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エンディングノートの書き方

はじめに

看護職8年ともなると、多くの生き様を看てきた経験がある。
その中には「いつ死んでも良いんだけどね!ガハハ!」と笑う人もいれば、「早く楽になりたい」と悲嘆する人、「やり残したことがたくさんあった」と後悔する人、「やり残しがないように」とペンを握る人がいた。
誰にでも同じ「死」があるのにも関わらず、捉え方は千差万別。そこの違いは何なのか、

それは自分の人生を統括し、紆余曲折ありながらも最終的に納得できているのか。

の違いだった。
その納得感の手伝いとなり得るのが、
「エンディングノート」の存在だ。

今日は私のことは置いといて、エンディングノートの書き方について共有させていただけたい。

エンディングノートを書く上での終活の意味。

・自分の死を意識することで、これからの人生をより充実させるための行動ができる。
・人生においての優先順位を考えることができる。

エンディングノートとは何なのか

・自分史の振り返り。

・大切なことを大切な人に伝える連絡帳のようなもの。(法的効力はない)
・例えば認知症になった時、意識が失くなった時、死後等
・あくまで連絡帳なので、家族がいる方はその家族と相談しながらの方が望ましい。

どこで売ってるのか。

本屋さんには終活コーナーが出来るほど、取り扱い豊富。

エンディングノートを書く目的

1、自分の人生を振り返り、これからの人生について考えるため

2、自分の意思を残すため

3、家族に迷惑かけないため

→自分にあった目的は何か明確にしよう。

知っておく言葉の意味

緩和ケア

生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、生活の質 を改善するアプローチである.

延命治療

疾病の根治ではなく延命を目的とした治療のことで対症療法の1つ。 生命予後不良で根治が見込めない患者に対し、人工呼吸や輸血、輸液などによって延命を図ることを目的とする。

【尊厳死】

人間が人間としての尊厳 を保って死に臨むことであり、インフォームド・コンセントのひとつとされる。安楽死や蘇生措置拒否 と関連が深い。 末期がん患者など治癒の見込みのない人々が、生活の質 と尊厳を保ちつつ最期の時を過ごすための医療が終末期ケアである。

インフォームドコンセント

患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスである。

【リビング・ウィル】


生前の意思。生前に行われる尊厳死に対してであれば「尊厳死の権利を主張して、延命治療の打ち切りを希望する」などといった意思表示のこと。またそれを記録した「遺言書」などのこと。


中身の紹介(□=希望する項目にレ点)

①自分のこと(基本情報・医学的情報・自分史)

②親戚・友人リスト(危篤時、葬儀に呼びたい人)

③告知や延命治療・臓器提供・献体
【告知】
□疾病も余命も告知して欲しい
□余命が◯ヶ月以上であれば、告知して欲しい
□告知しないで欲しい
□家族に任せる
□その他( )
【延命処置】(複数回答OK)
□できるだけ延命して欲しい
□苦痛を和らげる緩和的医療はして欲しい
□回復が見込めなければ、延命処置はしないで欲しい(尊厳死希望)
□リビング・ウィルや尊厳死宣言公正証書を作成した。その保管場所( )
【臓器提供】
□死後(脳死後・心停止後)臓器提供を希望する
□意思表示カードを持っている。
その保管場所( )
□インターネットで表示した
表示先のURL( )ID( )
□保険証・免許証に記入した
□アイバンクに登録している
□臓器提供を希望しない

④デジタル機器やSNSの情報(削除・閲覧・拡散依頼)

⑤介護のこと
【介護を希望する場所】
□自宅
□子供の家
□施設
その名称( )
【介護費用】
□私の年金や貯金を使って欲しい
□保険に入ってる
その保険会社( )連絡先( )
□家族に援助をお願いしたい
その家族名( )
【認知症になった時の財産管理】
□法定後見人(後見・保佐・補助)
□任意後見人( )

⑥財産・保険のこと

⑦葬儀のこと(家族が助かる項目!)
□葬儀に来て欲しい人の名前
□その連絡先

⑧お墓のこと
□菩提寺の有無

⑨相続のこと(遺言書の有無・法定相続人の家系図)
□遺言書の有無
その保管場所( )
□法定相続人の名称( )

⑩ペットのこと

⑪大切な人へのメッセージ


書くにあたって

・今からでも始められるが、最初から最後のページを埋めなくても書けなくても良い。

・自分が書き残したいものから、または家族が知らないと困るだろうなと思うものからで良い。

・死生観についてや環境は移り代わり、揺れ動くもの。鉛筆で書いても良く、訂正は日付を更新すれば良い。

・家族も保管場所を知っていることが望ましい

・今の医療業界は告知される場合が多く、介護はその時になってみないと実情は分からない。
→地域の資源や家族がどの程度なら介護できるのか話し合っておくが重要。

・法定相続人は誰か家系図を書くと分かりやすい。
→配偶者は必ず相続人。その後に①子供→②父母→③祖父母→④兄弟→⑤甥や姪の順。

・エンディングノートには法的効力はないが、遺産相続などの遺言書には法的効力がある。
→遺言書を作っておいた方が良いケースは、
①子供がいない
②未成年の子供がいる
③子連れの相手と再婚
④法的相続人がいない独身
⑤相続人以外の特定の人がいる
⑥財産を与えたくない相続人がいる
⑦行方不明の相続人がいる
⑧不動産を持っている

が挙げられる。
また、自筆証遺言書は自宅か(2020.7月~)法務局に保管できる。
公正証書遺言は公証役場に保管できる。

おわりに

未だに日本は死について話すことがタブー視されている風潮があると感じる。
死には「これからをどう生きるか」「死にたくなるほど生きるのが辛い」等のプラスにもマイナスにもパワーが宿る。そのパワーは味方にも敵にもなる。でももし、自分の考え方次第で味方につけられた時、それまでより確実に充実した生と死が待っていると私は思う。
私たちは死に怯えるだけの人生を送って良い訳がない。






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