『文芸埼玉』短歌部門への投稿をお考えの方へ

結論から言います。
文芸埼玉』短歌部門への応募を考えている人は、絶対にやめた方がいいです。
他のところに応募した方がいいです。時間と労力の無駄です。

『文芸埼玉』短歌部門の選考委員は、金子貞雄氏、御供平佶氏の2名ですが、あまりにも選考が酷すぎると思います。
どれくらい酷いものなのかは、以下にまとめました。

・選考委員は、81歳の金子氏と77歳の御供氏の男性2人で構成されており、明らかに世代と性別に偏りがある。
・106号に、「サッカーのルール詳しく知らねども地元チームの熱戦を見る」、「自然体あいさつマナーの振る舞いは日本の宝ぞ大谷翔平」、「コロナ禍のオリンピックは無観客テレビの前で大声を出す」、「若者にルール・マナーはないのかと思わせられる真夏の渋谷」、「欲しいものあれど身体が動かないされどネットも使いこなせず」など、質を疑う作品が入選している(もちろん、素晴らしい作品も入選しています)
・106号の選評において、御供平佶氏が、選考委員と同世代の作品を優先する姿勢を明らかにしている(「同世代を中心とした応募者とは生まれ育った今日までを共有する思いが著しい」)。

選考にどうしても納得できないため、以下の内容を、金子貞雄氏にメールしました。

『文芸埼玉』短歌作品の選考にどうしても納得がいかず、この度メールさせていただきました。
金子様がご存じかはわかりませんが、ここ数年、木下龍也、岡本真帆、岡野大嗣らの歌集が1万部以上も売れており、若者の世代には空前の現代短歌ブームが起きています。
しかし、せっかく起きた短歌ブームにもかかわらず、旧世代の歌人には、「文語調しか認めない」「子規・茂吉的な短歌しか認めない」「自分には何を言っているのかわからない」など、前時代的な価値観で若者の短歌を評してしまう方がいます。
その世代間ギャップにより、若い世代の歌人が創作を辞めてしまうことが増えています。
申し訳ありませんが、『文芸埼玉』の短歌部門も、その一端を担っていると思います。
『文芸埼玉』短歌部門の選考委員は、81歳の金子氏と77歳の御供氏の男性2人で構成されており、明らかに世代と性別に偏りがあります。
この選考委員の構成で、さまざまな年代や女性、トランスジェンダーの方など、多様な価値観をもった短歌を評価するのは、無理があるのではないかと思います。
特に、106号の選評において、御供平佶氏が、選考委員と同世代の作品を優先する姿勢を明らかにしています(「同世代を中心とした応募者とは生まれ育った今日までを共有する思いが著しい」)。これはどう考えてもおかしいのではないかと思います。
若い世代の応募が少ないようですが、選考委員の構成や選考基準が、若い歌人を排除しているように思います。
せめて選考委員を4人程度に増やし、女性や若い世代の歌人をメンバーに加え、世代や性別がばらけるような構成にする必要があるのではないでしょうか。
今回の落選を受けて、短歌の創作はやめようと思います。
これから創作をしようという若い世代の歌人が悲しまないために、この度メールをさせていただきました。
御供氏にも、このメールを転送していただけますと幸いです。
金子貞雄氏へ送付したメール抜粋

これに対し、金子貞雄氏からの返信はこのようなものでした。

メール拝読いたしました。
おっしゃる通りです。
最近の若い人の活躍目覚ましいですね。
第108号の自由作品部門では
十代、二十代、三十代で3人も入選しています。
御供氏には転送しておきました。
金子貞雄氏からの返信全文

返信には、「第108号の自由作品部門では十代、二十代、三十代で3人も入選しています」とあります。
要するに、自由作品部門30名中、3名も(!)若者が入選しているのだから、選考につべこべ言うな、ということでしょう。
事務局の方は電話で、「選考委員には作品しか渡しておらず、年齢や氏名は選考基準に入っていない」と否定していましたが、金子氏が明かした「十代、二十代、三十代で3人」という人数も、かなり不自然です。
もしかすると、10代枠・20代枠・30代枠など、各年代の枠が一人ずつで、作品の出来ではなく、作者の年齢によって入選する枠が決められている可能性があります
仮にこのような《枠》という形を取っていなかったとしても、金子氏は熊谷短歌会で指導をしているわけですから、金子氏的な作品は評価され、それ以外のものは落選となってしまいます。

なお、選考委員・金子氏の作品を以下に引用します。

「椅子から尻を浮かせて10秒保つことこの身に1日5セットを課す」
「短歌研究」令和3年5月号

これがいい作品かどうか。こういう金子氏的な作品を自分でも作って、『文芸埼玉』に掲載されたいか。
その判断は、読者にお任せします。

『文芸埼玉』が本当に若い歌人に短歌を普及させたいなら、選考委員を4人程度に増やし、女性や若い世代の歌人をメンバーに加え、世代や性別がばらけるような構成にする必要があると思います。
このような現状を踏まえ、埼玉県知事・大野元裕氏へ、「県民生活部 県民広聴課 広聴・知事への提案」を通じて、選考委員の構成の見直しについて、意見を送りました。
今後どのような動きがあるのか、静観したいと思います。

もう一度言います。『文芸埼玉』への応募を考えている人は、絶対にやめた方がいいです。他のところに応募した方がいいです。時間と労力の無駄です。
せめて選考委員の構成が変わるまでは、応募を考えた方がいいと思います。
応募した若い世代の方は、落とされても「自分には才能がない」なんて思わないでください。

(追記訂正)
金子貞雄氏は、2022年10月現在、埼玉県歌人会会長ではないとのことですので、該当部分を削除いたしました。