2024年3月期4Q決算に向けて持てる損保銘柄ランキング
ちなみに本決算に向けたセクター記事第一弾は自動車・第二弾は石油銘柄
第三弾は損保3社にフォーカスしていきます。
日銀政策決定会合後の損保セクター
今回の日銀政策決定会合の結果、内容はどうあれ、株式市場では「株高」、為替市場では「円安」、金利市場では「金利低下」という反応だったというのが結論です。
株高は保有する政策株式の売却益が増大する意味でポジティブになります。
円安は海外事業の利益貢献が増大するためポジティブな影響を受けます。
国内の金利動向による影響は軽微と考えられますので、特段問題視する必要はないかと思います。
そもそも日銀政策決定会合による影響は生保セクターや銀行セクターには大きな影響を及ぼすものの、損保セクターに対する影響はそもそも大きくはありません。
ただし結果的に円安となった事実、株高となった事実がポジティブに働いたと考えればよいかと思います。
政策株式の売却動向が今後の株価を左右する
損保4社は金融庁から業務改善命令が発出されました
以上により政策株式の保有をゼロにするという業務改善計画書を発表しました。
最も注目されているのが、損保各社が保有している政策株式の売却についてです。
東京海上日動
政策株式をなくすことを目指すが、具体的達成時期は今後決定する
三井住友海上火災保険
保険取引目的の政策株式は保有しない、現在保有する政策株式は2030年3月末までに保有をゼロにします。
あいおいニッセイ同和損保
上場の政策株保有は2029年度末までにゼロにします。(2030年3月)
損害保険ジャパン
2030年度末までに保有残高ゼロを目指す。
東京海上以外は具体的な時期まで公表しポジティブな印象です。
言葉尻の点では、MS&ADの「ゼロにします」という言葉に対して、損保ジャパンは「ゼロを目指す」なので、断固たる意志が見えるのがMS&ADの方かと思います。
現実問題それができるのか・・・?という話はさておき、今後も注目が集まると思います。
長い目線では売却した資金の使い道にも注目
報道では4社合わせて6.5兆円としてますが、トヨタ自動車などの株式をたくさん保有しているため、昨今の株価上昇で多分7~8兆レベルになってると思います。
その株を売れば当然税金持ってかれますし、資産としては圧縮されてしまう。しかも、今後配当も入ってこなくなるので、一部自社株買いに回るという期待値で株価は上がってますが、その売った後どこに投資するのか?というのはかなり議論の余地があると思います。
今現段階では売るための売却交渉に時間を割くということなのだと思いますが、2~3年後に売却が実際に進んできて手元のキャッシュが増えれば増えるほど、自社株買いに使われなかった分はどうするの?という議論になりそうです。
ETFを買うのか?オルタナティブ資産に投資するのか?海外の会社を買収して本業を拡大するのか?
このあたりの方針も将来的には注目されそうです。
2023年初来の株価パフォーマンス
1位 MS&ADインシュアランスグループホールディングス +89.1%
2位 東京海上ホールディングス +68.66%
3位 SONPOホールディングス +63.9%
軒並み強く上昇はしているのですが、銘柄間格差はしっかりと出ております。
元々割安感があったこともそうですが、直近の政策株式の売却を推し進めるというニュースが出だしてからパフォーマンスが一番高いのはMS&ADインシュアランスグループホールディングスになっているというのが特徴です。
ではここからは、損保3社の今後についてどう考えていくべきなのか?そのうえでどの銘柄を選択すべきなのかという論点でお話していきたいと思います。
何卒よろしくお願いいたします!
損保の決算は当期純利益を見てはいけない
損保セクター見るときの基礎知識というかよく勘違いしやすい内容なのでまとめて書きます。
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