感想 永井祐『日本の中でたのしく暮らす』
永井祐『日本の中でたのしく暮らす』を読みました。印象に残った歌を、いくつか引用します。
一見誰でも簡単に作れそうに見えて、実はよく技巧的に作り込まれている。そんな感想を抱きました。
例えば「マンションのひさしで雨をよけながらメールを書いている男の子」という歌は、並の歌人なら「メールを打っている男の子」とするはずです。
よく読み込んでみると、こういう仕掛けに気付くんじゃないかと思います。
短歌世界としては、主体の身体性も感情も感じられないし、世界のすべてが他人事っぽいような