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エニグモ決算 文句のつけようが無い経営状況!こういう会社が増えてほしいな

こんにちはhissy(@hissybiz)です。今日はエニグモのFY2021通期決算を解説していきます。さ、今日もビジネスレベルあげ!
エニグモIR

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サマリ

1.売上・利益ともに2ケタ成長と好調
2.営業利益率40%強の超高収益経営
3.大きな投資が不要な現金生み出す力が劇的に高い構造
4.現金は積み上がるばかりで使いみちがないくらい

PL確認

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・総取扱高:628億円_YoY+18%
・売上高:70.7億円_YoY+16%
・営業利益:30.3億円_YoY+13%

売上、営業利益ともに2ケタ成長と好調に進捗しています。エニグモは営業利益率40%強という超高収益企業です。

世界中のパーソナルバイヤー(個人買付主)が出品した商品を、利用者が購入できるようにしたBUYMAというマーケットプレイスの運営がメインサービスです。海外限定商品(ブランド品)を代理購入してもらう、というイメージのマーケットプレイスです。

CtoCとBtoCの中間みたいな、ユニークなモデルかと思います。また、高利益率だけでなく高ROE企業でもあるので、投資効率が非常に良いモデルでもあります。
※ちなみに高ROEの代表格といえばカカクコムですね。

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販管費を見ると、販管費全体の約4割が人件費、約4割が広告費という構造になっており、減価償却費およびシステム関連費は合計してもたった1.6億円程度です。

つまり、そこまでシステム投資をしていない(する必要がない)モデルで、特別な技術開発や投資をしなくても売上成長ができているという非常に優秀な経営です。※ここ、結構大事なとこ。

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営業利益率は年によって前後あるものの、ここ5年は40%前後と高水準で安定しています。

KPI

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アクティブ会員数(1年に1回以上購入者):131万人_YoY+14%

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アクティブ会員数、ARPUともに成長とユーザの積み上げ、ユーザあたりの利用金額が順調に増加していることがわかります。

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ARPUの内訳としての件数×単価は、ほぼ単価の増加によってARPU増加が説明できます。着実に単価が上がっています。

GLOBAL BUYMA(英語版)

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取扱高は公表されていませんが、英語版の成長が加速している状況で、YoY+216%という前年の3倍強まで成長しているとのこと。

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しかも面白いのが、一件あたりの購入単価が日本円で8.6万円と非常に高いことです。どうやら「高級商品を購入する場所だ」という認知が図れているようです。北米での利用が拡大、というコメントがあったのですが国別の利用状況等の情報が公表されていないので、なんとも言えない所。

どちらにしても、公表するほど規模が大きくないと考えて良いかなと思っています。

バランスシート確認

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・現金:118億円
・預り金:22.7億円

現金は118億円あり借入金は無しと無借金経営。さらに本業が非常に高収益なので、短期的には現金を大きく使う投資先もあまりなさそうですね。

さらに、預り金がこの1年で15億円も増えています。つまり、購入者からエニグモにお金が入ってから出品者に対して支払うまで一定のリードタイムがあるということです。年間の取扱高が628億円億円に対して預り金22.7億円なので、13日間くらいにあたります。

メルカリなどと違って、出品者が購入者にもなるというケースは少ないと思うので、そこまで預り金を積み上げることは難しいとは思いますが、それでも現金の捻出先として持っているわけです。

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営業キャッシュフローが41億円という現金生み出す力が超強いため、財務的には全く問題なしです。

今後の取組

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売上成長スピードを1段上げるべく、営業利益30億円以上出る部分については販促費に再投資していくというシンプルな計画です。

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投資先としては、GLOBAL BUYMAとLife Styleカテゴリに集中していくとのこと。

hissyが経営者ならこうする

はい、「もしもhissyが経営者なら」のコーナーです。

私だったら、以下の取組を実施します。

1.「あの人に買い付けてほしい」という人に付加価値をつけるマーケティング
2.ライブコマース機能開発
3.ブランド側の商品リスティング連携

1.「あの人に買い付けてほしい」という人に付加価値をつけるマーケティング

インフルエンサーが強大な需要喚起能力を持つ世の中になっていますので、基本的に型番を売っているBUYMAとして、付加価値を高めるためのインフルエンサーの利用を考えます。

例えば、同じお酒でも銀座のクラブで飲むと酒屋で売っている数倍の値段になるわけですが、それは「この人についでほしい」という付加価値をつけているからですよね。

同様に「この人が買ったものがほしい」という需要は絶対的にあるはずだと思っており、BUYMAがその需要を満たすサービスを提供することは理にかなっていると考えます。

2.ライブコマース機能開発

現状は、商品の出品は画像とテキストくらいの情報を元に行われますが、例えば限定品などは店頭在庫がスグなくなってしまいますよね。

需要はあるが、購入~在庫確認というリードタイムがもったいないと思うわけです。

そこで、パーソナルバイヤーがカメラを持ってライブ配信を行い、世界中の店舗を撮影しながらライブで「あ、そのバッグちょっと気になる!」みたいなコミュニケーションをしながら、ライブで買い付けてもらう、という機能は需要が購入者・買付者ともにあると思うのです。

なので、ライブ買付機能の提供を行います。

3.ブランド側の商品リスティング連携

結局、ブランドが店頭で売っている型番商品を取り扱っているので、発売元のブランド側と連携して商品画像や説明文などはデータベース化してしまって、パーソナルバイヤーのシュッっピンの手間を省くとともに、どの店舗に何が何個あるという情報まで連携できれば、購入者に提供する情報としても、より付加価値がつけられるようになると考えます。

サマリ

1.売上・利益ともに2ケタ成長と好調
2.営業利益率40%強の超高収益経営
3.大きな投資が不要な現金生み出す力が劇的に高い構造
4.現金は積み上がるばかりで使いみちがないくらい

規模は出にくいものの、短期的に経営が脅かされることも無い市場・モデルであり、安定的に中長期的に現金を生み出し続けられる良い意味で珍しい企業の一つです。こういう企業、大好きです。

変に「AI投資だ!」とか「M&Aしてむりやり売上成長だ!」という感じで投資をガンガンすることなく、高ROE維持しながら着実に成長させていくというお手本のような経営スタイルです。

面白みはないですが、こういう企業が結局強いんだよなと改めて思った次第です。

お読みいただきありがとうございました。
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