広告革命4.0 ついに未来の広告が動き出す 第五章:情報インフラを作る

第五章:情報インフラを作る 

・情報弱者にならないために

AIを怖がる人がいます。
AIが普及すると、仕事がなくなる?
暴走して人類が消滅する?
それって、昔、自動車が普及して、飛脚が仕事なくなったみたいな話ではないでしょうか?
飛脚だった人はたしかに可愛そうですが、その人って、一生飛脚をやるつもりだったのでしょうか?
自動車のおかげで、飛脚をやめて、運転手に転職したほうがはるかに楽に稼げたのではないでしょうか。
ブルドーザーの発明で土木作業員がいなくなったでしょうか?
それどころか、重機オペレーターという新たな仕事が生み出されています。
人間がやるよりも効率良くできることは、どんどん機械に任せるべきです。人間はそれ以外の創造的な仕事をすればよいのです。

新しいものは難しそうで、わからないから敬遠したくなるかもしれません。しかし、食わず嫌いは一度置いておいて、便利なものは積極的に活用していく気持ちで、物事に望んでみると、新しい発見がたくさんあるはずです。
今の世の中は、情報化社会と言われて久しいですが、ものすごいスピードで、新しいものが生み出されています。過去の情報を当てにしていると思わぬ落とし穴にハマるかもしれません。
それは、今現在の道を昔のカーナビで走るようなものです。
情報弱者とは社会の迷子です。
アプリでよく行われるアップデートを社会に取り残されないために人間自身も行う必要があります。
社会の迷子にならないために、新しい情報で、古い情報を上書きするアップデート作業を頻繁に行いましょう。

どうやって?

スマートフォンを利用しましょう。
携帯電話を持っていない人や、ガラケーを使っている人は、思い切って、スマホを購入してみてください。

私は、しばらく携帯電話を持つことに抵抗があり、家にいないときは、一緒にいる友だちの携帯に連絡してもらうようにしていました。友達が少なかったことが幸いして、当時はそんなに不便を感じていませんでした。その友達は、携帯電話が普及する前から、どでかい携帯電話を持っていましたので、その印象もあって、持ちたいと思わなかったのです。ちょうどバブルの頃、「しもしもー」のやつです。持ちたくないでしょ?(笑)
その後、ほとんどの人が携帯を持つようになり、二つ折りが人気だった頃、もともと趣味だったカメラをまたやってみたくなり、とわいえ、一眼レフを持ち歩くのは重いので嫌だなと思っていた頃に、カメラ性能が良く、デジカメなんていらないという触れ込みの携帯電話が発売されました。それに飛びついてしまったのが、携帯人生の始まりです。カメラ機能は言うほど良くなかったので、あまり使いませんでしたが、その携帯はテレビを見ることも出来ましたので、外出先でサッカー日本代表を応援したり、はやりのドラマをリアルタイムで見ることが出来ました。
私がスマートフォン(以下スマホ)を持つようになったのは、2011年2月でした。その直後に東日本大震災が発生し、リアルタイムでどんどん情報が取れるスマホの便利さをあらためて実感しました。
スマホがなんで便利かと言うと、あなたにあったスマホに仕立てることができるからです。スマホが便利なのは、ありとあらゆる種類のアプリがあるからです。それもほとんどが無料で使うことが出来ます。天気を知りたければ、リアルタイムに雲の動きをおって、10分後の天気がわかったり、受験生なら受験勉強用のアプリがあるし、音楽が好きなら、アプリなしでミュージックプレイヤーにももちろんなりますが、演奏するアプリやギターのチューニングアプリを入れてバンド活動の道具にもなります。英会話を勉強したければ、たくさんの英語勉強用アプリがあります。投資をしたければ、スマホから投資できる証券会社のアプリもあるし、チャートを見たり情報を検索するアプリもあります。料理が好きならレシピアプリで献立を決めたり、動画で魚の捌き方を覚えたり、使い方はいろいろです。ゴルフが好きなら、ゴルフコースの予約から、ラウンド中のボールからグリーンまでの距離もリアルタイムに分かります。
ニュースサイトがあるから、新聞は取らなくなってしまったし、クーポンサイトで買い物もお得にできます。添付ファイル付きのメールも読めるので、会社のPCの前にいなくてもスマホで仕事ができます。キャッシュレス化が進み、様々な決済サービスが利用できるのも、スマホがあるからです。
今後、もっと便利なデバイスが開発されるかもしれません。しかし、しばらくは、この豊富なアプリを使うことができるスマホを活用していくことが情報弱者にならない最も良い方法です。


・情報を手軽に利用する

ニュースアプリのように、広く浅い情報を沢山入手するのに便利なサービスがあります。
まとめサイトのようなキュレーションサービスを使えば、ある程度まとまった情報を効率的に取得できます。しかし、色々なジャンルを知りたい場合には、それぞれの分野のキュレーションサービスを使う必要があります。便利なアプリやサイトはたくさんありますが、それらをいちいち区別して用途に応じて選ぶのは手間がかかり、大変な作業です。
それならば、広告システムを情報システムにしてしまえばいいのです。
毎日たくさんの企業情報や製品情報が更新される広告システムを逆手に取って、自分の欲しい情報だけを集めてニュースサイトのように表示させる情報システムにしてしまえば、積極的に使いたくなるはずです。さらには、広告のクリエイティブや表示方法も一新し、かゆいところに手が届く便利な情報ツールに仕立てることで、手軽に利用できるようになります。
さらに、報酬までもらえたら使いたくなりませんか?
そのためには克服しなければならない問題がありました。
それをシステムを使ってどう克服するか、次でご説明します。


・世界で利用されるシステムを目指して

第2章で次の4つのシステムが必要だと述べました。

1、広告をクリックする前に広告リンク先の評価がわかるシステム
2、広告に価値を与えるシステム
3、個人情報をさらさずに必要な情報だけを受け取ることができるシステム
4、広告を受信すると報酬がもらえるシステム

これらを満たす新たなシステムを考案し、特許を出願したのですが、その中身を説明する前に、なぜ特許を出願したかをご説明します。
このシステムは、インフラとして機能し、誰もが自由に使うことのできるシステムにしないと意味がありません。そこで、誰かに独り占めされてしまうことがないように、システムの仕組みを特許で押さえておこうと考えました。執筆時現在、出願結果が出ていないので、私が今言えることかどうかわかりませんが、独占するつもりはまったくありません。このシステムを多くの人に使っていただき、みんなの意見をどんどん取り入れてより良いものにしていければ嬉しいです。
現在、インターネットが誰でも利用できる便利なインフラであるように、ブロックチェーンも誰でも利用できるインフラとして機能させなければなりません。
私が考案したシステムもブロックチェーン上の情報を誰でも利用できるようにしようと考えています。我々が最初に作るオーソドックスなアプリに対して、サードパーティが参入し、もっと高機能版のアプリを続々出すかもしれません。もしくは、もっと専門的なアプリとして、特定の分野に特化したアプリができるかもしれません。そうやって、あなたの趣味に合わせて、最も使い勝手の良いアプリを選べば良いのです。
インターネット上で色々なサービスが広がっていったように、このブロックチェーン上で色々なサービスが生まれることでしょう。

では、4つのシステムについて具体的にどのようなものなのかをご説明します。


1、広告をクリックする前に広告リンク先の評価がわかるシステム
これは、広告を見た人に広告内容についての意見をフィードバックしてもらう仕掛けを作ります。アプリダウンロードのときの口コミのようなイメージです。
どうやってフィードバックをしてもらうかは、4のシステムに関連します。
4のシステムにより、口コミの数と精度を上げていきます。口コミにより評価された広告とリンク先は、その評価によって表示頻度が変更されます。
より評価が良いものがたくさん表示され、評価が悪いものは淘汰されていきます。
これにより、いちいち評価を確認することなく、上位に表示されるものが評価の良いもの、もしくは求めている情報に最も合っているものになるので、安心して広告をクリックすることができます。
フィードバックの評価に関する判断はAIが活躍することになるでしょう。
ネガティブワードとポジティブワードを抽出し、フィードバックが広告内容のことなのか、リンク先サーバの動作の問題なのか、商品が期待していたものより良くなかっただけなのか、などを瞬時に判断し、表示順位を変更します。
これだけだと、入稿間もない広告についての評価が無いため困るのでは?と疑問を持たれることでしょう。これに関しては、広告主が広告を入稿する際にAIによる広告審査が行われます。悪用されるといけないので、審査内容についてはここでは詳しく述べませんが、かなりの精度で、危険な広告はブロックされます。
広告媒体はこの広告審査を自社で行うことで、掲載する広告をコントロールし媒体価値を担保しています。その報酬として、広告主から広告費を頂いているわけですが、このシステムでは、広告審査をAIに任せて、中間マージンをカットします。

2、広告に価値を与えるシステム
これは、広告自体をコンテンツの域にまで進化させ、価値をもたせます。
広告を見たいコンテンツに昇華するために、広告主や制作会社が使いやすい広告管理画面といろいろな入稿フォーマットを用意します。例えば、写真から簡単に動画が作れるフォーマットやスクラッチバナーなどバナーがインタラクティブに反応するようにできます。
広告を情報誌のような読み物にすることと、広告の表示タイミングを情報が必要な時に限定することで、邪魔な存在と感じさせないだけではなく、生活に欠かせないものにします。
具体的には、表示専用アプリを作ります。アプリにはどんどん自分好みの情報が集まってきます。自分専用の情報誌のような感覚で、集まってくる広告一覧から、興味のある広告を選んで表示させます。見たい情報を検索することもできます。このシステムは、事前に登録した個人情報と今までの閲覧履歴や検索履歴をもとに、いま最も興味があるものを計算し、表示させるレコメンド機能を備えています。このレコメンド機能は、使えば使うほど強化され自分好みの表示になっていきます。マッチングアルゴリズムを使い、個人情報を細かく入れることで、自分にピッタリあった情報が集まってきます。
ここで重要なのが、個人情報の取り扱いです。
これを解決するのが、次のシステムになります。

3、個人情報をさらさずに必要な情報だけを受け取ることができるシステム
個人情報は個人の端末にダウンロードしたアプリ上にだけ存在するようにします。どこかのサーバーに登録してしまうと、大量の流出事件につながりかねないからです。ここでブロックチェーンの登場です。端末にある個人情報は一時的に暗号化され、ブロックチェーンに記載されている広告情報と照らし合わされることで、端末側からリクエストした情報にマッチする情報だけ取得することが可能になります。これにより、個人情報を勝手に活用され、不必要な情報が送りつけられることがなくなります。


4、広告を受信すると報酬がもらえるシステム
広告主が支払う広告費を広告掲載費用に当てるのではなく、広告を見た人に還元します。これではポイントサイトと同じじゃないかと思われるかもしれませんが、ただ広告を見ただけでは、実際に内容を把握したかどうかわからないため還元はしません。このシステムでは、ポイントサイトとは異なり、広告を見て何か言いたいことがあれば、フィードバックシステムに参加してもらい、口コミを投稿してもらいます。その貢献度によって広告費を独自トークンとして配分するのです。これにより、1のシステムに参加するモチベーションとして機能するので、口コミの数が確保できます。
ロボットを使って報酬目当てに悪質なトラフィックを発生させる行為についても排除するように、アプリとトークンを支給するウォレット間のデータの受け渡しに(ここでは言えないですが)工夫していますので、アドフラウド(広告詐欺)を防ぐことができます。
広告主は届けたいユーザーを指定でき、そのユーザーにマッチした度合いによって報酬を支払います。
例えば次のような設定が可能です。
年齢(1才きざみ)、誕生日、性別、子供の有無、世帯収入、使用言語、居住地域、出身校、職業、趣味、興味関心カテゴリ、住居種別(持ち家・賃貸など)、家賃、貯蓄額、ライフステージ(未婚・既婚など)、任意のキーワード。
ユーザーはこれらの設定を必ずする必要はありません。設定した情報は公表されるわけではないので、広告とのマッチ度を高めるためにはより詳しく設定したほうが、報酬額が高くなり有利になります。


次の図は、システムの概要を模式的に示した図です。

画像1

このシステムで解決が期待できるのは次の通りです。

広告主としての利点
アドフラウド(広告詐欺)の回避
広告費高騰を抑制
正確なターゲティングにより、伝えたい人にだけリーチさせられる

ユーザーの利点
情報収集に費やした時間的対価をトークンとして受け取れる
自分にまったく関係ない情報による、時間的損失の回避

インフラとして
管理者を必要としないオープンなシステムなので、誰でも利用が可能
ITP2.x、GDPRに対応した情報送受信システムの構築

・具体的な取組と今後

今後は、未来の広告システムを作るための活動を行っていきます。
最初は小さなコミュニティで実証実験を行います。
その後、世界的にトークンを流通させ、全世界で利用されるインフラとして機能させるために、ICOのようなトークンの流通スキームを実施しようと考えているのですが、ここで、ICOについてちょっと考察したいと思います。
ICOとは、Initial Coin Offeringの略で、プレセールやクラウドセール、トークンセールなどとも呼ばれます。トークンと呼ばれる独自のコインを発行し、資金調達をする手法です。
株式投資で未上場会社が新規に株式を公開することをIPO(Initial Public Offering)と呼ぶところからそれに習ってICOと呼んでいるのだと思うのですが、中身はかなり違います。
IPOは証券会社による厳しい審査をパスした実績のある株式会社だけが実施できるのに対して、ICOは明確なルールがないため、以前は誰でも実施することができました。つまり、ICOでは、真面目に資金調達したい事業体と、最初から詐欺目的の事業体が同じ土俵にいたということです。ただ、現在は、過去のICOの詐欺被害を受け、世界各国でルール作りが進んでいます。日本では、実質ICOの実施が不可能になっています。なぜなら、日本でICOができるのは暗号資産(仮想通貨)交換業の登録業者だけで、暗号資産(仮想通貨)交換業の登録業者になることは、IPOを行うよりもハードルが高いからです。奥の手として、暗号資産(仮想通貨)交換業者を巻き込む方法があります。この方法だと、暗号資産(仮想通貨)交換業者の審査と金融庁の認可が必要なので、すこしハードルは上がりますが、暗号資産(仮想通貨)交換所に上場することも容易になるので、投資家側から見ると、投資先としてのリスクが減るメリットがあります。
海外でICOする場合、日本人を対象としたICOを行うことはできません。日本人以外、ICOが禁止されている国以外を対象として実施しなければなりません。日本人を対象とするためには、海外で実施したとしても、日本国内の暗号資産(仮想通貨)交換業の登録が必要です。
最終手段として、発行するトークンを金融庁から暗号資産(仮想通貨)と認定されないように設計する方法があります。この方法は、トークンを広く流通させたい私の目的とは離れてしまいます。また、この方法で可能だった暗号資産(仮想通貨)ファンドについて、2019年5月31日、暗号資産(仮想通貨)に対する法律の改正が成立したことで、規制の対象となりそうですので、注意が必要です。
次に、ICOに変わる方法として、STO(Security Token Offering)というものがもてはやされているので、その考察をしてみます。
STOで使われるセキュリティトークンとは、有価証券をデジタルデータ化したものと考えるとわかり易いでしょう。有価証券としてのトークンを扱うために、法的にしっかりとした手続きを踏む必要があります。つまり、ICOのように法的にどうなのか迷いながら実施しなくてすむため、手続きさえ踏めば、法に触れることなく、堂々と実施することができます。逆に言うと、ICOに比べてかなりハードルが高いと言えます。というのも、暗号資産(仮想通貨)に対する法律の改正が成立したことでSTOについての規定が明記され、金融商品取引法で規制されることになったからです。STOの実施には金融商品取引法上の登録が必要ですので、IPOに比べればマシ程度に捉えたほうが良いでしょう。
最後に、海外の取引所から売り出す、IEO(Initial Exchange Offering)という方法があります。この方法だと、すでに取引所を使っている全世界の多くのユーザーに情報が共有されるメリットがあり、トークンを広く流通させるのに適した方法です。実際に、この方法で多くのプロジェクトが資金調達に成功しています。懸念点として、数十秒からで数分で何億もの資金が調達される反面、早いもの勝ちでトークンの奪い合いが発生し、少数のユーザーによる独占が起きやすいことです。これを改善するために、トークン購入者を抽選で選ぶ業者が出始めています。

以上のように、トークンを流通させる方法がいくつかあります。
単に資金を調達する手段としてトークンを発行するのであれば、わざわざブロックチェーンを使う必要はなく、そのプロジェクト自体がしっかりとした事業計画で行われるのであれば、銀行やVC(ベンチャーキャピタル)から調達すればよいのです。
私が思い描いているトークンの利用シーンは、企業の広告費を感謝の気持ちに変換する役割と、ユーザーが受け取ったトークンをあらゆるサービスと結びつけて、利用できるようにすることです。
そのために、ご紹介したスキームの中から最適な方法を選び、合法的に実現していきたいと考えています。

ICOで騙された人が多く発生したことは悲しいことです。
一部の悪質な事業体は論外ですが、多くの事業体やプロジェクトは、もしかしたら本当に詐欺をするつもりではなく、単に見込みが甘かったために参加者に損をさせてしまったのかもしれません。
このようなことに巻き込まれないために、投資に参加する心得として、一つ言いたいことがあります。
まずはプロジェクトのホワイトペーパーをよく読んでください。もしくはホームページ、広告に注目してください。そこに、「絶対」という言葉が入っていたら、投資対象としないことです。
投資に絶対はありません
サラリーマンでさえ、突然会社がなくなるかもしれないので、絶対に給料がもらえる保証はないのです。
特に「絶対儲かる」はNGワードです。そのようなことが書いてあったら(もしくは面と向かって言われたら)そっと立ち去りましょう。


私が提唱する未来の広告に興味が湧いた方は気軽にご連絡ください。

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