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入社2年目の若手監督が増加。その背景と深い闇━━弊社は「チーム柳井工業」を強化する

こんにちは。柳井工業・常務の柳井です。私事ですが、最近大きな定修工事が無事終わりました。

その定修工事で改めて実感したのは、「経験の浅い監督さんが多すぎるな……」ということです。

プラント業界に入って3年前後で監督になっている方がいるんですね。10年前は、最低でも5年以上の経験を積むことが当たり前だったので、個人的にはジェネレーションギャップを感じています(笑)。

悲しいことに、ミスが結構多く、組込ミスや発注ミスなどが生じています。どれもあってはいけないミスなんですよね。

そこで今回は、「若い監督が増えた背景と闇」をテーマにお伝えしていきます。実は経験の浅い監督が増えている背景には、大きな”闇”が潜んでいます。

そもそも、監督の仕事って?

前提として「監督業務」について触れておきますね。ざっくりお伝えすると、社内と現場のパイプ役

プラント工事は、必ず「監督」がいないと工事ができません。ドラックストアの薬剤師のようなイメージでしょうか。それゆえ、監督のストレスは馬鹿にならないのです。

監督のストレス

以前「プラント業界で「年収1,000万円」を到達するための一手間」という記事で、監督業務は大変だからもっと誇りを持っていいし、年収1,000万円をいただけるだけの仕事をしていますよ、ということをお伝えしました。よかったら詳細をご覧ください。

そしてこちらが、主な現場での業務内容です。(細かくお伝えするともっとありますが、長くなるので一部を抜粋しています)

・現場作業の安全を確保する
・施工機械を熟知し、作業員に指示する
・消耗品や交換部品の手配を行う
・客先に補修内容を報告し、どう対応するか提案する
・補修内容を指示し、加工させる
・作業員とのコミュニケーションを図り、円滑な現場をつくる
・報告書を作成し、お客様(プラント所有者)に提出する

上記はあくまでも「現場」での業務であり、プラス「社内」でのタスクも追加されます。(詳細は先ほどの記事に書かれています)

個人的な意見としては、「この業務を入社2、3目の人に任せるのってどうなの?」と思うわけです。

私はもともと証券マンで、プラントのプの字もわからない状態で柳井工業に入社しました。

歯を食いしばって必死に仕事を覚え、5年目でようやく工事の流れも掴めるようになり、監督を任されるようになりました。当時は辛かったですが、下積み時代があったからこそ、不安がほぼない状態で監督になれました。

お節介だとは思いますが、経験が浅いと不安ばかりが募るので、なおさら心配になってしまいます。

実は開き直って「若手監督」を入れている。その背景とは?

ではなぜ、若手監督が増えているのでしょうか。

1番は「人手不足」が招いた「黙認せざるを得ない状況」にあると考えています。(???だと思いますが、噛み砕いて解説しますのでご安心を!)

前提として、定修工事はプラント所有者であるお客様(以下、お客様)と施工会社の関係で成り立っていいます。ちなみに柳井工業は、施工会社の1つです。

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定修工事やメンテナンスを行う際、お客様は施工会社に依頼をします。依頼の中には、技術的なことから、職人集めも含まれます。

なので、施工会社は「監督集め」も仕事の1つになります。

本音としては、優秀な監督をなかなか探せないので、正直苦痛で断りたいんですね。ただ、監督を探さないと定修工事の案件を失うので、必死で探しています

優秀な監督はもっと条件のいいところを選んだり、大手企業に勤めていたりするので、なかなか見つけられません。

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妥協して(と言ったら失礼ですが)、手の空いている監督を探したら、入社2、3年目の職人だった……という現象が起きるのです。

ただ、お客様も「若手監督だと困ります……」と文句は言えません。施工会社に自分から頼んでいるので、後ろめたさがあるんですね。

できる先輩が後輩のサポート。増えていく膨大なタスクが原因で退職に

当然、若手監督には「サポート」が必要です。先輩やベテラン監督がその後輩の面倒をみるのですが、これがなかなか大変です。

そもそもプラントの現場はとても広く、担当現場がバラバラです。

先輩と後輩の担当エリアが異なるので、「あいつ大丈夫かな……」と心配になった先輩が、後輩の現場に足を運ぶのです。

後輩ができていない業務を先輩が担当するので、先輩の業務量は倍に。退勤時間も遅くなり、最悪の場合責任を負うこともあり、心身ともに疲弊します。

できる監督は会社からも信頼され、どうしても「あいつのことお願いね」とお願いされるので、負担に。

これが原因で、プラント業界から離れた人もたくさん見てきました。(給与がぐんと上がれば、話は変わってくると思いますが、一筋縄ではいきません。)

優秀な社員はどんどん離れ、さらに人材不足が加速する。この悪循環をなんとか断ち切りたいものです。

柳井工業のミッションは「監督の育成」に力を注ぎ、チームレベルをぐんと上げること

この状況を踏まえて、柳井工業ができることは「監督の育成」だと思っています。

近年、若手社員が弊社にどんどん入社しています。5年〜10年スパンで監督になれるように、焦らずじっくり技術を習得してほしいです。

現状は柳井工業も人手が足らず、協力会社の力を借りてなんとか人員を集めています。監督ができるのも、今は私を含め2人です。

まずはもっとメンバーを増やし、監督が務まるまで技術を磨いてもらい、柳井工業全体の技術力を底上げする。

「協力会社なし」で施工を担当をすることが、長期スパンでの目標です。全うして、達成していきたいと思います。

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今日紹介した記事はこちらです。よかったら合わせてご覧ください。

取材・文・図解 /ヌイ(@nui_nounai


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