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大学教員・研究者になるには

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卒業研究・修論研究を経て研究者になろうと考えている方々向けの記事を集めていきます。大学教員・企業研究者など。
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#学生

私が大学教員になった理由

2020年。40歳の私は、産業技術総合研究所の主任研究員だった。40歳は人生の岐路である。その頃の私は、暗い闇の中をさまよっていた。いわゆる、ミッドライフ・クライシスである。 私はこれまで研究者として、早稲田大学・ポスドク、東京大学・ポスドク、産業技術総合研究所・研究員→主任研究員と、数々の研究室を渡り歩いてきた。しかし、40歳の私は、漠然と物足りないものを感じていた。 プレイヤーとして活躍することを目標としていた自分であったが、2016年に自分の考えを大きく覆す学生に出

大学教員になってよかったこと。

 雪の降る季節になりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。私は雪を見て犬のように駆け回っています。  さて、今年一年私の拙い書き物にお付き合いいただきありがとうございました。はじめは大学教員になりたい人のために書き始めたnoteですが、いつまにか教員の日常生活を書き綴る記事ばかりなってしまいました。ただ、今まで自分のことを一切発信せずに生きてきた人間にとってみれば、何気ない日常をさらすだけでも結構勇気のいることです。さらには、何事も継続しない私にとってはこれだけ続いた

[研究室運営] 質問のハードルを下げるには?

どの先生に伺っても、重要だという認識だけれど、なかなか学生さんたちはやってくれないもので、どうしたものかと思案している方が多い「学生さんがなかなか質問してくれない問題」。学生さんからすると質問しにくい理由にも色々とあるので(先輩に対してこんなこと聞くのははばかれるとか、知らないのは自分だけでは?とか、理解できていないと呆れられるのでは?とか、恥ずかしいなどなど)、なかなか難しいものだなとも思います。 ちなみに、何もしなくても学生さんは質問するよとおっしゃる先生もいらっしゃる

研究者って①

多面性を持っている。いや、世界中ほとんど全ての人が多面性を持って生活している。ただ、研究を遂行していくうえで必要となる多面性は、多重人格とかそういうものではなく、ひとつの物事を捉える視点や考え方が複数ある多角的であるという意味なのです。 大学院への進学を目指したり、研究者を目指したりする学生のラボ選びの参考になるように、研究者と研究に対して最近思っていることを暇な時に小出しにして書いてみます。すでに多くの研究者の方々が色々な媒体で発信済みなので、多くの意見の一つという程度に

研究者って②

自由気ままで良い仕事でしょ?って聞かれることが多々あります。もちろん、複数の職業を経験したことがある人は自分も含めてそう多くはないでしょうから、他人の職業内容を詳細に知ることはなく、イメージで接するしかないのはよくわかります。そして実際にこの問いに関する答えとしては、YesでもありNoでもあります。研究者が持っている自由の実情に関して、「研究」に限定して2つほど簡単に紹介してみます。 1)締め切りがないこれが自由を表現する上でもっともわかりやすいポイントでしょう。一つひとつ

学生指導に関するメモ

というより反面教師にするための悪口。ああはなるまいというやつ。とにかく世代の認識差をありありと感じてる。 デジタルデバイスについて講義中にスマホを触ることの何が悪なのか分からん。「授業中は教師に注目を向け、指示されていること以外はしてはならない」みたいな価値観の講師が多すぎてやばい。隣の学生に講義の質問しているだけでも怒られるんだぜ。可哀想だなと思った。 限りなく100%に近い学生がスマホを持ってる。スマホ使って自分で気になったことを調べられるなら調べればいいじゃん。当然