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どうしてラテン語にはまったのか

皆さん、ラテン語は好きですか?私は好きです。
こんな文から始めたnoteを書いてから、1年半ほど経ちました。

今もラテン語を続けています。いやむしろよりドはまりしています。どのくらいかというと、一番好きな趣味のゲームの時間を削ってまでラテン語を読むことがあるくらいです。

さて、私はなぜこんなにラテン語が好きなのでしょうか?前回の記事も踏まえながら、考えてみようと思います。
また、その中でラテン語の魅力も伝えてみたいと思います。

ラテン語を始めたきっかけ

これ一つがきっかけ、というものはありません。いくつかの要因が重なって、気がついたらラテン語を勉強していました。
ざっくり挙げると、こんな感じです。

  1. かっこいいから

  2. 世界史が好きだから

  3. 休職して時間が大量に余った

  4. ラテン語さんをフォローし、ラテン語由来の言葉への関心がより高まっていた

  5. 読んでいるだけで頭が良くなった気がするから

  6. 他の趣味と違い、競技人口が少ないためちょっとやるだけで強くなった気がするから

こんなところですかね……。一つ一つ説明してみます。

1.かっこいいから

ラテン語ってかっこいいですよね。
ハリー・ポッターシリーズの呪文もラテン語が多いですし。(ex アクシオ=accio(私は呼び寄せる)、エクスペクト・パトローナム=Expecto Patronum(私は守護霊を待ち望む)など)
リアル厨二病の頃は、ゲームのキャラの名前をラテン語からつけてみたものです。

2.世界史が好きだから

そもそもラテン語とは何か?
ラテン語とは、古代ローマで広く使われていた言語です。しかし、ローマ帝国滅亡後はラテン語を公用語として使う人は少なくなりました。聖職者や為政者などが公的な場でラテン語を使うことはありましたが、一般の人々が会話で使っていた時代は古代ローマくらいではないでしょうか。

逆に言えば、古代ローマやローマ滅亡後の公文書の原文を知るためには、ラテン語の知識が必要なのです。ローマならカエサルやキケロなどの有名人がいます。ローマ滅亡後の公文書では、マグナ=カルタやネルチンスク条約などがあります。
日本語訳が既にあるものも多いですが、どうせなら実際に自分で読んでみたらより理解が深まるだろうな、と思いました。
また、日本語訳が間違えていることもあります。実際、カエサル『ガリア戦記』に出てくるベルガエ人の説明について、Wikipediaの記事が間違えていたことがありました。やはり、ラテン語を正しく読まなければ真の理解はできないのだと気付きました(これがウィキペディアンになろうとした瞬間でもあります)。

3.休職して時間が余った

精神的な事情で休職したため、体は元気でした。
また、深刻なうつ病のように全く動けない、ということもなく、むしろ急に時間ができて手持ち無沙汰になってしまいました。
そこで、今までやろうと思ったけれどできなかった勉強を少しやってみようと思いました。その中の一つが、ラテン語でした。

4.ラテン語さんをフォローし、ラテン語由来の言葉への関心がより高まっていた

ラテン語さんとは、X(旧Twitter)でラテン語の魅力を発信し続けている方です。
元々語源に興味があったため、ラテン語を勉強する以前からラテンさんをフォローしていました。彼の博識さに触れるうちに、憧れも覚えてきました(要するに、推しになりました)。
そこで、彼がおすすめしていたラテン語の文法書と辞書を購入し、ラテン語への扉を開くことになったのです。

5.読んでいるだけで頭が良くなった気がするから

ラテン語って、難しいんですよ。ざっくり言うと、英語で言う三単現のs、過去変化、みたいなのが数十種類あるみたいな。ついでに名詞も形容詞も変化します。英語には存在しない、男性詞・女性詞・中性詞もあります。

しかし、文法を覚えると少しずつ読めるようになります。このときの快感がたまりません!!まるでパズルを解いているような感覚になります。
大半は読めないのですが、たまにこういう瞬間があると楽しいのです。

6.他の趣味と違い、競技人口が少ないためちょっとやるだけで強くなった気がするから

要するに、私は逆張りオタクです。他の人がやらないことをやってみたくなる性分です。
さらに、自己顕示欲もあります。「すごい!」って言われたいです。
この2つの性分に合った趣味が、ラテン語なのです。

ラテン語を勉強している日本人はかなり少ないです。統計はありませんが、ラテン語を勉強する必要がある方は、史学科の古代ヨーロッパ専攻や言語系学科に所属する方、合唱で聖歌を歌う方、くらいではないのでしょうか。

そんな中でラテン語をやっているとなんかすごい気がしませんか?(語彙の消失)
実際、「最近ラテン語やってます」と言うと、基本驚かれます。嬉しいです。

どんな勉強をしているのか?

去年は、先述の文法書を少しずつ進めていました。しかし、ずっと文法をやっていると飽きてしまいます……。
よって、『ガリア戦記』を少しだけ読んでみました。少し分かるとモチベーションアップにもつながりました。

今年は文法事項はサボっています笑 文章を読んで、必要なときに文法を確かめています。本当はちゃんと文法事項を勉強して、活用形を頭に入れてから読まないといけないのですが……。文法ばかり勉強していると飽きが来てしまって……(いいわけ)。

どんな文章を読んでいるのか?

  • カエサル『ガリア戦記』…岩波文庫の日本語訳を元々持っていたことと、史学科出身の友人から「大学でラテン語は文法が終わったら『ガリア戦記』を読んだ」という情報を聞いていたことが理由で、はじめの一冊に選びました。はじめの方は1文が短く、比較的読みやすいです。ラテン語の中では、ですが……。本自体はとても長いので、1章の途中までしか読んでいません。

  • ウェルギリウス『アエネイス』…ディズニーランドに「carpe diem(その日を摘め)」のパロディがあると聞き、その元ネタである『アエネイス』を読んでみました。しかし、韻を重視する詩は語順がバラバラであるため、全く読めずに終わってしまいました。

  • 「マグナ=カルタ」…中世の貴族たちがイングランド王ジョンに認めさせた憲章です。憲法の歴史では欠かせない文書です。読んでみましたが、序文にある人物の紹介があまりに長くて挫折しました……。

  • ネルチンスク条約…現在読んでいるラテン語文です。今までnoteに書いたネルチンスク条約に関する文章も含めて、同人誌を出す予定です。頑張ります!!(下は宣伝)

ちなみに、上記のラテン語文は全てWikiSourceで読んでいます。

何がそんなに楽しいのか?

先述の「ラテン語を始めたきっかけ」と重なる部分もありますが、ざっくり言うとこんな感じです。

  1. 他人に「すごいね!」と言ってもらえる

  2. 他の人はやっていないことをしている、という優越感を得られる

  3. パズルみたいで面白い

  4. 語源の勉強になる

  5. ラテン語さん(推し)に近づきたい、話したい

  6. ラテン語を勉強していた友人との酒のつまみになる

  7. 同人誌を出す!

1.他人に「すごいね!」と言ってもらえる

先述の通り、ラテン語は難しいです。勉強している人も少ないです。
よって、ラテン語の存在を知っている人からすると、ラテン語を勉強しているだけでもすごいのです。久々に会った人にラテン語の話をすると、「すごい!」と言ってもらえます。気持ちいいです。
ここ数年は自分に自信がなくなることが多かったため、他人に褒めてもらえる経験が増えて自信を少し取り戻せた気がします。

2.他の人はやっていないことをしている、という優越感を得られる

1.と似ています。勉強している人がいないため、勉強しているだけで日本の上位ランクに入った気がします(何の??)。
気持ちいいです。

3.パズルみたいで面白い

ラテン語は難しいですが、ルールから逸れることはあまりありません。よって、ルールが分かれば一部だけでもパチッと分かることがあります。この瞬間が気持ちいいです。

4.語源の勉強になる

ラテン語は、英語やフランス語など現在ヨーロッパで使われている言語の基礎にもなっています。よって、ラテン語を学ぶと英語などの語彙を増やすことにもつながります。
簡単な例で言うと、「ビデオ」と「オーディオ」があります。どちらも、語源はラテン語です。それぞれ「video(私は見る)」、「audio(私は聞く)」です。
意外なところだと、キノコの「エリンギ」もラテン語です。
このように、身近な言葉の由来を知ることができる点がラテン語の楽しいところです。

5.ラテン語さん(推し)に近づきたい、話したい

今年から、ラテン語さんが講座を開くようになりました!!つまり、推しに直接会って話せるようになったのです!!
実際、初めての講座で「ファンです!」と伝えてきました。これ以降も何回か講座に参加し、ラテン語さんに認知されるようになりました。
ラテン語さんと話す口実が欲しい、という理由は私のラテン語のモチベーションの大きな部分を占めています。

6.ラテン語を勉強していた友人との酒のつまみになる

以上の気持ちよさ、楽しさを聴いてくれる数少ない友人がいます。彼と酒を入れてラテン語トークをするとなかなか弾むものです。これがまた気持ちいいです。

7.同人誌を出す!

今の人生の大きな目標です。
ラテン語版ネルチンスク条約を読むことで、この文書を精読した人はかなり少ないことが分かりました。また、noteの記事もかなりの量になってきたため、何かしらの形でさらに広い世界に発信してみたいと思うようになりました。
そこでたどり着いた答えが、同人誌です。自分の文章が本という形になりますし、他者に有償であれ無償であれ手渡しすることができます。
この魅力に取り憑かれ、現在は大学の卒論以上の勢いで原稿を進めています。

終わりに

以上、私がラテン語を勉強している理由とどんな勉強をしているのかの紹介でした。
ラテン語歴1年半とまだまだ初心者ですが、かなりレベルは上がっている気がして気持ちいいです。
その結果、先述の通りラテン語版ネルチンスク条約に関する同人誌を出そうと思っています。同人誌というか、ほぼ論文です。この記事を書いている時点で2万字は超えています。乞うご期待!!

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