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大学教員・研究者になるには

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卒業研究・修論研究を経て研究者になろうと考えている方々向けの記事を集めていきます。大学教員・企業研究者など。
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#博士

学部・修士・博士における「研究」の違いから見た博士に進学する理由と注意点

あくまで個人の見解ですけど、落ちこぼれ博士だった私の中ではこんな感じ。 前置きまず、ざっくりだけど、情報系の研究は以下のような作業から成り立っている。実験系だと、装置の使い方なども入ってくると思うが、情報系で必要となるプログラミングは学部1〜2年で学んでいるのでスキップ。 知識獲得:文献調査を通じて、過去にどんな研究がなされていたのかを網羅的に調べる。特に最新の動向を把握していないと、最後に学術的価値のない研究だね、と言われてしまう確率が高くなる。 課題発見:1で広く文

研究者の登竜門、学振に関する知見を共有 採用編

今思えばよく通ったなぁ。借金地獄に落ちるところだった。 まぁ側から見れば、借金地獄の方が面白かったのかもしれないけど。 はじめにこんにちわ。ぴくむんです。 私は、 小さい頃から実生活で役に立たない学問ばかり教えられる。 「現代社会でダイレクトに役に立つ学問がない」 研究は、勉強の醍醐味であるのに大多数の人がやっていない。 「大多数の人は研究をする機会がない」 ことに対して疑問を覚えていました。そこで、 国なんてあてにせずに 自分の力で「実生活に直接役に立つ学問の確立」

コラム#6. 博士号の取りやすさ(課程博士・ラボ選び)

 課程博士を無事に所定年数(修士課程を除いて通常3年)で終えられるかは、本人の能力もさることながら、学術論文必要数とラボのアクティビティーに大きく依存すると言えます。  規定年数を1年くらいなら超過してしまっても良いという方は、ざっと見積もっても400万円から1億円の損失を許容するという意味であることを理解してください。 ### 1年の損失の内訳・働くのが1年遅くなる(入るはずだった1年の年収が入らず、退職金が減る。)・希望職種に就職できる可能性が50%程度減少、生涯年収

論文博士のススメ#2_生涯収入と研究者としての持続性について

 論文博士のススメ#1. Introductionでは、博士には課程博士と論文博士の2種類あり、その難易度や取得必要年数、その他の重要なポイントにて比較を行いました。#2では、課程博士と論文博士の生涯収入についてシミュレーションし(グラフに図化しています)、研究の持続性について触れます。シミュレートした条件は以下の4条件です。今後、アカデミアへ就職したケースも比較していきたいと思いますが、今回は企業に就職したケースを比較します。 累積収入(~30歳まで) 恐らく生涯年収は

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ポジショニングマップを用いたセルフブランディング#3_後編_3次元目の軸で更なる差別化を

 バイオ系の研究者 兼 研究所主催者 兼 職業デザイナーをしているポンヌフと申します。ポジショニングマップを用いたセルフブランディングの記事では、前編として商品開発のノウハウについて、中編として能力開発・人材開発への応用についてのノウハウを説明しました。後編では、2つの軸を使ってポジショニングした上で、3軸目を使って更なる差別化を図っていきます。  復習ですが、ポジショニングマップは、商品やサービスの開発において使われる手法の1つです。よく用いられるのは、独立した2つの要素

研究者を目指す君へ ~博士課程に進んでいい条件~

こんにちは、ぴくむんです。 いつもは人生において役に立つ情報を発信していますが、 この記事はターゲットを絞って研究者を目指す人に絞って発信します。 私は研究者を目指して、物理科学系の大学院に進学し、博士課程まで進みましたが、D3で力尽き、単位取得退学という形でアカデミックの世界を去りました。 今ではだいぶ博士課程の情報は出回っていますが、 失敗した人の情報というのは負い目を感じて発信されないことが多いと思いますが、勇気を出して、アカデミックの世界で討死した側からの目線を