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#68時に真面目に、時にユーモラスに 狂犬ツアー報告記⑥

おはようございます。
袈裟や仏具の企画販売することを通じて豊かなものを拡げていきたい
久柳-くりゅう- の 昌子久晃(しょうじひさてる)です。

少し間が空いてしまいましたが、木下斉さんによる狂犬ツアー報告記の続編。6記事目となります。


飯尾醸造さんプレゼンツ/手巻き寿司パーティー(通称:テマパ)

このプログラムは、本ツアーの最終プログラムでした。
飯尾醸造さんは1日目にも蔵の見学ツアー&飯尾5代目当主による丁寧な説明があり、こだわり抜いたその姿勢に、それはそれは感動したものでした。

その報告記、詳しくは、こちら。

最高峰の酢で作った酢飯で、飯尾醸造当主さんチョイスによる、材料を食材をもとに、手巻き寿司パーティー(以下:テマパ)でおもてなしをされるという、なんとも贅沢な企画です。

なぜテマパか?

1日目の蔵見学ツアーにて、「テマパ完全マニュアル」という、テマパを司るにあたっての、心意気から細かいおもてなしの極意について、詳細に、ところどころユーモラスに富んだマニュアルを渡されていました。
「テマパまでに必ず読んでおいてください」
と当主から念を押されたものです。

これをマスターすると「手巻キング」「手巻クイーン」になれます笑

テマパに関して取材も受けておられました。

記事の中でこのように述べておられました。

「手巻き寿司を通じて日本人のおもてなし力を向上させたいと思ったからです。手巻き寿司は、ホストとゲストが一緒にテーブルを囲むことができる料理。酢飯と具材を用意しておけば、キッチンを行ったり来たりせず、ゲストをもてなすことに集中できます」

「現代は人間関係が随分と希薄になりました。人を家庭に招いておもてなしする習慣も減りましたよね。伝統に携わる仕事をしている人間としてそれを寂しく思い、日本人のおもてなし力を向上させたいと思ったんです」

三越伊勢丹グループが運営する食のメディアFoodieより

緊張と緩和 当主の緩急自在のコミュニケーション力

会場は、飯尾醸造さんが別事業で営まれる、イタリアンレストラン「aceto アチェート」にて行われました。

迎えてくれた当主は、1日目に蔵の案内をしていただいた、当主とはイメージがことなるものでした。

作務衣姿で、蔵の案内と、こだわりの説明をしていただいた姿とは打って変わって、カジュアルな装い。
キャップを被り、サングラスをかけられ、ラップで韻を踏んでもおかしくない雰囲気。

カジュアルな装いで酢飯を仕込むパフォーマンスをする当主

いや、まさしく、「テマパ」を通じて、人々に酢と寿司と通じたおもてなしsoul(魂)を伝えるという意味では、概念はヒップホップと同じと言える。

並んだ食材と、当主のホスピタリティと会場の雰囲気、
そして、当主による酢飯づくりのパフォーマンスもあり、ツアー参加者一同、すぐに雰囲気は和み、パーティーは進んでいきました。

テマパ参加者が首から、かけているのは「my海苔」これも、最高級の海苔。海苔のある場所にわざわざ行かなくていいし非常に便利。大判サイズの海苔を4分の1サイズに割る方法もちゃんとマニュアルがあって、テマパにユーモラスなエッセンスを添えている。

参加者全員が「my海苔」を首からかける

こだわり抜いた、酢と食材と提供の仕方を守りながら、
「テマパ」というイベントと融合し、
食のクオリティの高さを感じてもらいながら、参加者に大いに楽しんでもらう
という絶妙なホスピタリティは素晴らしいものでした。

美味しい料理を提供するだけではない「手巻きキング」「手巻クイーン」

今回のツアーの一つのテーマが「食」でありました。
これは、「美味しい食」を提供することは、もちろんのこと、
「食を楽しむ空間をどう演出するか」ということについて学びを深めことも大いなるテーマになっていました。

飯尾醸造さんは、それを見事に、イベントの締めに体現させていただきました。
あっという間に時間は流れ、気づけば、参加者の人がいたるところで会話の花を咲かせていました。

蔵見学でスタートして、テマパで締める。
飯尾醸造さんに始まり、飯尾醸造さんで終わる、狂犬ツアーでした。

「固い印象」で損していることはないか

私はお寺の世界で主に仕事をさせてもらっていますが、
お寺に関わりの少ない人ほど、
堅いイメージ、あまり冗談を言っては失礼ではないか、少し近寄りがたい印象などなど、他を寄せ付けない雰囲気を醸すこと(そう感じさせてしまうこと)があります。

そのイメージがお寺の風格や雰囲気、神聖さを守っている部分はもちろんあります。
もちろん、なんでもかんでも、カジュアルに崩せばいいというものでもありません。

崩すとこは崩し、締めるところは締める。
オール崩し、オールがちがち締め、どちらか、ではなく。

本文でも書いた「緩急」ある、メリハリをつけた、雰囲気作りや場所づくり、和尚さんのパーソナリティも含めて、時に演じていくことも大切なのではないか、と思いました。

そのようなことを考えさせれれる。
最高の「テマパ」でした。

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