新社会人が「僕に何ができるんだろう……」と悩んだ時に読む記事
4月から入社された新社会人のみなさん。あれよあれよと、5ヶ月が経ちましたが、実際に働いてみた感想はいかがでしょうか?
こう思っている方も多いと思います。全然大丈夫ですよ、私もそうでしたので。
私は社会人13年目に突入しました。超ゴリゴリの体育会系である「野村證券」に新卒入社。その後は父の会社を継ぐために、柳井工業(プラント業界)に中途入社し、現在は経営者として奮闘しています。
今回のテーマは「新社会人だった私が、先輩から聞きたかった言葉」です。新社会人向けのメッセージという認識で大丈夫です。
すでに「新社会人向け」の記事や本は世に出回りすぎていますが、私も話したくなってしまって……便乗して話すことにしました(笑)。
というのも、野村證券ってとても厳しかったんですよね。超忙しい会社なので、先輩に相談したくてもとても忙しそうなので、「こんな些細なことを相談したら迷惑だよな……」と、遠慮してしまいました。
経営者になって視野が広がった今、新卒の私に言いたいのは「そんなに背負わなくてもいいんだよ」ということ。
長くなりましたが、悩んでいる新社会人の方に、この記事が1つの処方箋になれたらうれしいです。
①「メモ+復習」をセットで行う
先輩から「とにかくメモをしなさい」と言われませんか?これね、とても大切です。
先輩は何度も何度も同じことを説明すると疲れちゃいますし、「こいつ俺の話全然聞いてないな……」と悲しくなって、信頼貯金が少しずつ減ってしまいます。大損です。
……ただこの話はよく聞きますよね(笑)。「それは知っています」という声が聞こえてきそうですし、芸がない。
アドバイスを加えるなら「復習」をおすすめしたいです。ただメモするだけではダメだよ、ということです。
メモした内容、すべて覚えていますか?多分、ほとんどの方が忘れていると思います。それではもったいない。
忘れないために「復習」をしましょう。脳に定着するので、より血肉化します。
さらに「先輩から教わったことを実践したら、僕もできるようになりました!」なんて報告されたら、うれしくて内心飛び跳ねると思いますよ。
②まずは手を動かしてみる
あれこれ思考を巡らすのも大切かもしれませんが、新人は「まずは手を動かすマインド」の方が結構大切だと思います。
実際に「量よりも質」と思った原体験があるからです。新卒の野村時代、結構エグめのミッションを与えられました。
当時の私は「辞めちゃおうかな」と、魔が刺したことが何度かありました(笑)。
仕方がないので、とりあえずやってみます。最初は本当にキツかったですが、量をこなすことで見えてくる世界があったのです。
例えば「14時に訪問すると、その会社の社長に会える」ことが分かったことがありました。
決裁権は社長や経営者が持つことがほとんどなので、チャンスですよね。「関係性を築くにはどうすべきか?」といった課題も生まれ、少しずつステップアップしていきました。
「質」も重要です。でも「量」をこなすことで「良質」が見えてきます。
何もかもがはじめてな新人だからこそ、量をこなしてみて、些細な変化も楽しんでほしいです。
③分からないことはすぐに聞く
脅すつもりはありませんが、「分からないことを分からないままにする」と、結構痛い目に遭います。
例えば営業だと、間違った案内をお客さんにしてしまうこともあるかもしれません。先輩から「分からなかったんだよね。どうして質問してくれなかったの?」なんて言われたら、返す言葉がありませんよね……。
新人は分からないのがあたり前。
「こんなこと聞いたら馬鹿にされそう」と思わずに、素直に先輩に相談してみましょう。プライドが邪魔をしてくるのであれば、これを機に手放しましょう。
そして先輩から教えてもらったら、メモと内省をする。これで十分です。
④焦った時は、立ち止まって深呼吸
学生から会社員になり、急に環境が変わればミスもでてきます。時にはミスが続くこともあるでしょう。
そんな時は、ちょっと立ち止まって深呼吸してみてください。そして周りを見渡してみてください。
焦ると視野が狭まってしまいます。無理やりにでも深呼吸をして、プチ自分時間を取ってみてください。さっきまで狭かった視野も、広がる感覚を体感できると思います。
セルフコントロールができれば、こっちのもの。「優秀な先輩の行動」や「先輩が欲していること」なども見えてくると思います。ぜひ「先輩、私にできることはないですか?」と聞いてみてください。喜ぶと思います。
ただこれは、すぐにはできないと思うので、余裕ができた時でも大丈夫ですよ。
⑤フレッシュなあいさつは新人の特権
あいさつをスルーされて悲しくなった経験はあると思いますが、あいさつを”されて”嫌だった経験ってほとんどないと思います。
やっぱり、あいさつはしましょう。爽やかなあいさつができるだけでも、評価は地味に上がっていきます。
新人さんのあいさつって、フレッシュなのでそれだけで価値があるんです。「場を明るくする」も新人の大切な役目です。
たとえ現場がピリついてやりにくかったとしても、あいさつはしっかりとしましょう!
⑥毎日些細な「ハイライト」を生み出す
新卒の野村時代、先輩から「些細でもいいから、成果を生み出せ」と言われていました。
毎日12時と16時に先輩と報告会をします。そこで「今日は何もできませんでした」と言うと怒られます。何かしら生み出さないといけないのです。
そこで私は「毎日ハイライトを生み出して、昨日の自分よりも前進する」を目標にしていました。キツかったですが、今考えるととてもよかった習慣でした。
先ほどお伝えしましたが、野村のノルマって結構エグいです。100件の訪問はデフォなので、毎日踏ん張ってやっていました。嫌でも「なんとかハイライトを生み出せないかな?」という思考になります。そうすると、
これは私の実体験です。「ハイライトを生み出し、何もなかった日を作らない」精神でいたからこそ経験できたことです。
些細なことでも構いません。ぜひ今日から、ハイライトを作ってみてください。
⑦「たのしい」は自分で作る
テンションが下がるような話しをして大変恐縮ですが、仕事のほとんどって楽しくないと思います。
父の会社を受け継ぐと決め、柳井工業に入社した時、やりがいはあるももの「来なきゃよかった」と後悔したことも多々あります。
ただ、文句ばっかり言っても現状は変わらない。思考を変えて、無理くり「たのしい」を自分で作ってしまおう、と思ったのです。
これが結構効果的でした。
柳井工業に入社したての頃です。ボルト磨きという作業がつまらなくてしょうがなかったのですが、試しに「鼻歌を歌いながら」磨いてみたんです。
いい感じに息抜きになって、”しんどい”から”悪くない”に変わったのです。
もちろん、全部「たのしい!」と思うのはむずかしいですが、工夫できるところはアレンジを加える。せっかくなら、自分でたのしいを作っちゃいましょう。
⑧たまには「どうせまた同じ話でしょ?」と開き直ってみる
社会人になると、なにかと比較されます。私は競争心がそこまでないので、比較される度に心がズシンと重くなりました。
「新宿支店の西條(仮名)はこんなに成果を出しているんだから、柳井ももっと頑張れ。君も成果をもっと出せるはずだよ!」。
……今思い出すだけでもしんどくなります。当初はもっとしんどくて情けなくて、先輩との報告会の度に胃がキリキリしました。
ただ、経営者になって気づきましたが、先輩も後輩を奮い立たせるために、”あえて”比較することもあるんですよね。
もっと他の方法で奮い立たせてほしい気持ちも分かります。ただ、方法が分からないんですよ、おそらく。
なのでたまには「どうせ今日も聞かれるんだから」と開き直ってみてください。
もちろん先輩の話を聞くことは、とても大切です。でも、毎日「こんな自分だからダメなんだ」と、必要以上に追い込んでは精神衛生上よくありません。
真面目な人ほど、たまにはゆるく流してみてください。
⑨休日は自分のもの。リセットして月曜日を迎える
休日はあなたのもの。会社のことは気にせず、貴重な休日をは思う存分遊んでリフレッシュしてください。
平日に寝足りない分、休日に寝るのもよし。合コンで女の子とワイワイするのもよし。おいしい料理をたらふく食べるのもよし。流行りのサ活(サウナ活動)で、ととのうのもよし。
リラックス方法は人ぞれぞれ。正解はありません。あなたなりのリラックス方法で、リセットしましょう。
よくないのは、仕事のことを休日まで持ち込んでクヨクヨすること。しっかり休日でリセットして、月曜日から頑張ればいいんです。
⑩たまには上司・先輩を誘ってみる
意外にも先輩は、後輩からの誘いを待っていたりします。こんなことを思うからです。
いつも偉そうにしている先輩も、実は結構ナイーブ。ここは「しょうがないから私から誘ってあげようか」と内心思いながら、先輩を誘ってみてください。先輩はうれしいと思いますよ。
今はコロナ渦ということもあり、なかなか飲みに行くのがむずかしいかもしれません。お弁当を一緒に食べるとかでもいいと思います。飲むよりもお得ですしね。
なんだかんだで、社内で相談しやすい先輩がいるとラクです。時には助けてくれますし、親身に話も聞いてくれるので。
「ランチや仕事終わりくらいは、ひとりの時間がほしい」という気持ちももちろん分かります。たまにでいいので、ぜひあなたから誘ってみてください。新たな気づきがあるかもしれませんよ。
・・・
感情が乗ってきてしまい、今回はいつもの倍以上のボリュームになってしまいました。ここまで読んでくれて、ありがとうございました。少しでも新たな気づきになってくれたらうれしいです。
大人は大変ですが、案外楽しいですよ。社会人生活、応援しております!
取材・文/ヌイ(@nui_nounai)
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