環境の変化はリスキリングのチャンス
"リスキリング"という言葉を新聞をはじめとした各種メディアで目にしない日はありませんね。
昨年9月に出版された私の著書も、直接的ではないにせよリスキリングを意識した内容になっているかもしれません。編集者さんのご意見ですが。
変わることが前提の昨今の世の中で、これまで培ってきたある特定領域のスキルの多くは陳腐化してしまし、それらに対する需要は数年程度で低くなってしまうようです。
私は、2024年初頭に当時所属していた会社の組織改編によりレイオフされてしまい、自分の意思とは無関係に環境を変えなければならなくなりました。
3月から新しい会社に入社して3ヶ月間は試用期間となり、会社が規定したトレーニングプログラムを受講して認定試験を突破することが、新たなミッションとなりました。リスキリングのチャンスと捉えて奮闘中です。
ところでリスキリングとは一体何のことなのでしょうか?
日本語に訳すと"新たなスキルを習得すること"かと思いますが、わかったようなわからないような感じですね。
仮にリスキリングを、"それまで自分が知らなかった新たな気づきを得ること"としてみます。
有名なこちらの書籍では、人は既に持っている事柄と新たに入ってくる事柄がつながったときに新たな気づきを得るようです。私はこれに賛成です。
私は現在、サイバーセキュリティに携わっていますが、過去20年以上に渡り携わっていたわけではなく、本格的に勉強するようになったのはつい数年前程度です。
勉強を開始したばかりのころは、新たに入ってくる言葉のジャンルや粒度、情報量の多さに戸惑っていて、新たな事柄を自分で咀嚼して腹落ちできずに苦労していました。
原因は、事柄の具体ばかりに注視していて、事柄の本質的な抽象に注視していなかったことにあるかと感じています。
事柄の具体を見聞きした際に何らかの違和感を感じた際は、事柄を1段引き上げて、事柄の本質的な抽象に迫ってみます。本質的な抽象を発見した際に、その抽象が既に自分の中にある事柄の抽象と同義であることに気づきます。これが本当の理解と言えます。
リスキリングとは、具体と抽象を行き来して、自分の中に既にある事柄の本質(=地図)と、新たに入ってくる事柄の本質(=地図)を照らし合わせて、同じ場所を探す(=気付き)と言えるかもしれません。この本にも同等のことが随所に述べられています。
自分の中に既にある事柄の本質も、意識していなければすぐに陳腐化してしまい、地図自体が意味を成さなくなってしまいます。常に意識して地図を改変・追加する必要がありますね。
サイバーセキュリティの世界には無数のフレームワークが存在しますが、無数に存在する理由は、常日頃から色々な人が、自分の中に既にあるフレームワークはすぐに陳腐化することを理解していて、新たな常識を編み出すことに切磋琢磨しているからかもしれません。
自分の中に既にある事柄も明日はオワコンになるかもしれません。常に自分自身の知識と考え方に少しの疑いを持つことが大切ですね。
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