マガジンのカバー画像

大学教員・研究者になるには

109
卒業研究・修論研究を経て研究者になろうと考えている方々向けの記事を集めていきます。大学教員・企業研究者など。
運営しているクリエイター

#私の仕事

日本語で論文を書くというジレンマ

 今回は私のお話をしたいと思います。私は現在、研究を日本語で発表するか、英語で発表するかのジレンマに悩まされています。理系研究者だったときには悩まなかった問題に、教育研究者になってから直面しました。日本の学校教育に関する研究を、日本語で発表したほうが日本人に伝わりやすいのに、英語で発表したほうが研究が受け継がれていきやすいという矛盾があるのです。 研究とは情報の共有 私の研究とは、私だけのものではなく、同時代、そして未来の多くの人々に知的な貢献をするために行われています。こ

「思考力は大事」と言うだけの教育者に伝えたいこと

まあ、ひとりごとだと思って聞いて(読んで)ください。 私がそう言えば誰もが頷くわけですが、しかし世の中には実際にトレーニングするコンテンツはほとんどなく、「誰かの思考の結果」だけが表現されたセミナーや書籍で溢れている。だから私は徹底的にトレーニングができるコンテンツを作り続けたいのであります。 しかしそれって(実は)とてもめんどくさい作業でして。 例えば因数分解を説明することはとても簡単なんだけど、それを身につけるための問題を考えることはまあまあパワーが要る。だからみんな

大学教員になるための就活

時々、「大学の先生ってどうやってなるの?」といった質問を受けることがあります。実は、大学教員になるルートは多様なので、一概には言うことができません。ただ、私自身の経験談は書くことができるので、一例として紹介してみようかと思います。 前提として、私が就職活動を始めたのは、博士課程2年の終わり頃から3年生にかけてになります。今は博士課程の方のキャリアも多様化していますが、私はアカデミックのポストに絞って就職活動をおこないました。 基本的には、「求人情報を調べる→書類を書いて応

#71 大学の先生って何しているの?

大学の進学率は5割を超えており、半数以上の人が大学生活を送ってきているはずです。そういった中で大学の先生が何をしているのかって、実はよく理解されていません。 コロナ禍で大変な部分はありますが、それを除いても一般的にはブラック企業です。月の残業時間が200時間以上なんて当たり前で、真夜中の3時とか4時にメールを送ってい来る人も多いです。 それでも、教育や研究の好きな人たちのボランティア精神でなりたっているのです。色々な仕事の内容をまとめてみます。いつか大学の先生になりたいと

研究者にとっての「研究」とは

ゆーです。 皆さんのお仕事で生まれるモノはなんでしょうか? あるいは、扱ってるモノは? 当然ではありますが、研究者が向き合うのは “研究”。 人によっては、長い期間向き合うことになりますし、テーマの大きさによっては人生の大半を注ぐ人も。 それぐらい共に過ごす存在です。 コツコツとデータを積み重ね、ひたすら現象について考察し、そこでまた説明できないことが出てくると検証。 そして、いよいよ形が整ってくると論文にし、学会で発表したりもして、時にはプレスリリースの形で発表された

若手企業研究者のとある働き方 第3回

ゆーです。 3連休です!嬉しい! さぁのんびり書いていきましょう。 今日のテーマは「研究者の在宅勤務」。 コロナにより、在宅勤務を導入した企業もあるんじゃないでしょうか?(←今さら) ただ、ここで一つ疑問が。 研究者って在宅勤務できるの?研究というと、やっぱり実験がつきものです。 もちろん、最近流行りのデータサイエンスや、他にも計算化学といった分野などであれば、PC一つあればできちゃったりします。 そうなれば家で仕事をすることは可能。 (ただし、PCの性能にもよるかも

仕事雑感#1 大学講師_今年の講義は終わり~

 ポンヌフです。様々な組織でサイエンスに関わる仕事をしています。大学生など学生さんに授業をすることは、私の数多ある仕事の中の1つです。専門的科目や、キャリアプランニングに関しての授業を担当しています。  いろいろな仕事をしていると、その職業ごとの魅力というのに気づかされます。教育というのは、なかなか難しいモノなのですが、生徒さんが目をキラキラさせながら一生懸命勉強している姿を見るのは、なかなか良いモノです。一生懸命、授業を聞いている姿っていうのは、年齢や性別に関係なく、凄く

仕事雑感#2 研究費の申請と審査

 様々なサイエンスワークをしていますポンヌフです。今回は、私の研究所でしている研究費の申請と審査の仕事について雑感です。  研究所を開業以来、さまざまな先生の研究費の申請支援や、審査の仕事を進めて来ました。ありがたいもので、知り合いの先生や、学会で議論した先生から、依頼を頂いています。  一応、企業にも務めているので、さける時間には限りがありますので、僭越ながら基準を作っています。 ①自分の能力を高める経験ができる②研究自体が余暇より面白い③個人として社会に専門家として