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『Juvenile Blue』

火杓と申します。

7/11(火)に、コンセプチュアルなミニアルバムが無事配信リリースされました。

火杓
4th VOCALOID mimi album
『Juvenile Blue』feat.miki

①群青シトラス
②メテオライトシグナル
③雷鳴と風鈴
④夕虹 (instrumental)
⑤浴衣が嫌いな君と
⑥嘘つきの本音

配信リンクはこちら↓

今回もセルフライナーノーツをしたためていきます。
曲を聴きながら読んでみてね。


Ⅰ:制作背景

前作を4月にリリースした後に夏うたのアイデアが沢山生まれてしまって、
「じゃあ作るか」と思い立ったのが始まりです。瞬発力だけで音楽やってる。

制作開始が4月後半(というかほぼ5月)だったので、7月リリースを想定した時2か月で6曲という、アマチュアにとって中々の過密スケジュールを組む羽目になりました。
といっても実はインストは素材が前からあったので(後述)、5曲で済んだのは救いかな。

ここのところはいくつか曲を動画サイトで公開して、ある程度貯金ができたらアルバムにまとめる手法をとっていただけに、完全新規で固めるのは久しぶりです。

火杓の活動を始めた当初は、立て続けに2枚のミニアルバムを出して悦に浸っておりました。

あの頃はとにかくパッケージングされた自分の作品を出すことに執心していて、クオリティが追い付いてなかったんですね。
今でも曲自体は気に入っているものの技術力不足が顕著。作り直したいと毎日思ってる。

なので今回は、当時やりたかったことに今の技術力を合わせたらどんな作品になるかな?という挑戦でもありました。
テーマ性も曲構成も初期作品に意図的に寄せていたりするのはこういった背景があったからです。

Ⅱ:タイトルとコンセプト

本アルバムでは、Juvenileを「少年少女」であったり「青春期」と意訳して採用しました。
似たようなテーマの曲は結構作ってきましたが、何度でも作りたくなる魔力があります。青春最高。

…はい、特にこれ以上の意味はありません。

少年少女の夏の青春模様を描くにあたって、シチュエーションのネタ集めに奔走しました。実体験だけでやりくりするには歳を取り過ぎて記憶が曖昧なので…。
その為、明確に「この作品からイメージを膨らませた」と言える曲もいくつかあります。今作は曲の立ち位置もはっきりしているので、ばらしてもいい曲についてはその辺も書いていきます。

Ⅲ:収録楽曲

①群青シトラス

ネタバレシリーズその1。

超好き。

コミックスを読んでいたのですが、前にめでたく完結しましたね。
僕はこの作者さんが描くカラーイラストが特に好きで、勿論ストーリーも最高で、タイトルも歌詞もかなーり影響されてます。

ちゃんと音楽的な話をすると、曲構成は物凄くシンプルに、且つアルバムのオープニングという役割があるので長さも短く、を意識して作りました。

使用するコードはGとCのみ。ただ細かい話、装飾音を足したりベースだけ違う音弾いたりしてるので厳密には2個だけではないですが、とにかくシンプル。
ギター弾くだけならめっっちゃ簡単。ピアノも多分簡単。

曲名を考えていた時は「絶対シングル級の曲にしよう!3曲目くらいのやつ!」と思っていましたが、文字列の並びにもそれなりの美学を持っているめんどくさい性格が災いし、「群青シトラスの字面は1曲目しか勝たん」などと述べながらスポットライトを外すことに。

とはいえ短いからこそ、歌詞もメロディも悩むことなく落とし込めたので良かったと思います。

②メテオライトシグナル

というわけで、代わりにシングル級の強度に仕上げることになったのがこの曲。
BPM200の超疾走系エモーショナルパワーポップロックです(大渋滞)。

歌いだしから言ってますが、非常に青臭い歌詞だなと思います。まーそもそもが青臭いアルバムなので全然OK。
ただ僕は歌詞を書くのが本tttttttっ当に苦手で、これといった元ネタもないからすごく時間がかかりました。

曲名は語感で決めたのであまり深い意味はないです。が、字面のイメージ通りの意味でもないです。

少なくとも「隕石」の歌ではない、とだけ。

曲の構成は本当に好き勝手、好きを詰め込みました。
音作りは実験も兼ねていて、ギターリフにフランジャーを軽く嚙ませた結果雰囲気が化けたのが収穫でした。
種ができた時点ではもっと気の狂ったコード進行だったけど、さすがにポップスに昇華できねぇと思い修正。でもBPM200は絶対捻じ曲げない。BPM200からしか得られない栄養がある。

一応リードトラックなので、楽器を増やして、転調も盛り込んで、MVも手の込んだ風にして…手間も時間もかかった作品です。流行るかどうかはさておき、自分の中で印象深い一曲には間違いないですね。

③雷鳴と風鈴

さっきと違い、曲名に明確な由来があります。
こちら↓は僕がトラックメイクを担当しているユニットの曲(3年前)。

ミックス技術のチープさが気になり過ぎて眩暈がしますが、素敵な曲だと思います。

これのトラックを相方に提出する時、仮タイトルとして付けていたのが「雷鳴と風鈴」でした。当方は曲名も含めて作詞担当に丸投げしており、拘りもないのでこの名前は結局お蔵の奥深くへ。

で、ある日ギターで適当にアルペジオ(分散和音(ポロロンみたいな))を弾いていたらいい曲ができて、そういえばお蔵で不貞腐れてる仮タイトルがいたなと思い出し、日の目を見ることになりました。おめでとう。

歌詞も元ネタをなぞって物書きの視点になってます。あとはメテオライトシグナルといくらか対比になっているのが特徴でしょうか。
割とリアルの自分寄りの心理描写だったので時間は掛からなかったかな。

曲構成はちょっと特殊で、一般的なジャパニーズポップのルールを逸れています(Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Cメロ→Bメロ→Aメロ)。
便宜上サビと呼んでいるセクションは一回しかない代わりに、Aメロが三回出てきます。ここにサビ級の歌メロを乗せてやるとあら不思議、へんてこな曲の完成です。

地味ですが、雰囲気ものとしては最高の出来だと思います。

④夕虹 (instrumental)

一曲前が土砂降りだったので、天候を変えるためにインストを挟みました。次の曲では晴れてほしかったので。

6曲中最も早く種が出来ていました。元々インスト音源として配信しようと企んでいたのですが、結局諦めてフォルダにほったらかしにしていて、それも勿体ないと思いこの度起用を決めました。

アコースティックギターの音だけでBGMを作るのが夢だったので、叶えられてよかったです。

⑤浴衣が嫌いな君と

前半と打って変わって、恋愛要素が強くなってまいりました。

余談ですが、僕の周りは軽いラブソングアンチ(?)の比率が高めなので、大手を振ってオススメしにくいという小さな悩みがあります。
(だからって、趣味が理解できないから付き合いをやめるなんてことは無いです。誰が何を好きになって何を嫌いになっても全然良い。分別は大事だけど)

僕は「天邪鬼」「素直になれない」「両片想い」といった概念が大好物でして、元ネタは無いですがそういうシチュエーションを描くことだけに集中し、爆速で書き上げるに至りました。

あまり解釈の自由度は高くないので、穿った視点は持たず、各々夏祭りの思い出を浮かべながら聴いていただけると幸いです。僕は死にたくなります。

どうでもいい話、漫画やドラマだと夏祭り=浴衣の等式が必ずと言っていい程成り立つわけですが、個人的には普通に私服で遊びに来たみたいなリアルさもまたワビサビだと思うのです。本当にどうでもいい。

時勢のこともあって行きづらかったお祭りが、今年は全国各地で行われるみたいです。
もうはしゃげる歳ではないですが、あの屋台の空気感は何度でも味わいたいですね。

そして肝心な曲の話がほとんどありませんでしたが…。
アルバムのサブリードトラック的位置づけなので、シングル級の強度にしようと頑張りました。以上。

⑥嘘つきの本音

ネタバレシリーズその2。

マジ好き。

今まで読んだ漫画の中でも5本の指に入るほどお気に入りの作品です。
全5巻というちょうどいい短さなので皆さんぜひ読んでみましょう。

前々からこの漫画を元ネタにした曲はいつか作ろうと思ってたし、実際に出来上がっても元ネタのことは一切ばらさないつもりでした。
ただこのタイミングで作ることになって、立ち位置もアルバムのエンディングとなった以上、おそらくMV化しないだろうしネタバラシしてもいっかということで、漫画の布教に方針転換しました。

音楽は紛うことなきメロコア。漫画の主人公が3人なので、3ピースバンド意識で楽器はギターベースドラムのみ。コードは群青シトラスと同じくGとCのみ(onコード除く)。6曲中最も簡単で単純明快です。

そんな一種の手抜きとも評されかねないこの曲、僕はアルバムの中で一番好きになってしまいました。
メロディと歌詞の切なさ加減が最高なんよな…まじで。

元ネタがあるとは言いましたが、あくまでアルバム内のポジションを優先していますので、群青シトラスとの親和性や曲の流れを重視した構造になっています。
これを聴いた後リピート設定で1曲目に戻った時、違和感少なく2周目を楽しめる…はず。

Ⅳ:まとめ

Trailerも貼りますね。

ミニアルバムを作りまくることについて、2023年が始まった頃は全然考えてなかったのですが、今ではもう一枚くらい作りたいと思ってます。
でも一回番外編か何かでブレイクを挟もうかな。

狙いを定めて作ったアルバムなだけあって、一本筋は通ってるしループ再生に耐えうる完成度になったんじゃないかと。
ぜひ、何回も聴いてほしいです。

では、また次の機会にお会いしましょう。

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