笑顔は最大のアンカリング
アンカリングとは
【心理学では】
アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断を歪めアンカーに近づく心理学の現象のこと。
→事前にこの実験では80%の割合で「良い」結果に繋がったと情報を与えれば、実験者も「良い」と捉えやすくなるということ。
看護の臨床現場では、
①心身の快い状態を、感覚的に定着させること。
②心身の状態が不調な時、良い状態に戻りやすくなるよう働きかけること。
をアンカリングと定義づけている。
回復期病棟ではどう声かけするか。
事例:80歳女性、大腿骨頚部骨折後、機能回復を促す方向であるが、リハビリは面倒臭いと思っている。
Ns「Aさん、最近リハビリの調子どうですか」
Aさん「昨日車椅子に乗せられた。痛かったししんどかった」
Ns「痛かったんですか、寝てるときも痛みますか」
Aさん「まぁね。」
Ns「痛いのが続くのは嫌ですね。骨折して動けなかった分、筋力が少なくなったことが原因かもしれませんね。このままだと長く痛いのが続くと、私も辛いです。少しずつ座ったりすることで、筋力も上がって痛みも取れるかもしれないなー」
Aさん「…そうなの。。」
Ns「座ると食事も食べやすくなりますし、景色も変わりますよ。筋力使うので食欲も上がるかも!」
Aさん「そうね。やってみようかな」
Ns「疲れたら教えてくださいね!その時は横になるお手伝いしますので!」
Aさん(全量摂取できる)
Ns「美味しく食べれたんですね!気分も晴れましたでしょ!」
A「ふふふ、まぁね」
言葉以上の働きかけは「笑顔」
要するに、アンカリングとは患者の視覚・聴覚・体感覚に働きかけ、肯定的な反応を引き出すための工夫。
それは清拭・足浴・爪切りなどの清潔ケアでも起こせるが、一時的な効果。
笑顔・さわやかな声・明るい雰囲気・ユーモア等は意識出来れば持続でき、患者が病気であることを忘れて自らの健康な生活感覚を無意識のうちに取り戻させる効果を持つ。
明るくさわやか、笑顔の絶えない看護師になりたいものですね。
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