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「キャリアおこし協力隊」を仮定します。
「地域おこし協力隊」と同じような存在。

『地域おこし協力隊』とは、
自治体に期間限定で雇用されて
その地域に入り込んで
地域を「おこす」、そんな方たちです。

同様に『キャリアおこし協力隊』とは
キャリアに悩む方に期間限定で雇用されて
その対象者に寄り添って
キャリアを「おこす」
、そんな方たちとする。

『キャリア〇〇』
(キャリコン、キャリアアドバイザー…)
そんな方たちのイメージ。

しかし、地域おこし協力隊に
「ミスマッチ」があるように、
キャリアおこし協力隊にもまた、
「ミスマッチ」の問題があるのでは?


本記事は、この「キャリアおこし協力隊」の
ミスマッチの問題について、考えてみます。

ミスマッチ。
要は、合わない、ということ。

≪地域おこし協力隊側の視点≫

◆ある地域のことを調べる
◆この地域をおこしたいと思う
◆その地域の協力隊に応募する
◆自治体の面接を受け、採用決定
◆実際にその地域に入って活動

≪おこされる地域側(自治体)の視点≫

◆地域をおこしたいと思う
◆地域おこし協力隊を募集(捜索)する
◆応募してきた協力隊を面接、採用決定
◆実際に隊員に寄り添われて地域おこし

この段階のうち、どこで
「ミスマッチ」と思うのか?

◆実際にその地域に入って活動
◆実際に隊員に寄り添われて地域おこし


の段階ですよね。
事前に「ミスマッチ」とは思いにくい。
「マッチする」と思って入っているのだから。

しかし、活動をしていく中で、
「あれ? こんなはずじゃなかったのに」
「なんか、ずれてきてない?」
という違和感、不信感を募らせていき、

最終的に「ミスマッチだった」となる。

地域おこし協力隊の場合は、このように
「協力隊員」「自治体」「地域」という
三者が関係してきます。
この三者がマッチしているかどうか?

◎協力隊員:地域をおこす活動を行う
◎自治体:地域をおこす隊員の活動をサポート
◎地域:隊員によりおこされるきっかけをつかむ

マッチしていれば効果が上がる。
ミスマッチなら、効果は上がらない。

…さて、この構図を、そのまま
『キャリアおこし協力隊』に
当てはめて考えてみましょう。

≪キャリアおこし協力隊員側の視点≫

◆ある対象者のことを調べる
◆この対象者のキャリアをおこしたいと思う
◆その対象者の協力隊に応募する
◆その対象者の面接を受け、採用決定
◆実際にその対象者に寄り添って活動

≪おこされる対象者側の視点≫

◆自分のキャリアをおこしたいと思う
◆キャリアおこし協力隊を募集(捜索)する
◆その協力隊とコンタクトを取って採用決定
◆隊員に寄り添われてキャリアおこし

この段階のうち、どこで
「ミスマッチ」と思うのか?

◆実際にその対象者に寄り添って活動
◆隊員に寄り添われてキャリアおこし


の段階ですよね。
最初から「ミスマッチ」とは思いにくい。
マッチするであろうと思って、契約を結ぶ。

しかし、活動をしていく中で、
「あれ? こんなはずじゃなかったのに」
という違和感、不信感が募り、

最終的に「ミスマッチだった」
「自分には役に立たなかった」
なることも、ある。

…ただし、キャリアおこし協力隊の場合は、
地域おこし協力隊と異なり、
「協力隊員」「対象者」という
二者間の関係が中心。

この二者がマッチしているかどうか?

◎隊員:対象者のキャリアをおこす活動を行う
◎地域:隊員からおこされるきっかけをつかむ

マッチしていれば効果が上がり、
ミスマッチなら効果は上がらない。

…はい、ここまでで、
多少ムリヤリ「キャリアおこし協力隊」と
「地域おこし協力隊」とを対比させる形で
考えてみました。

この二つの協力隊の一番の違いは何か?

◆「地域おこし協力隊」:三者間の関係
◆「キャリアおこし協力隊」:二者間の関係

ここが、大きく違います。

◆「地域おこし協力隊」:隊員・自治体・地域
◆「キャリアおこし協力隊」:隊員・対象者

キャリアおこし協力隊にはクッションが無い

地域おこし協力隊の場合は
「自治体」が「隊員」を雇って、
「地域」をおこすよう仕向けますが、

キャリアおこし協力隊の場合は、
「隊員」と「対象者」がじかに
結ばれているケースが多い
んです。

ゆえに、地域おこし協力隊が
ミスマッチの場合はこうなる。

◆隊員と自治体のミスマッチ
◆隊員と地域のミスマッチ
◆自治体と地域のミスマッチ


これに対し、キャリアおこし協力隊は、

◆隊員と対象者のミスマッチ

「…いや、当たり前のことを
ずらずら書いていますが、
キャリアおこしはキャリア=対象者だから、
二者間の関係になるのは当たり前なのでは?」

そう思われますか?

ただ、私は、ここにこそ
ミスマッチを事前に防ぐヒントが
隠されているようにも思うのです。

例えば、地域おこし協力隊のように、
キャリアおこし協力隊においても、

『自治体』を介在させてみてはどうか?
つまり、三者間の関係にしてみる。

◆隊員(キャリア〇〇)
◇隊員と対象者をマッチングさせる人・組織
◆対象者(キャリアに悩む人)

もちろん、三者間の関係になることで
新たなミスマッチの可能性も増えるでしょう。

しかし、地域おこし協力隊と地域が
「見事にマッチ」した事例では、
直接、隊員と地域が結びつくと
トラブルになるところを、
「自治体がうまく介在することで
回避している」事例も多い
のです。

ワンクッションおく。
あえての介在。

それもまた、キャリアおこし協力隊と
キャリアに悩む人とのミスマッチを防ぐ
一つのやり方なのではないか?


最後に、まとめていきます。

本記事では「キャリアおこし協力隊」の
ミスマッチについて考えてみました。
そのために「地域おこし協力隊」の事例から
考えてみました。

現在、日本では
「キャリア〇〇」と呼ばれる方たちが増え、
国も増やす方向なのですが、

環境整備はまだこれから。
問題は山積み。
ミスマッチの事例も多い。

となれば「地域おこし協力隊」という
先行事例の良いところや悪いところ、
マッチやミスマッチの事例を
分析していく
ことによって、

キャリアおこし協力隊のミスマッチも
未然に防げる
のではないか?
「キャリア〇〇」をもっと活用しようという
環境も整ってくるのではないか?

その一つの観点として本記事では、
「二者間直接ではなく、
『隊員と対象者をマッチングさせる人』を
制度的に介在させてはどうか」
という考えを提案してみました。

例えば「婚活パーティー」のような…。

「キャリアに悩む人」と
「キャリアをおこしたい人」が集まって
契約する前に顔を合わせられるような…。


(逆のことも言えます。つまり、
『自治体』を介在させずに、直接
『隊員』と『地域』の二者間が結びつく
『地域おこし協力隊』
も考えられます)

もちろん、これらの方法にも
良い面、悪い面があると思います。

「キャリア〇〇マッチングサービス」
すでに出てきつつある。

読者の皆様は、どう思われますか?

※本記事は以前に書いた記事の
続きとして書きました↓
『『キャリアおこし協力隊』の仮定から』

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