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卒論・修論研究の攻略

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卒論・修論研究に挑もうとする学生さんにおすすめの記事をまとめていきます。諸先輩方がどう挑み、いかに悩み、どうやって乗り越え、何を学んだのかを知ることで、経験値を積んだような状態で… もっと読む
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分かりやすい説明のための27の工夫

分かりやすく説明したいのに、結局どうしたら分かりやすくなるのか分からない…という悩みは尽きません。分かりやすくする唯一絶対の万能な方法はありませんが、なるべく多くの工夫の手段を知っておくことはとても役立ちます。 この記事では、文章執筆、プレゼン、日常会話など様々な説明の場面で重宝する27の工夫を、①相手に寄り添う、②手がかりを増やす、③記憶に刷り込む、④邪魔を無くす、⑤捉えやすくする、⑥時間を意識する、⑦視点を切り替える、⑧関係を紹介する、⑨注意を引く、の9種類に分類して紹

[見本付き]実践的な論文の書き方 -設計からしっかり3工程で-

論文を書き上げるのは大変な作業です。大切なことは、細かく書き始める前に「構造の設計」と「骨格の組み立て」を済ませておくことです。この記事では、論文の骨格である【アウトライン】を設計して組み上げて、ある程度の文量のある論文を作り上げるまでの工程について解説します。 ※この記事は著者のブログ「駆け出し研究者のための研究技術入門」の過去記事のリライト版です 論文を書く3段階の工程論文を実際に書いていく手順は、建築物を建てていく手順をイメージするとよく理解できます。建物が組み上げら

論文イントロの書き方 -封じるべき「そもそも論」6選-

論文のイントロダクション(序論・緒言・はじめに)を書くのはなかなかやっかいです。研究の科学的プロセスの中で実証していない「そもそも論」の論理を説得力をもって単純かつ明快に述べなければならないからです。この記事では、イントロの役割についておさらいした上で、イントロを書く上で記載すべき6つのポイントと、それを指針としてイントロを書く方法を紹介します。 ※この記事は、著者のブログ「駆け出し研究者のための研究技術入門」の記事のリライト版です。 イントロの役割は先手を打って「そもそ

論文アブストラクトの書き方 -4つのステップを実例付きで-

多くの人に論文を読んでもらおうとするとき、タイトルの次に重要な部分がアブストラクト(Abstract/概要)です。大抵の読者は、その論文が自分に関係しそうかのあたりをつけるためにまずタイトルを読み、その次に『さらに時間と労力をかけて実際に読みこんでいく価値があるか否か』を判断するためにアブストラクトを読むからです。この記事では、そんな大切なアブストラクトの書き方を、例を挙げて解説します。 アブストラクトを書く手順の概要この記事で紹介する手順は以下の4ステップです。 この記

研究・執筆・発表の基礎をしっかり学ぶ【石原尚のnote記事一覧】

大学・大学院で学んでおきたい研究・執筆・発表の方法を「基礎からしっかり」学んでいただくための解説記事の一覧です。ご卒業後の学び直しに。在学中の自学自習に。大学研究室での教育の教材に。中学・高校での探求学習の参考に。ご自由にお使いください。すべて無料で最後までお読みいただけます。 記事を気に入っていただけましたら、より網羅的かつ体系的に研究・執筆・発表の実践的な技術と学び方を解説している拙著『卒論・修論研究の攻略本』も是非ご覧ください。卒業研究や修士研究を楽して早く終わらせる

論文のパラグラフは「説明のユニット」から自動生成しよう

パラグラフライティングは、「視覚的に明確なブロック = パラグラフ」の中に情報を丁寧に整理して置いていくことで、論理的に込み入った説明を読みやすく、また書きやすいものにするためのライティング技術です。この技術習得において大切なことは、「どんな情報を、どのような判断基準で、どこに、どのように置けばよいか」をしっかりと理解しておくことです。この記事では、このことの理解と、実際の説明の組み立てのために役立つ「説明のユニット」を紹介し、それを文章のパラグラフへと変換する方法を解説しま

パラグラフライティングの作法 -書き手にもメリットのある文配置ルール-

パラグラフライティングは、難解な内容を分かりやすく説明するために必須の記述法であり、読み手だけでなく、書き手にもメリットがあります。ポイントは「各段落の先頭行だけを抜き出せば正しい要約ができあがるようにする」ことです。この記事ではまず、パラグラフライティングの概要とメリットを説明します。そして、守るべき5つのルールと、そのルールが守れているかを確認する方法を紹介します。 ※この記事は、著者のブログ「駆け出し研究者のための研究技術入門」からの転載です(一部修正あり)。 論文は

気付いたら論文完成に近づいている執筆方法

先日、インターン先で社員さんやインターン仲間と話した際に、「大学院で論文を書きたくてもそのノウハウを教わる機会は少なく、最初は途方に暮れてなんとかやり遂げつつ、次第に慣れていくしかない」という話になった。海外では授業としてあるようだが、確かに私の大学では学部や修士過程において「論文執筆」に関する単位はなかった。そして様々話を聞くところそのような機会があるところはやはり少ないようだ。 論文は解析が終わってから書き始めるものではない これが本記事で主張したい1番のメッセージであ

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論文の構造

こんにちは、URAKOMEです。 近年、科学論文の多くは英語で書かれます。もちろんそれぞれの国の学会で出している雑誌などはその国の言語で書かれることがあります。 科学雑誌は学会や研究機関で発行していたり、出版社で発行していたりと様々です。 科学雑誌には査読という専門家による内容の精査が行われるものとないものがあります。 これらの雑誌に投稿するとき、論文の構造にはルールがあり、決まった形で書かれる必要があります。 書くのはもちろん、論文を読むにもまず、どこに何が書いて

「未来のアンドロイド研究論文」をパラグラフライティングで書いてみた

論文執筆の基本技法であるパラグラフライティングは文章表現の「形式」なので、どんな題材に対しても使えます。SFだって書けます。 というわけで、『未来のアンドロイドロボットの研究者が、次世代型のアンドロイドの開発をテーマとして論文を書いた』という想定で、パラグラフライティングでSF世界の論文の冒頭を書いてみました。どんなものになるのか、そして、それをどのように書いていったのかを紹介します。 SF世界の研究論文今回書いてみた文章はこちらです。5つのパラグラフで構成される論文の緒

パラグラフライティングを「絵の描き方」に例えて解説

論文の書き方に正解はありませんが、多くの先人たちが「こうやれば楽に良いものが書けるよ」という方法を編み出してきました。それは、絵を描いていく方法と似ています。つまり、全体の下絵をしっかり描いてから、細かい部分を描きこんだり、陰影を付けたり、あるいは色を塗ったりしていくという方法です。 この下絵は、論文では「アウトライン」と呼ばれます。詳細や陰影の書き込みや着色は、「パラグラフライティング」と呼ばれます。そこで、絵を描く手順を参考にして論文を書いていく方法について、大阪大学大

果てしない文章推敲を「3ステップ」で効率的に終わらせる方法

文章は、「これで伝わるだろう」という淡い期待を簡単に裏切ります。伝えたいことを期待通りに伝えられるようになりたいのなら、「表現の質」を高めるための推敲の技術の習得が不可欠です。 この記事では、大切ながら手間のかかる推敲を「効率的に」実施する方法を紹介します。ほとんどはじめて論文を書くことになった学生さんが、論文原稿(卒論・修論)の価値を飛躍的に向上させるうえで役にたちます。また、論文に限らず、「正しく、詳しく、丁寧に伝えたい」という気持ちで文章を書こうとする場合には、さまざ

やっぱり文章書くのって楽しい

ここ数日短い文章を作成する仕事を手伝っていました。 サンプルなどを見てみると、エッセイ風のものや、専門知識に基づいた小話などが主な内容だったのでそれに倣うことに。 テーマを決めて実際に自分でも書いてみるとこれが面白い。 自分の中にこれまで蓄積されてきた天文学や、生物、生態学、歴史などの知識があふれてきて、雑誌に出てくるコラムのようなちょっとした文章に仕上がっているのです。 論理構成をしっかりとやる必要がある文章だったので、卒論で死ぬ程指導された内容をかなり生かすことができ

執筆日記をつけてみたお話

 毎年長期休みに入る前に、父がきまって僕に言っていたことがありました。  「円グラフを作りなさい」  円グラフで生活リズムを作って、有意義な長期休暇にしろと、長期休暇に入る頃になるといつも言うのでした。   まあ僕は、夏期課題のまいにち日記を最終日に書く(捏造多数)ほどの面倒くさがりでしたし、ダラダラと休暇を満喫したかったので、父の言いつけを無視していました。お父さん涙目。  自分でスケジュールを立て、それに従って生活するということの重要性を説きたかったんだろうな、き