場合は、これだな」と
安直に処方するとどうなりますか?

…かえって
被害が拡大することもありますよね。

つまり「成功の薬が毒になる」んです。
過去にうまくいったから、
未来でも100%うまくいくだろう?
そういうことばかりだと
人生イージーモードなんですが
なかなかそうはいかない。

…では、どうすればいいのか?

ただ単に薬を集めて、
闇雲に「選択して処方」ではなく、

いま眼前にある事態を真摯に見つめ
時には過去の薬をアレンジ、
時には全く新しい発想からアクセス、
時には薬を使わずにアッケラカン、

そういう柔軟さが必要、
なのではないでしょうか。

「私、失敗しないので」の
ドクターXは、過去の成功に拘泥しない。
「私、失敗したことありませんので」
では、ないんですよ。
けっこうやらかしてきた過去を
うまく活かそうとしているのです。

…成功の毒とは、
「無意識のうちに」
選択肢が狭まること
を指します。

自分では柔軟に、
日々新たに過ごしているつもりでも、
「無意識のうちに」
過去のつながりから逃れられない。
思考のルーチンワーク。
それは、人間の脳が
日々まっさらで最初からものごとを
考える負担に耐えかねて
生み出した機能なのでしょう。

喉元過ぎれば熱さを忘れる、とも言います。
過去の試行錯誤は、
嫌なことが消去され、
成功体験、良かったことだけが
上積みされ、上澄みになっていきます。

だからこそ。

無意識の成功の毒を
意識的に解毒していく必要がある。
同時に、
無意識に封じ込められた失敗を
薬に昇華させることも大事。

人間万事塞翁が馬、なんです。

あなたの過去の
「成功の毒」「失敗の薬」には
どんなものがありますか?

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