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広告革命4.0 ついに未来の広告が動き出す 第一章:広告ってなに?

プロローグ

未来を早く見たいと思いませんか?
ここでは現在の広告の問題点から未来の広告のあり方を探り、その未来へ向かう道筋を提示します。
私たちの周りに溢れている広告とブロックチェーンという新しい技術を結びつけることで、全く新しい情報プラットフォームを作るのが私の“夢”というよりは“目的”です。
そのために、ブロックチェーンを活用した情報配信システムのビジネス特許も出願しています。
この文章を読んでくれたあなたが、もし一緒にその未来をつくる仲間になってくれたら、こんな嬉しいことはありません。

私は学生時代にインターネットビジネスを始めました。
今聞くとそんなに珍しいことではないと思いますが、当時(この文章を書いている平成最後・令和最初の年から三十年ほど前)はパソコンを持っている人が少なく、ましてやインターネットなど、聞いたことがない人が大多数でした。
ネットと言えば、ダイアルアップでつなげるパソコン通信と呼ばれるもので、テキストベースでのコミュニケーションサービスが一部のオタクで行われている状況でした。
当時私の口癖が、「インターネットは電話やファックスの次に来るインフラ」だったのですが、言えば必ず鼻で笑われました。
今なら、ほら見たことかと言いたいところですが、その時代、すでにインターネットに接続しているパソコン上級者たちの間でも、「インターネットは悪いやつとアダルトコンテンツしかないからビジネスで使うなんてありえない」と言われていました。確かにインターネット上で実名を晒すのはかなり抵抗があり、お金の支払なんてもってのほか、そんな事するやつは騙されて当たり前という雰囲気でした。その雰囲気の中で、着々とビジネスアイデアを膨らませていった人たちが、現在のインターネットビジネスの礎を築いたのです。

いま、第三のIT革命が起こっています。この革命を、私は「広告」にまで広げようとしています。ちなみに、IT革命の第一がパソコンの普及、第二がインターネットの登場、そして第三がブロックチェーン技術の登場です。
私は全てのIT革命に直面しましたが、まさに、いまインターネットが登場したあの時と同じワクワク感を感じています。今の雰囲気が当時と非常に似ているのです。
それは「ブロックチェーンはマニアックで危険」いう雰囲気です。
ブロックチェーンはビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)の根幹技術ですが、ブロックチェーン=仮想通貨という(正しくない)図式で認識されている場合が多いようです。また、仮想通貨を取り巻く事件ばかり注目され、仮想通貨が(人為的な問題で)盗まれたり、コイン詐欺にあったりと悪い人が暗躍しているかのような印象になっています。さらには、ブロックチェーンをよく知らない人の印象として、「ブロック」「チェーン」という言葉の響きが、「嫌な人をブロックする」とか、「アドブロック」などの迷惑広告を想起させたり、「チェーンメール」などの迷惑メールを想起させたりと、とにかくイメージが悪いようです。
もし同じような印象をお持ちならば、まずは、食わず嫌いから一歩踏み出し、昔、インターネットを鼻で笑っていた人たちと同じステージから抜け出すきっかけに本書がなれればと思っています。
ブロックチェーンについて、すでによく知っている方には、広告とブロックチェーが結びつくことで広がる世界をイメージしていただけるよう、未来予想図を具体的に示していきます。
私が数年後に「ほら見たことか」と言えるかどうか、あなたにはこの文章を通して歴史の証人になってもらいたいと思っています。

第一章:広告ってなに?

・広告の定義

広告って何でしょう?
間違いやすいので、ここではっきりと区別したいのが、広告と広告媒体の違いです。
広告は表現そのもので、広告媒体は広告の届け方です。例えば、テレビCMは、動画広告という表現をテレビという媒体にのせて届けています。
よくトータルの広告目的という意味で、広告そのものと広告媒体がごちゃまぜに語られますが、混同しないようにしてください。
ここでも、両方を取り扱いますので、混同しないように、「広告(クリエイティブ)、広告媒体(媒体・メディア)」と2つの言葉で区別します。
更に細かいことを言うと、「広告手法」という表現方法・見せ方があります。こちらは次章でご説明します。

ここでちょっと難しい話をしても良いでしょうか?
もし、広告に携われた方でなければ、一旦このパートを飛ばして、次の「広告媒体の変遷」から読んでも構いません。今から概念的な話をしますので、知的好奇心旺盛な方はついてきてください。

ウィキペディアによると、「広告とは、非人的メッセージの中に明示された広告主が所定の人々を対象にし、広告目的を達成するために行なう商品・サービスさらにはアイデア(考え方、方針、意見などを意味する)についての情報伝播活動であり、その情報は広告主の管理可能な広告媒体を通じて広告市場に流されるものである。」とあります。
確かに一昔前の広告はこの範囲内のものでした。しかし、現在は多種多様な広告媒体や広告手法があり、例えばインフルエンサーマーケティングのような口コミを使った宣伝など、必ずしも広告主が管理可能な広告媒体だけで完結していません。
アメリカの経済学者フィリップ・コトラーは、 コトラーのマーケティング4.0(朝日新聞出版)の中で、こう述べています。
「マーケティングはデジタル経済におけるカスタマー・ジャーニーの質の変化に適応する必要があるということだ。マーケターの役割は、認知から最終的に推奨に至るまで、カスタマー・ジャーニーの間中、顧客の道案内をすることである。」
ここでカスタマー・ジャーニーについて補足すると、一般的に、カスタマー(顧客)が商品購入に至るまで(この場合は推奨まで)に経験するプロセスのことで、ジャーニー(旅行)で経験する出会いと心の動きになぞられています。
コトラーは、情報技術の進歩によって、送受信環境が日々変化し、それに適応するように送信側は情報の流れをコントロールしていかなければならないと指摘しています。
情報伝播活動である広告はマーケティング活動の一つの手段ですが、広告もマーケティングと同様に情報の流れをコントロールしていかなければなりません。また、カスタマー・ジャーニーを単なる「顧客の動きを時系列で追ったもの」としてしまうと、たとえばソーシャルメディアを利用して受信者が送信側に転換するような、今の複雑化した顧客タッチポイントを正確に捉えることは難しくなります。カスタマー・ジャーニーの質の変化に適応するためには、顧客側の視点を必ず考慮する必要があります。
コトラーの提唱するマーケティング1.0から4.0への変遷を「広告」に当てはめると、
広告1.0=製品志向の広告、広告2.0=顧客志向の広告、広告3.0=社会志向の広告、そして広告4.0では自己表現がテーマになります。つまり、良いものを作れば勝手に売れるだろうという発想で作った製品をクローズアップした広告が広告1.0ならば、顧客が求めているものは何かを考えて物売りから事売りにシフトした広告が広告2.0。さらに、他との差別化のために付加価値をつけようとしている広告が広告3.0ということになります。広告4.0については、いろいろな捉え方ができると思います。コトラーの提唱するマーケティング4.0では、「商品やサービスを開発することで顧客の自己表現を実現させる」ということなのですが、この部分を広告4.0に当てはめるにあたり、最新テクノロジーの力を使って、もう少し拡張したいと思います。というのも、「広告に触れることで自己表現が促進される世界」が広告4.0とするのはいいのですが、そのためには広告自体に機能をもたせる必要があるからです。そこで追加したいのが、広告自体の価値創出と参加型広告配信システムです。つまり、自己表現に必要な情報が広告という形で提供され、それが広告という既成概念(例えば、押し付けの一方的な情報のような)を打ち破り、コンテンツ(読み物)の領域にまで昇華した時、広告自体に情報価値が生まれます。さらに、受け手側が情報に対するフィードバックを行うことにより、さらなる情報が付加され、広告そのものが完成されていく世界です。ここではこのような広告を広告4.0と位置づけ、それを実現する活動を広告革命4.0と呼ぶことにします。

最初に述べましたが、広告を語る上で切っても切れないのが広告媒体です。どんなに良い広告を作っても、載せる広告媒体が届けたいユーザーに合っていなければ意味がありません。広告革命4.0では、広告の作り方を見直すのと同時に、届けるための広告媒体も見直していきます。そのためには、あらゆる広告媒体を理解し、適切な広告媒体に広告を適応させる必要があります。次のパートでは、広告の基本を理解する上で必要な、広告媒体について触れたいと思います。

まとめ

広告1.0=製品志向の広告(作ったものを知らしめれば売れるという思考)
広告2.0=顧客志向の広告(顧客が求めているものを作って売ろうという思考)
広告3.0=社会志向の広告(個人ではなく社会的に受け入れられるストーリーをもたせる)
広告4.0=顧客の自己表現を促進する広告(最新技術を用いて自己表現することで商品のストーリーを自分事化する)

・広告媒体の変遷

広告は、そのままではあなたのところに届きません。
広告を届ける役目を担うのが広告媒体です。
広告媒体といえば、新聞とテレビが最初に思いつくでしょうか?
若い世代はインスタグラムでしょうか?
昭和の初め大きな力を持っていた新聞各社ですが、昭和の後期には主役をテレビに取って代わられました。その後、平成に入ってもしばらくはテレビが不動のメディアとして君臨してきましたが、ご存知のように近年、スマートフォン(スマホ)の普及により、一気にインターネットメディアが世の中を席巻しています。
世界の広告費を見ると2017年にテレビを抜きインターネットメディアがトップになったと報道されました。電通の発表でも、この文章を書いている2019年にインターネットメディアのシェアが40%を超える予測がされています。令和はインターネット、特にスマホの時代となるでしょう。

ここで、主な広告媒体について簡単にまとめてみましょう。すでにご存知の方は読み飛ばして構いません。

新聞
新聞そのものに掲載される広告で、紙面にどのくらいの大きさで掲載するかを段数という単位で指定します。全(1)ページが15段で出来ているので、記事下三分の一を使った広告は全5段広告となります。掲載料金も段単価が決められていて、使用する段数で決められます。段単価は主に発行部数によって決められますので、全国版より地方版のほうが安くなります。その他に小枠広告という『題字下』など小さいサイズの広告もあります。広告は、殆どの場合、白黒で表現しなければいけないため、広告表現に工夫が必要です。
新聞といえば、折込チラシを思い浮かべるかもしれませんが、ここで説明するのは、新聞そのものに掲載された広告です。折込チラシについては「セールスプロモーション」のところでご説明します。

雑誌
雑誌広告は雑誌を買った人に届ける広告なので、雑誌の取り扱う内容でターゲットが大きく変わります。広告の形式は純広告と編集タイアップ広告があり、編集タイアップのほうが記事に近い見せ方になるので、読んでもらいやすくなります。
掲載料金は、広告の大きさと掲載するページで値段が変わります。普通は大きさに比例するので、ページの半分よりもページ全面のほうが高くなります。また、閉じていても見える裏表紙は『表4』と呼ばれ、掲載料金が高く設定されています。ちなみに『表1』が表紙です。『表2』は表紙の裏側、『表3』は裏表紙の裏側です。その他に『目次対向』『記事対向』などがあります。掲載料金は発行部数によるところが大きいですが、専門性の高い雑誌の場合は、発行部数が少なくても金額が高いものもあります。

テレビ
テレビ広告といえばCMを思い浮かべるでしょう。テレビCMはスポットCMとタイムCMに分けられます。スポットCMは文字通りスポット的にいろいろな番組のCM枠で放送されます。タイムCMは番組に提供する形で、決まった番組内で放送されます。その他にインフォマーシャルという番組内で商品を宣伝する形式もあります。広告費は視聴率によって左右され、GRP(延べ視聴率)という指標で計算されます。テレビの影響力は今でも高く、即時に広く大勢に情報を伝えるのに向いています。動画で伝えることができるため、表現力のある広告を作れる反面、制作費は高くなりがちです。ターゲットは番組内容によって変わりますが、視聴率を無視して専門的な番組を作ることが難しいため、どうしても一般的な内容の情報番組やバラエティ番組ばかりになっています。

ラジオ
ラジオ広告もメインはCMです。テレビと同じようにラジオもスポットCMとタイムCMに分けられます。テレビと同様にインフォマーシャルもあります。ターゲットは番組内容よりも時間帯で分けられます。タクシーや営業車の車内で流れていることが多く、主婦が家事をしながら聞くことができるので、ドライバーや主婦向けの番組が多くなっています。

これら4つをまとめて4マス媒体と呼びます。
前述の「広告の定義」の中で、広告とは「広告主が所定の人々を対象にし、広告目的を達成するために行なう(途中省略)情報伝播活動」とありましたが、情報を『所定の人々』へ届けるために、4マス媒体では、大勢の人に見て(聞いて)もらうことで、確率論的に一定数の『所定の人々』を確保しています。

セールスプロモーション
セールスプロモーションとは、販売促進活動全般に使う言葉で、消費者向け、流通業者向け、社内担当者向けの3つに分けられます。ここでは、そのうちの消費者向けで、4マス媒体以外のアナログ広告を6つ紹介します。

折込チラシ
主に新聞に折り込まれるチラシ広告で新聞購読者へ確実に届けることが出来ます。新聞紙面の広告と違い、フルカラーで作ることが出来ます。また、紙面とは独立した広告なので、手にとって見てもらいやすく、新聞紙面の大きさに左右されないので、より大きなチラシを作ることも可能です。新聞に折り込むチラシの数に制限がないため、年末年始はチラシが膨大に折り込まれます。多くのチラシの中で、手にとって見てもらうための工夫が必要です。

DM(ダイレクトメール)
顧客名簿などのリストを使って直接ユーザーのポストへ広告を送付する手法です。名簿によって反応率が変わるので、いかに良いリストを入手するかが重要です。また、開封率が成否に直結するので、中身が見える透明な封筒で送ったり、送り方にも工夫が必要です。

フリーペーパー
無料で提供される冊子で配布型と設置型もしくはその両方で提供するタイプがあります。広告費をもとに定期的に発行されます。新聞と違い、全戸配布型では、特定地域の大部分の世帯に届けることが可能です。

交通広告
電車や地下鉄、バスなどの公共交通機関に掲出される広告で、駅や空港内の施設に掲出される広告も含みます。多くの人が利用する交通機関に広告を掲出することで、広告との接触数を確保し、認知度を高めます。駅構内の看板や車両内の広告以外にも車両を包み込むラッピング広告や駅での案内放送など多様な広告があります。

屋外広告
電柱広告や野立て看板、ネオンサインやポスターなど、屋外に設置された広告媒体全般を指します。最近では、ビル側面に設置したデジタル映像パネルで情報を流す『デジタルサイネージ』が増えてきています。

ポスティング
チラシなどの広告を直接ポストに投函する手法で、地域を定めて行われ、配布リストがなくても広告を届けることができますが、迷惑行為としてポスティング自体を禁止する建物も増えてきています。全戸配布のフリーペーパーもポスティングで配布しています。

続いて、インターネットを使った広告の中で代表的な広告を7つ紹介します。

リスティング広告
主に検索連動型広告のことを指し、検索エンジンに入力した検索キーワードに応じて表示される広告で、クリック課金型の広告なので、表示されても広告費がかからず、クリックされて初めて課金される成果報酬型広告です。キーワードに対して入札価格を設定することで、費用対効果をコントロールしながら配信できるので、運用型広告と呼ばれます。主な広告媒体は、ヤフー、グーグル。

ディスプレイ広告
静止画のバナー広告や動画広告を用いて、ウェブコンテンツの広告表示領域に掲載する広告で、クリック課金型と表示課金型があり、広告の入札価格を調整して表示頻度をコントロールする運用型広告です。主な広告媒体は、ヤフー、グーグル。

DSP(Demand Side Platform)広告
ディスプレイ広告と同様に静止画のバナー広告や動画広告を用いて、ウェブコンテンツの広告表示領域に掲載する広告で、媒体側のSSP(Supply Side Platform)とRTB(RealTime Bidding)というシステムで連携し、リアルタイムで広告枠を取引しています。どの媒体に出すかではなく、誰に出すかを重視した広告です。主な広告媒体は、マイクロアド、KANADE。

SNS広告
ソーシャルネットワークサービスにバナー広告やテキスト広告・動画広告を表示させます。広告媒体によって、クリック課金型と表示課金型、もしくはその両方から選ぶ方式があります。主な広告媒体としてライン、フェースブック、インスタグラム、ツイッターがあります。

インフルエンサー広告
影響力があるユーチューバーやインスタグラマーをつかって商品を宣伝してもらう広告で、使うインフルエンサーのフォロワー数が多いほど広告費が高くなります。広告は広告っぽく見せないように投稿動画形式・記事形式でインフルエンサーのチャンネル・タイムライン上に投稿されます。完全に広告であることを隠して投稿するステルスマーケティング(ステマ)が問題になっています。主な広告媒体は、ユーチューブ、インスタグラム、フェースブック、ツイッター。

アフィリエイト広告
広告主が商品が売れた数に応じて報酬を支払う成果報酬型広告です。広告はブログなどの個人メディアが多く、個人がその商品についてレビューを書くことで、掲載している広告に興味をもたせ、そこから発生する注文に応じて報酬を受け取ります。その他、アフィリエイト広告を企業のポータルサイトに表示してサイト運用費に当てている企業もあります。主なアフィリエイト・サービス・プロバイダは、A8ネット、バリューコマース、アクセストレード。

メルマガ
メールマガジンを発行しその記事の間に広告を載せて配信します。発行部数によって広告費が変わります。メルマガは誰でも発行できるので、信頼できるメルマガ以外に登録してしまうと、登録したメールアドレスが横流しされ、迷惑メールが大量に届くことがあります。主なメルマガスタンドは、まぐまぐ!、メルマ!、ブラストメール。

他にもたくさんの広告媒体が存在します。人の目に付くモノはすべて広告媒体となりえます。例えば、トイレの壁に「整腸薬」や「頻尿治療薬」の広告を貼れば、トイレを多く利用する人に訴求することが出来る立派な広告媒体です。

このように、広告媒体は広告にとって、人々に広告を届ける乗り物のような存在です。
効果的な広告宣伝を行うためには、広告媒体という乗り物の行き先を見極め、ターゲットにたどり着ける広告媒体に広告を載せてあげることが大切です。

まとめ

様々な広告媒体がある。
人の目に触れるものは何でも広告媒体になりうる。
誰に届けたいかを見極めて広告媒体を選定する必要がある。
(マス媒体はそこを考えなくても数でカバーできる)

・広告って嫌われ者?

広告は嫌われ者だとよく耳にしますが本当でしょうか?
嫌われているのはネット広告であって、CMや新聞はそれほど嫌われていないという人もいるでしょう。
では、質問を変えて、嫌いとは言わなくても邪魔だと思ったことはないですか?
多種多様なネット広告は表示方法も様々なので、嫌いとか邪魔だとか言う言葉よりも「うざい」が一番合っているかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。
本当に広告は邪魔なモノなのでしょうか?
本当は、「広告」が邪魔なのではありません。
「広告媒体」が「広告」を邪魔なように思わせているのです。
つまり、「広告が邪魔に思われる仕組み」で表示されているから邪魔に思えるのです。
広告内容がどんなに良くても同じです。
広告の代わりに、可愛い動物の写真でも結果は同じです。必要ない時に表示されれば、邪魔に思えてしまいます。
企業が多額の制作費を使っておもしろい(もしくはカッコイイ)広告を作っても、殆どの場合、せっかく作った広告を、わざわざ嫌われる仕組み(広告媒体)に提供しているので、本来発揮される広告効果を悪化させています。さらに、広告が表示されるタイミングそのものが嫌われているので、とばっちりで、広告のイメージも下がってしまうかもしれません。
ウェブサービスやアプリなどでよく見かける「広告を表示させないためにお金を払う」課金方式は、ユーザーにとって広告を「お金を払ってでも見たくないもの」に仕立て上げ、あえて邪魔だと感じさせています。つまり、広告の価値=マイナスに仕組まれているのです。
特にスマホなどの表示スペースが限られているデバイスでは、広告にマイナスの価値をつける手法として、記事を読もうとしたらポップアップなどで記事上に広告を表示して、読みたい記事を読めなくさせるものや、記事の合間にあたかも関連記事かのように広告を挟み込んでくるものなどがあります。動画コンテンツではご存知のとおり、見たい動画の最初と途中に広告を挟み込んできて、早く見たい気持ちを邪魔し、たとえ広告をスキップできたとしても、コンテンツへの集中力を途切れさせます。これでは、配信する仕組みが悪いのに、広告だけじゃなく、広告主の企業イメージまでもが悪くなってしまい、広告主も、受け手側も良いことはありません。
まだ、「広告」=「企業都合の伝えたい内容を一方的に投げかける」、と思っている人がたくさんいます。(たまにそういう広告も見かけますが、それは古い手法「広告1.0」の遺産です。)
一方的に見えるのは、配信する仕組み側の問題もあるのです。

このような嫌われる広告表示手法については第2章で詳しく触れたいと思います。

まとめ

広告は嫌われ者ではない。
嫌われているのは広告の表示手法。
現在の広告手法は、広告にマイナスの価値を与えている。

・未来の広告

未来の広告はどうなっていると思いますか?
広告について、子供の頃に一度だけ、未来を感じたことがあります。
それは、ゲームの中の町並みで実際の企業の広告を見たときです。
それまでは、ゲーム内の看板は、実在の広告をもじってそれっぽく作っていました。
私が出会ったのはレースをするゲームなのですが、そこに出てくる看板は実在のタイヤメーカーやオイルメーカーでした。
この時、私の中の感覚として、地球が2倍に広がったと感じたのです。
地球上を離れ、バーチャル空間上も広告掲載場所として成り立つのだと思ったからです。
その時はすごくワクワクしたのですが、今思えば、単にゲームという媒体が増えただけで、地球上すべてを網羅したバーチャル空間が出現したわけではなかったのです。
しかし、その後、大きく未来に近づく出来事が起こります。
インターネットの普及です。
これは、確実に未来へと一歩進みだした感じがありました。サーバー上に無限のバーチャル空間を作れるからです。
商売をしようと思えば、誰もが大きな店舗をバーチャル空間上に持つことができるようになりました。
実質地球は広がったのです。
そのような変化に対応して、広告媒体も変化してきました。
地球上で配信される媒体でも、新聞からテレビへと、バーチャル空間上でも、ホームページからスマホアプリへと変遷していきました。
広告自体も変遷を遂げていくでしょう。特にインターネット上の広告の進化はめざましいものがあります。
配信側のテクノロジーで言うと、アドテクと呼ばれる配信技術がどんどん進化し、いろいろな場所が広告面に代わり、いろいろなターゲティング手法により、広告を届けたいユーザーにピンポイントで広告内容を訴求することができるようになってきています。
そこに表示される広告は、単純なバナー広告にとどまらず、インタラクティブ性を備えた次世代バナーや今までとは違った表現手法を用いた動画広告だったりします。
これらも確かに未来を担う広告と言えるでしょう。テクノロジーの進化が広告の魅せ方をどんどん変えています。もっと未来には驚くようなデバイスが開発され、そこに見たことがない広告が表示されるようになるでしょう。さらにファンタジーの世界で描かれるようなホログラムを使った3次元の広告など、想像力を働かせれば、いろいろな未来が見えてきます。
ただ、テクノロジーの進化=未来、という図式の他に、現在とは全く違う考えをもつ人達が現れる未来があるはずです。

ここでは、テクノロジーとは別の観点から広告を捉えていきたいと思います。

それは、お金の流れです。

つまり、ユーザーが広告を受け取るのに、お金を払っているかどうかということです。
例えば、新聞や雑誌はどうでしょう?
新聞や雑誌は購読します。つまり、広告を受け取るのに受け手がお金を払っているのです。広告のためにお金を払っているわけではないですが、結果として、情報を受け取るための費用は受け手が負担しています。
テレビやラジオはどうでしょう?
テレビやラジオはスポンサーの広告費で賄われているため、一部の有料放送は別として、受け手の負担はありません。広告枠があるスマホアプリの多くも無料で提供されています。
では、未来の広告はどうでしょうか?
多分こうです。
広告を見れば見るほどお金がもらえるようになります。
広告は次のような進化を遂げると私は確信しています。

昔の広告は受け手がお金を払う。
今の広告は無料。
未来の広告は受け手がお金をもらう。

つまり、未来の広告は広告を受け取るとお金がもらえるのです。
そんな事ができるわけがないと思われますか?
たしかに今のままでは難しいでしょう。
情報流通コストがかかりますし、なんと言っても現在は広告の価値=マイナス、という図式が世の中の常識ですから。
次の章では、これを可能にするために必要なシステムについて考察します。

まとめ

昔の広告は受け手がお金を払う。
今の広告は無料。
未来の広告は受け手がお金をもらう。

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