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準備しない教育 ~離島で学校を創る~

来客を連れて飛島をご案内しながら、「この島で学校を創ろうと思っているんです。」って言うと皆さん「素敵ー!」と言ってくれます。

そして、素晴らしい景色を見つけるたびに「ここで畑やったらいいですねー」とか「ここに露天風呂とかあったらいんじゃないー」とか「この空き家なんか整備したら最高の宿になりますよー」というアドバイスをしてくれます。でも私は「確かに、、、でも準備したくないんです。」と応えます。

「えー、なんでしないんですかー!」「絶対やればみんな来ますよー」と言われます。

確かに、海が見える畑があって、海が見える露天風呂があって、海が見える宿があれば最高に決まっています。

でも、大人が準備した環境で、畑にお芋さん植えるときと収穫するときだけ楽しんで「農業体験楽しいー」っていうのは教育じゃないと思っています。

子どもたちを連れて島を歩いていても、きっと同じこと言います。そこから教育が始まるのです。

生徒「先生、ここに畑あったら最高ですねー」

私「うーん、最高だねー。でもどうだろう。畑も大変だよ。」

生徒「えー、やってみたいですー!」

私「うーん、じゃ土地の持ち主の方に聞いてみようか。」

こうやって子どもたち発信でスタートすると、様々な課題や困難にぶつかります。ゼロからやらせることが大切です。交渉、開墾、水やり、草取り、災害、不作、、、あらゆることに責任がうまれます。たくさん汗をかいて、時間を掛けて立派な畑になっていくと誇りや自身が芽生えます。その畑が自分のものという意識になり大切にします。その地域に愛着がうまれます。そして、次の世代に繋いでいこうとします。ここまで最低3年は掛かります。

こうやって、人が育っていきます。

だから、今は我慢して何も準備しないんです。みんなで畑を作りたいし、みんなで露天風呂作りたいので!(笑)

「島が私たちの学校です。」

開校の準備しながら、準備しないで我慢しています。

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