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読書案内プロジェクト

 いろいろな読み物の中から案内するものを選んで、その魅力・内容・特色・注目点などを紹介するプロジェクトである。
 小学校から高校まで、どの学年でも実践可能である。学年段階に応じて、紹介する読み物の程度や範囲が変化し、表現のレベルが学年に応じて変化するだけである。
 紹介の形態としては、ブックトークや読書交流会、あるいは、チラシ・ポスター・カード・動画・作家との架空インタビュー記事などがあり、それを作って展示したり、手渡したり、スクリーンに映して見せながら発表したり、等々、いろいろな形を工夫するとよい。案内する目的や相手に応じて、案内のスタイルを工夫することも学びになる。
 「詩が好きな君へ」「笑いの泉」「宇宙の不思議がわかる本」「生命の歴史を知りたいあなたへ」などのキャッチフレーズを添えてもよい。そうすると、案内する読み物の特色を端的に表現する力も育つ。
 選ぶ読み物は、読書感想文コンクールの課題図書に限らないで、広く、漫画や絵本や図鑑や事典、あるいは、ゲームの攻略本、趣味の本など、多様な範囲から自由に選んでよいとすれば、子どものやる気がさらに高まる。やる気が高まるだけでなく、子どもの意外な読書傾向が見えてきたり、教師がそれまで知らなかった読み物の存在に気付いたりするという副産物も得られる。
 このプロジェクトは、原作を要約して紹介するという点では、「かえる翻作プロジェクト」の一種と見ることができる。
 この活動を通して伸びる言葉の力としては、選書能力・読解能力・要約表現力・作品の魅力を人々に書いて伝える力などが考えられる。
 
 拙著『国語を楽しく』第3章「言葉が育つプロジェクト単元」参照。
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