コロナウイルスが与えるスポーツビジネスへの影響【野球編】

世界中で猛威を奮うコロナウイルス。スポーツへの影響も例外ではなく、身近なところでは東京オリンピックの開催延期やその他様々なスポーツイベントの延期や中止が発表されています。

僕の大好きな野球も例外ではなく、日本のプロ野球(NPB)も度重なる開幕延期を発表、海の向こうにあるベースボールの本場アメリカでもメジャーリーグ(MLB)の開幕は一向に見えません。

そんな中で少し明るい話題と言えば台湾のプロ野球の開幕

台湾プロ野球開幕!コロナに負けず世界一早い球春到来 2度延期も無観客ながら実現(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

さて、今回は野球をテーマにして、このコロナウイルスがどの程度ビジネスへの影響を与えるのかを見てみたいと思います。野球のビジネスにおける主な収入源は下記の4つと言われています。

①入場料・・・チケット、スタジアム内の物販など

②放映権・・・テレビ放送による収入

③スポンサー・・・スタジアム内の看板など

④その他・・・オンラインでの物販など上記以外に属するもの

試合が開催されない(≒試合数が減る)ことで①-③については壊滅的なダメージを受けるのではと思われます。NPB、MLBそれぞれでどれぐらいのダメージが予想されるのか見てみたいと思います。

MLBの場合

MLBの2019年の収支内訳は下記のような状況です。

画像1

出典:Despite Lockdown, MLB Teams Gain Value In 2020

MLBでは現在、試合数の大幅な減少や無観客試合での開催がほぼ既定路線となっており、最大の割合を占める「①入場料」に大きな影響があることは言うまでもないでしょう。(ただし、一部ではチケットの返金がまだ行われておらず、問題になっているとの話も出ています。)

その次に大きな収入源でもある「②放映権(全国)」と「②放映権(地域)」についても大きな影響があるかと思いきや、MLB機構が「②放映権(全国)」については試合が実施されれば全額払うとの声明を発表しており、そこまで大きな影響はないのかもしれません。「③放映権(地域)」については各球団ごとが結ぶ契約なので詳細はわかりません。(放映権が全国と地域に分かれているのはまた別の機会で。)

「③スポンサー」と「④その他」についてはどうなるか現状ではわからず。ただし、試合が実施されるのであれば「③スポンサー」が全て飛ぶということは考えづらいのではないかと思います。

これらを踏まえると「②放映権(全国)」「②放映権(地域)」「③スポンサー」がもし支払われるのであれば2019年に比べて2020年は約40%減の60%ほどの売上になるのではと推測できます。

出典の記事にも書かれていましたが、ヤンキース(NYY)やドジャース(LAD)のようにお金のある球団は良いかもしれませんが、マーリンズや(MIA)やロイヤルズ(KC)のようなお金のない球団にとっては厳しい1年になる可能性が高いと言わざるを得ません。

NPBの場合

NPBもMLB同様にグラフを作成と思ったが、NPBはMLBの様にMLBが全球団を統括する形になっておらず、それぞれ独立採算となっており、この辺りの詳細な数値が公表されていません。(NPBとMLBのこの違いについても極めて重要なのでどこかで書きたい。)

そのためどれぐらいの損失があるかというのは算出しづらいが、「①入場料」で言えばおおよそ2,500円あたりが平均単価と言われる場合が多く、2019年の観客動員数で見てみるとNPB全体平均は2,211,414人/年。これに2,500円を掛け、さらにチケットは無料配布などもあるので有料が90%と仮定すると、

2,211,414人(年間平均)×2,500円(単価)×90%(有料率)=49.8億円

という計算になります。ちなみにDeNAが収支を公開しているのでこの式に当てはめると51.3億円ほどが「①入場料」で全体の売上が165億円となっており、割合で言うと31%なのでMLBとも似ており、そこまで大きくズレてはないと思えます。(MLBほど「②放映権」が強くないはずなのでもう少し割合が高くても良いかもしれないが...)

もちろんこれはもし仮に全試合が開催されないor無観客試合になった場合の最悪のケースなのでそうならないことを祈るばかりではあるが、今回のコロナウイルスが与えるスポーツビジネスに与える影響がとてつもなく大きいことが少しは分かるのではないかと思います。

無事にコロナウイルスが収束し、また昔のように人々が集まってスポーツを観戦し、みんなで感動を共有できる日が来ることを願うばかりではありますが、仮に収束した後でも今後このようなリスクが常に伴い、スポーツビジネスの資産価値に大きな影響を与えるかもしれません。1つの場所に集まってスポーツを見て感動を共有するというオフラインがメインのスポーツビジネスもこれを機にビジネスモデルの転換点に来ているのかもしれないとぼんやりと考えています。

ちなみに次回はサッカーへの影響について書きたいと思います。

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