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【英語】米駐在歴ありのコンサルが約10年ぶりにTOEICを受けた

今年(2022年)の年始頃から準備を始め、3月20日にTOEIC L&Rテストを受けたところ、スコアが975でした。テストに対する所感と、どのような準備をしたかを書いていこうと思います。

久しぶりにTOEICを受けた結果

3月20日にTOEIC L&Rテストを受けて、その結果が先日TOEIC SQUAREという申込サイトにポストされていました。受験したことがある方はご存じの方も多いと思いますが、Webから申し込みをすると、公式認定証が発行される前に結果を教えてくれます。私には受験後2週間ちょっと経ったタイミングで、【テスト結果表示】というタイトルのメールが送られてきました。

筆者TOEIC SQUAREからのキャプション

実は、昨年書いたnoteでこんなことを書いています。

最近はTOEICを受けていないのでわかりませんが、今は特段の準備をせずとも、何回か受ければそのうち一回は満点取れるぐらいの英語力と思います。海外で英語でのリーダシップ研修を受けたり、日常的に英語での仕事のやり取りをしていますが、英語でのバリアはようやく感じなくなりました。専門分野の情報収集では英語の方が文献が豊富なので、迷わず英語で検索します。

https://note.com/hisaya_amano/n/nb7e86f5b20db

結果として、2か月ちょっと準備をしたうえでスコア975で満点を取れず、こっそり該当箇所を消しておこうかとも思いましたが、これもリアルなので残しておきます。(後で、注釈でも入れておきます。。)

TOEICの件は結果的に恥ずかしいことになりましたが、私がどういうバックグラウンドで英語を学んできたかは、上記のnoteに記載がある通りです。今の年齢は40代半ばですが、30代の時にアメリカに駐在し、帰国後は外資系のコンサルティングファームに勤めているので、平均的な会社員よりは仕事で英語を使う機会が多い環境です。

アメリカに駐在する前の20代のころはTOEICを定期的に受験し、紙が残っていないので正確には覚えていませんが、駐在前に最後に受けた時が、スコア870だった記憶があります。駐在になる前なので15年近く前でしょうか。

ここ10年ぐらいではIPテストという、過去問を使った模擬テスト?団体受験?のようなものは受けて、そこでは990を取ったこともあります。言い訳をすると件のnoteはその時の記憶をもとに書いたものです。とはいえ、これも最近の話ではないです。

いずれにしろ、私が受けていた時のTOEICには"Valid Until(有効期限)"の記載があり、その記載された有効期限が2年だったので、今年に入ってTOEICを受験するまで正式にはスコアは持っていなかったことになります。(最近はValid Untilの表記はなくなっているようです)

なぜ、TOEICを受けようと思ったのか?

正直、TOEICのスコアを持っていても、いなくても、現在の私のキャリアにはあんまり関係がありません。7年近くアメリカで駐在員として過ごしていた経験があるので、テストの点がなくても英語はできるものだと思って接してくださいます。スコアを聞かれることもありませんし、今更、経歴書に記載をしたところで、それほど影響はないものと思います。

そんな必要性を感じていなかった状況から、なぜ、TOEICを受けてみようかと思ったかというと、理由は大きく二つあります。

一つは、新卒や中途採用の面接をする際、ほとんどの候補者の方が履歴書・経歴書に、TOEICスコアの記載をしてくれていますが、どれくらいのスコアを取っている人が、どれくらいの英語レベルなのかがわからなくなっていたことがあります。TOEICスコアと英語力の相関関係を、実際に自分で受験して確かめてみようというのが、まず一点目です。

自分が10年近く前に受験したときのイメージでいえば、海外経験者は900は取れて当たり前と思っていましたが、海外の大学を出ているかたでも800点台に留まっているかたが割といます。それでも英語で面接をさせて頂くと、普通に英語を使えています。

自分の会社に入ってくる社員の皆さんに、「まずTOEIC900は取るように」と言っていましたが、最近はスコア900を超えるのは意外とハードルが高いのかもしれないと疑い始めました。また、そう考えていると、人に取れと言っている割には、自分に有効なスコアがないというのも気になってきました。

二つ目は、自身の英語力を伸ばすための手始めとして、という点です。私自身、ノンネイティブとしては、それなりの英語力である自負はあるものの、帰国子女の方などと比べると、自分をバイリンガルというには多少の気恥ずかしさがあります。

仕事で海外の方と話すときに、英語が聞き取れないとか、ゆっくり話してもらうということは、基本的にあまりありません。言いたいことも大体いえていると思います。ただ、平場の会議等で、「あれ、これをどう言おうか・・」と考えている間に、半歩遅れることはあります。そこで半歩遅れると、場が流れたりすることがあります。(どうしても必要なことなら、とりあえず止めて言っちゃいますが)

あとは英語の映画やドラマを、字幕(この場合は英語字幕)なしで見たときに、実は半分ぐらいしか分かりません。これはTOEIC900超えとか、英検1級ホルダーには、”あるある”なんじゃないかと思います。これは話すスピードの問題というよりは、日常会話において、英語では音をつなげたり、消失させたりということが一定のルールにおいて頻発するためと理解しています。

そして、今年は重い腰をあげて、このビジネスレベルからFluentへの壁を突破しようと思い立ちました。日本の中で英語が話せるビジネスマンという立ち位置から、いずれ、グローバル企業でボードメンバーになるであろうという姿を意識し始めたからです。(ただ、このあと一歩(?)は、たぶん、TOEICとは関係なく、とてつもなく長い道のりです。)

まずは手始めに公式問題集を買って、解いてみた

ということで1月の半ばころに、まず公式問題集を購入して、解いてみました。

1/13に買っています・・

最初にリスニングでパニックになりました。Part1の写真に該当する説明を選ぶ問題は、昔はサービス問題だった記憶がありますが、ところどころわからない単語がまじります。そもそも、聞きなれたアメリカ英語だけではなく、UKっぽい発音、オーストラリアっぽい発音、と聞きにくい発音が続出します。

Part2では、直接質問に答えない、正解っぽい回答を選ばせる問題が出てきます。実際の問題を言うと購入していない方のネタバレになるので言いませんが、たとえば「今日のディナーは、どのレストランに行くの?」のような問いかけで「Where」から始まったから場所の名詞を待っていると、「今日はJohnと一緒です」みたいな回答が来たりします。これは、10年前は冒頭が聞き取れれば、こたえられる問題がほとんどだったような記憶があります。

とはいえ、Part1, Part2は難化はしているけど、気を張って聞ければ対応できるという印象でしたが、Part3, Part4は更に全体的な難易度が上がっている印象です。確か、芝の張替えか何かの会話で、情景が想像できずに、全体を通して何を言っているかわからないものがありました。

そこからReadingに移り、Part5/6で問題の難化を感じたのは、設問の前後だけ見てこたえられる問題が少なくなったことに対してです。結果的に設問の文全体を読まなければいけないので、時間がかかります。それでPart7にいくと、また分量が多い。。一つ一つがそんなに難しいとは思わなかったのですが、時間内に解ききれませんでした。ただ、いったん、やり切りました。

ということで、最初に公式問題集を解いてみたときの、Partごとの正解数はこんな感じでした。

  • Listening - 92/100

    • Part1 - 6/6

    • Part2 - 24/25

    • Part3 - 33/39

    • Part4 - 29/30

  • Reading - 95/100 (ただし、時間超過

    • Part5 - 29/30

    • Part6 - 14/16

    • Part7 - 52/54

公式問題集は2セットついているので、2回目は、上記の1セット目を解いた次の日に、Readingを時間内に終わらせられるような時間配分で解いていきました。それでL93/R87だったので、準備なしで受けに行くと、900とれるかどうか危うい状況だったことになります。

Kindle Unlimitedで利用可能なTOEIC本で勉強をはじめた

人によって向き不向きはあると思いますが、私の場合は、一冊の参考書・問題集を繰り返し何度も解くということは苦手です。それよりは、一回通して取り組んで、わからなかったこと、できなかった問題を、一度理解したら別の本に移りたいタイプです。

TOEICを受けてみようと思い立って、TOEIC講師の方のYoutube動画などを拝見したら、公式問題集を”しゃぶりつくす”ぐらい、それこそ1冊だけを2か月ぐらいやり続けるように仰っている方もいらっしゃいました。ディクテーションして、シャドーイングして、Readingだったら精読して、なんなら暗記までして。。それで実際に、ご自身も満点を取られているような方でしたので、それも一つの見識かなとは思いました。

ただ、私は1冊で100の知識に持っていくよりは、3~4冊で80ずつ積み上げて、結果として100になればいいのではないかと考えるタイプです。それは英語以外の勉強を通じての経験則になりますが、20の知識を80に持っていく労力より80を90にする方が大変で、さらに90を100にするのはもっと大変と感覚的に覚えているためです。

1冊を10回繰り返し読むよりは、1冊を通しで1回読んだら、別の類書で違う角度や説明で同じことを学んで、その後、もう一度、最初の本に戻ると理解があいまいだったところが、しっかり理解できるようになっていたりします。1冊で100に持っていくより、3冊で合わせて100まで知識を上げる方が、かける時間としては効率的だと考えています。(掛かるお金は別です。。)

でも、このアプローチをTOEIC準備にも使おうとすると、大量に書籍を購入しなくてはなりません。そこで活用したのが、すでにサービスを利用していたKindle unlimitedでした。

amazonにて、Kindle UnlimitedでTOEIC本を検索

別にKindle Unlimittedの宣伝をするわけではありませんが、TOEICについて一通りの領域を網羅した、質の高い書籍が利用可能です。(ただ、今見てみたら、以前はUnlimittedで利用可能だった書籍が、利用できなくなっていたりするので、そこは注意が必要かもしれません)

ご参考までに、私が利用した書籍をリストします。

こちらで挙げた書籍のうち、一番最初と、最後のETSが発行している公式の問題集、総合対策を除いて、Kindle Unlimittedで利用可能だったものです。2022/4/10現在、当該サービスで利用できない書籍も多いのですが、新しく利用可能になっているものもあります。どれも、追加でお金をだしても利用する価値がある本だと思いましたが、Kindle Unlimitedで別の類書を探すこともできるかもしれません。

基本的な学習アプローチの概観

最初に公式問題集を2セット解いてみて、どれの何が致命的に苦手ということはあまりなく、全体的に一回、基礎を底上げした方が良いと感じました。その後で、解法テクニックを見て、それから問題演習に移ろうというのが大まかな戦略でした。

その戦略を立てたら、こんどは、OneNoteでテスト受験日(3/20)までの、簡単な週単位のタスクリストを作りました。そして、やったらチェックをつけていきました。

週単位のタスクリスト

まず最初の数週間は、文法、単語、問題演習(模試)をセットにしていました。そこから、リスニング・リーディングの解法テクニックを入れて、文法の割合を下げて、最終的には問題演習中心に移行しました。

単語は前後の文脈で類推はできるので、それが原因で問題が解けないことはあまりないのですが、スピードと情報処理がTOEICのカギになります。そのため、やはり単語は覚える必要があります。TOEICは学術的にレベルの高い単語が出てくるわけではありませんが、TOEICでしか出会わない頻出単語も存在します。例えば、Wheelbaraw(手押し車)とか、mow(草を刈る)とか、plumber(配管工)とかですかね。

単語は夜寝る前に覚えて、朝確認するというサイクルで2か月間毎日やりました。「キクタン990」という単語帳を3週間で3周回して、その後は模試とか参考書で分からない単語が出れば、エクセルで作成した自作の単語帳に追加していったような形です。

単語に加えて、文法も基礎的な文法事項が網羅されていた「世界一わかりやすい・・」と銘打たれた参考書を、2週間でポイントを抜粋してExcelに転記しながら一通り読み、問題を間違えるほどではないけれど、理解があやふやだった文法事項をつぶしていきました。「問題を間違えるほどではない」というのは、選択肢をみれば「これがなんか不自然だな・・、消去法でこれだな・・」と正解にたどり着くのですが、根拠を自信をもって言えないものです。これを自信をもって解けるようになることも、Part5, 6のスピードアップのカギでした。

単語と文法を覚えるとPart5, 6だけではなく、全体的に問題を解くのがグンと楽になりました。

その後、究極のゼミシリーズで、解法テクニックを学び、あとはひたすら問題演習と復習をしました。

問題演習としては週末に模試を解いて、リスニングは平日にPart2を5題ぐらい、Part3,4を1題ずつぐらいのペースで、週末といた問題を1.1~1.2倍にしてディクテーション、シャドーイング、音読(できるだけ感情をこめて)をしました。

リーディングについては、問題を解くときはスピードを意識し、復習の時は文法や文構造、単語を意識しながら精読しました。

そして試験へ

3月の試験の直前に、公式の800+についていた模試を解きました。比較的簡単なセットに感じましたが、L98/R98でした。ここまできて、実力通りに受けられれば950は超えるという手ごたえを感じました。
実際の試験では、どこをどう間違えたか分かりませんが、Lが満点(495)で、Rが(480)なので、Lが0~4問ぐらい、Rが3~5問ぐらい間違えたイメージでしょうか。大体、ほかの模試(ひとつだけ難しいのは除いて)でもL,Rを足して190~195ぐらいだったので、おそらく、力通りに試験を受けられた形かと思います。

試験前の実力をLとRに分解して、まずRですが、Part7はケアレスミスで1問間違えるかどうかで、Part5,6で数問間違えるパターンが多かったです。Rで495をとるためには、1問間違えられるかどうかなので、満点取るのは、やっぱりちょっとしんどかったですね。スピードを上げたうえで、正確性も落とせないということですので。最後の方はReadingでも10~15分ぐらい時間が余るようになりましたが、どこをどう見直しすればいいか分かりませんでした。

Lについては、数問間違えても満点の495に届くということもあり、ある程度余裕を持って取り組めました。ただ、実際の試験では、試験会場が大学の大きな教室で、そこで想定外だったのは、スピーカーの音が割れて聞きとりずらかったことです。満点だったので良いですが、イヤホンで聞かずにスピーカー越しに聞く練習をしておいた方が良かったと思いました。ただ、1.1~1.2倍速で聞き取りをしていたので、ちょっと聞き取りづらかった時の情報処理能力は上がっていたのかもしれません。

あとは、公式問題集と実際の試験で、同じ方がナレーターをされているので、公式問題集2冊をやって、とくにイギリス英語の女性になれていたことが、音が聞き取りづらかったにも関わらず、結果的にリスニング満点をとれたことにつながったこともあるように思います。知識だけならKindle Unlimittedで学んだ書籍で対応できますが、やはり公式問題集も併用した方が良いです。

おそらく今は、リスニングはある程度の確率で495の満点が取れると思いますが、ここから、リーディングも同じように満点取れるようになるのは相当大変だと感じます。YoutubeやWebサイトでみても、TOEICの有名講師の方ですら、最近のTOEICで毎回990満点を取られていません。

私の場合、Part7にはある程度の自信があり、点を落としがちなのが、Part5, 6なので、そこで難問を集めた問題集をやりこめば行くのかもしれません。ただ、これ以上は、あまり英語力の本質とは関係のない世界なようにも感じます。そもそも、いまの実力でも10回ぐらい受ければ1回は満点になりそうな気がします。それを5回に1回、3回に1回、ほぼ毎回・・まで上げていくことに労力を費やすよりは、別のことをしようというイメージです。それで、また英語力があがったと思ったら、その時に、またTOEICをうけてみたら良いのかなと思っています。

TOEICは意味がないか?

少し前に、脳科学者の茂木先生がTOEICについて批判をしているのを見ました。茂木先生から見たときの価値観として仰っていることに否定はしませんが、私は約10年ぶりに受けてみて、TOEICが意味ないとは思いませんでした。

TOEICは読解などを通じて、英語の言語的な豊かさ、楽しさに触れるようなものではなく、英語を使った情報処理能力を測るものという理解です。単純な記憶だけではなく、情景を思い浮かべながらの類推(Implication)を求められる問題もありますし、Part3, 4および7については短期記憶が重要になります。

2時間の疲れるテストではありますが、スポーツをやるような楽しさはあります。満点をとっても何回も受け続ける方がいらっしゃるのも、そういった楽しさを感じてみてのことと理解しています。無理強いすることはないですけど、英語が仕事で必要な人には、すすめられるテストだと私は思います。

英語力とTOEICスコアの相関関係ですが、それは上記を踏まえて、どの角度から見るかによりますが、間違いなく一定の相関関係があると理解しました。私が10年以上前に受けていたころは、ある程度テクニックでなんとかなる部分もありましたが、今のTOEICはテクニックだけでは高得点は取れません。

例えば、以前はPart2なら出だしの5W1Hを集中して聞けば何とかなりましたし、Part7は設問と本文の該当箇所だけで回答を絞れました。それが、いまは全文を聞いて、読まないとわからない問題が増え、結果的に高い情報処理能力が問われるようになりました。非常によくできた、質の高いテストだなと感じました。

あと目指すべきスコアについてですが、990はやはり相当難しいと思いますし、多くの方にとって(わたしにとっても)目指すべきものかという疑問は残ります。TOEIC講師を目指されるのであれば、取った方が良いのかもしれませんが、やはり多くの方にとっては、まず800、それから900という形なのでないかと思います。

いま、どのレベルにいるかによって所要時間は変わりますが、ほとんどの方は着実に努力を続けることによって900は超えられるのではないかと、やはり受けたうえで思います。それは単に履歴書に箔がつくというだけではなく、仕事に役立つ英語力ともつながると思います。

次は、、

個人的には、次はS&Wテストも受けてみようと思います。そちらの所感も、また機会があれば書きます。

また、実際に参考書、問題集等をつかってどういう学習をしたかについては、また別のnoteを書くことにします。

何か英語学習で聞きたいことがある方は、コメントいただければ、お答えできる範囲でさせていただきます。またTwitterはあまりアクティブに利用していませんが、Linkedinは割とみているので、そちらにメッセージをいただいてもかまいません。

https://www.linkedin.com/in/hisaya-amano-08496040/

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