「僕の時刻表は『非固定式』」ヒスイの#シロクマ文芸部
『変わる時刻表』を眺めて、僕は駅でため息をついた。
「ああ、やっぱり…朝みた時間と変わってる…いったいどの列車に乗ればいいんだ? 明日は会社があるってのに」
思わず青い空を見あげる。
満開の桜がひらほらと散り始めていた。
薄ピンクの花びらが、僕の右足のギプスにふわりと着地した。
「ちぇっ、この足さえ動けば車で帰れるのに」
政府が『変わる時刻表』を施行してから4年がたつ。
電車やバスなどの時刻表が勝手に変わるシステムが導入され、公共交通機関の到着時間は全く信用できなくなっ