見出し画像

秘書の仕事はAIに乗っ取られる!? 秘書の私が出した結論はーー

※当記事は2020年8月24日、Hisholioサイトに掲載している記事を転載しております。

秘書のみなさん、こんにちは! まりこです。
みなさんは、こういった記事を読んだり、話を聞いたことがあるでしょうか?

「AIが仕事を奪う」
「人工知能により10~20年後になくなる仕事は何か」

様々な職業がそのような憂き目にあうと言われていますが、秘書も他人事ではないかもしれません。
例えば、10~20年後になくなる職業として秘書がランクインしているような記事も……。

私はこういった記事を読んだ時に、「秘書という仕事は、将来なくなってしまうんだろうか」「AIにとってかわられてしまうのだろうか」という不安を覚えました。
しかし同時に、「そもそも人工知能・AIって何だろう、何が出来るんだろう」という興味も湧いてきました。

そこで本日は、秘書とAIの関係性と、新しい資格「G検定」についてお伝えしていきたいと思います。

そもそも、AIって何?

画像1

AIとは、「Artificial Intelligence」の略で、日本語に訳すと「人工知能」となります。
また、AI=「人間の脳が出来ることを、コンピュータ(計算機)で行うための研究分野」とも言われます。
人間にとっての脳が、AIにとっての計算機(コンピューター)なんですね。

しかし「人工知能とは何か」について、実はまだ、専門家の間でも統一された定義がありません。

「強いAI」と「弱いAI」

画像2

ところで、皆さんは「アルファ碁」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「アルファ碁」は人類最強のプロの囲碁棋士に勝利した囲碁ソフトです。
2015年には、「AIが人間を超えた!」とニュースで話題にもなっていました。

そして2年後の2017年には、進化版の「アルファ碁ゼロ」が登場。
AI同士の自己対局で学習・成長し、なんとプロ囲碁棋士に勝利した「初代アルファ碁」に、100戦全勝を収めているんです。

しかし、この進化は、自意識(人間のように何をすべきか自ら考えて結論を出す)によるものではありません。
人間が用意したデータと計算方法を用いて、特定のパターンを見つけ出しているにすぎません。

特定のタスクにのみ特化したAIは“弱いAI”と呼ばれています。
一方で自ら考えて結論を出し、それに見合った行動をするAIは“強いAI”と呼ばれています。

「強いAI」はドラえもんのようなイメージです。
のび太君を助けるため、時には地球のために、自ら考えて未来の道具を選んでいますよね。

しかし、2020年現在において、「強いAI」は実現していません。
「強いAI」と「弱いAI」には雲泥の差があり、まだ誰もこの壁を突破出来ていないのです。

AIで出来ること

画像3

「Hey,Siri」でお馴染みのSiriには、音声認識のAIが搭載されています。
また、Google翻訳では自然言語のAIが。自動車の自動運転には、画像認識や音声認識のAIが使われています。
他には、支払査定業務にRPA(AI技術を用いたソフトウェアロボット)を導入して人件費を削減するという保険会社も。

このように、私たちの生活の至るところにAIが関わっているのです。

秘書の仕事は、AIに奪われてしまうのか?

画像4

万能感のあるAIですが、果たして秘書という職業はなくなってしまうのでしょうか?

まだまだ勉強中ではありますが、私が秘書として出した結論。
それは、「秘書という職業はなくならない」です。

10~20後に秘書の職業はなくなる、と仰っている方もいます。
しかし、以下の理由から私は「秘書という仕事はなくならない」と考えました。

まず、AIは人間のように機微を感じ取って気配りをしたり、空気を読むといった感覚的なことを苦手としています。
それはAIにとってはものすごく難しいことで、現在も人工知能が抱える問題として根強く残っています。

画像5

例えば、職場で想定外の依頼をされたり、臨機応変な対応が求められたりすることが多々あるかと思います。
秘書の皆さんは幾度となく臨機応変さを発揮されているでしょう。

しかし現在のAIでは、学習過程で学んでいないイレギュラーな物事に対して、臨機応変に対応することが出来ません。
問題解決を行うにあたり、何が重要でどこまで考えたらよいのかを正しく判断することが出来ないのです。

これは“フレーム問題”と呼ばれています。
1969年に人工知能研究者が提唱した概念なのですが、半世紀以上経った現在でも解決されていません。

つまり、秘書の得意分野はAIの苦手分野だということ。
日々空気を読みながら臨機応変に活躍をしている秘書さんは、「今のところ」AIに仕事を奪われる心配はなさそうです。

秘書の仕事はなくならないけど……?

画像6

さて、AIが万能ではないことを知り、「な~んだ、秘書ってなくならないんだ。だったら安心」と思った方、ちょっとお待ちください。
確かに10~20年で秘書という職業が完全になくなることはないだろうと言いましたが、業務内容が変わっていく可能性は大だと思います。

人間が行っている仕事の多くは、AIで代用可能になる時代がくると思います。
人工知能研究者である松尾豊さんも、人工知能は人間を超えるのかという問いに「イエス」と答えられています。

ますます身近なものとして、今後人の生活に入ってくるツール。
「仕事を奪われる」と考えるよりも、「便利なツールをうまく活用していこう!」と捉えることが重要なのではないでしょうか。

アメリカのあるリサーチ会社には、「AIが奪う量の仕事よりも、AIが作り出す仕事のほうが多くなる」と予測されているそうです。
人間がAIに学習をさせるためのトレーナーと呼ばれる職業も予想されています。
将来、秘書がAIにトレーニングをする、なんて未来がくるかもしれませんね。

AIについてもっと理解を深めたい秘書さんへ

画像7

今回、AI関連の書籍を読んだり調べているうちに、「G検定」という資格の存在を知りました。

G検定とは、AIの歴史や活用事例などの基本を学習し、知識や理解を証明する資格です。
日本トップクラスの人工知能研究者である、松尾豊さんが理事長を務める一般社団法人が主催されており、検定試験に合格すると資格を得ることができます。

2020年7月には12,552名が受験(私も)しており、これまでの累計合格者数は27,377名とのこと。
(出典:https://www.jdla.org/news/20200716001/

試験は自宅で受験可能です。
試験時間は2時間で、問題数は約200~220問。
(220問だと、1分間に2問のペースで解いていく必要がある、なんともあわただしい試験です)

未来が楽しみになるG検定、新しい挑戦の一つに加えてみませんか。

それでは、秘書のみなさん、本日もお疲れ様です!

Hisholioについて

画像8

秘書のみなさん、こんにちは。
「Hisholio(ヒショリオ)」をご覧いただき、ありがとうございます。

「Hisholio」に掲載している記事はすべて秘書経験者の方々によって書かれています。
すべての秘書さんが自信を持って堂々と働き、
秘書ってすごい!と誰からも憧れの対象となる、そんな世界を目指して。

「Hisholio」もみなさんと一緒に進んでいきます!

—————————————————
▶︎ 秘書業務のキホンから、秘書さん向けの読み物まで!
▶︎ Hisholioのサイトはこちら
—————————————————

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?