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発達障害「グレーゾーン」その正しい理解と克服法

SB新書 岡田尊司著 2022年2月初版

今年もいよいよ大詰め。12月31日に紹介するには、やや重たいテーマの新書です。
発達障害という言葉が定着してここ10年あまりですが、私自身も発達凸凹という表現を使って、著述活動をしておりますので、多方面にわたって学びの連続です。
「グレーゾーン」を放っておいてはいけないといわれても、放置するしかない状況が今の日本社会でもあります。

生き辛さ、働き辛さは、本人が感じるものであり、他人がどうこうしてあげることは本質的にできません。社会的養護、社会的支援という言葉はまだあまり知られていませんが、結局、様々な「障害」を作っているのは、「社会」の側なのです。

まずは、心のバリアを取り除くこと、更には、マイノリティデザインでもって、現代社会を作り変えていくこと、かけがえのない「人間」の価値性を心の底から取り戻すこと。

体制への批判だけではなく、よりよい未来を創るためのグランドデザインを描きなおすことetc他にもいろいろ思考実験を繰り返してはいますが、マクロ政策にはあまり期待することが出来ない日本。「グレーゾーン」は、ミクロの単位で、家計防衛、自分自身にできることを全力を尽くす、半径5メートル以内の安全を守りぬくこと、これらの原理原則を改めて捉えなおすことで、「サバイバル」していけるんだろうなと思います。

目に見えない障害を扱うことは誰にでもできることではありませんが、少数派が「悪」ではありません。絶対王政と市民社会ではありませんが、日本が「グレーゾーン」の子どもたちにとって、もっと暮らしやすい国になれば嬉しいなと心の底から願っています。

※写真は、いつぞやの公園で撮ったもの。子どもたちは本来「野生」。人間社会や都会での暮らしに適応することの方が、本来は難しいのかもしれませんね。


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