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日本の城について②

日本の城について、今回はその特徴について考えていこうと思います。

日本の城の特徴とは

 日本は西洋と比べて地震がかなり多い地域です。西洋で発達したような石造りの垂直な城壁や建物は、地震のような水平の横揺れに弱い特徴を持ちます。
 石材が多く取れないと言う理由もありますが、そう言う理由もあり日本では石造りの構造物は発達しませんでした。

日本の城の防御の考え方

 垂直で高い城壁が発達しなかった日本において、外敵の攻撃にどうやって備えていたのでしょうか。
 日本の城の防御装置である土塁は傾斜を極端にきつくはできないことに加えて、石垣も隙間に足を引っ掛けて登ることはできないわけではありませんでした。その弱点を補うため、日本の城は、線的な防衛ラインというより面的な防衛ラインを構築しました。
 例えば、いくつもの曲輪からなる城の縄張りや枡形虎口(出入り口に設置した塀や櫓などに囲まれた四角形の空間)などはいい例です。

枡形空間(大阪城大手門)


 城壁で完全に防御すると言う考えではなく、面ごとに敵を捉えて防衛する仕組みを考えました。

城の建築物

 頑丈で燃えない石造りの構造物が発達しなかった日本では、木造建築で櫓や門を築くのは大きな弱点となりえました。しかし、その弱点を克服するかのように日本の城郭建築は発展していきました。

 時代が進むと建物が燃えないように瓦や土壁が使われるようになります。特に壁は柱などを見せる真壁造(しんかべづくり)から柱などを見せない大壁造(おおかべづくり)となり、軒裏も土で覆った総塗籠(そうぬりごめ)というものもでてきました。

真壁造の櫓(逆井城)
総塗籠の櫓(宇都宮城)

まとめ

様々な制約から独自の進化を遂げた日本の城郭。現代に残っているものや復元されたものは江戸時代以降の、城の最終到達点的なものが多いですが、城の変遷や特徴に目を向けるそれらは関連していて奥が深いことがわかります。ぜひ、城に行く機会があればそういった視点から見てみることをおすすめしたいと思います。

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