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鏡のなかの言葉(定期購読)

映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等のワークショップ、そして編集長がお勧めする…
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#自分史

松井久子のNoteマガジン「鏡のなかの言葉」

ごあいさつ桜が散り、紫陽花が咲くのを待つ間、樹々の葉はウイルスの脅威などなんのその季節のめぐり通りに耀いています。 そんな5月21日。特別な誕生日を迎えました。 あの人と逢いたい、でも逢えない…。 Stay Homeで、そんな淋しさのなかにいたとき、かつて映画をつくるたびに全国の皆さんと繋がっていた、あの懐かしい頃を思い出していました。 『折り梅』のときは約480人、『レオニー』のときは約4700人の人びとが  私の映画に関心を寄せてくださって、寄付を頂いたり前売りチケ

自分史コラム 2022年の自分史ビジョン

2022年、明けましておめでとうございます。 正確にいえば、この暦は明治6年に導入された西洋の「グレゴリオ暦」に基づくもので、それまでの日本で使われていた「太陰太陽暦(旧暦)」とは異なるもの。 古来日本の神事や農事はこの旧暦を使用していたため、ちょっと違和感を感じつつも、新年明けから難しいことをいわず、年明けを祝いたいと思います。 そこで今回は、始まったばかりの2022年の自分史を、どんなふうに紡いでいきたいかを綴ることにしました。 メインテーマは「しなやかに鍛える」ま

自分史コラム  瀬戸際バブル世代へのエール

「クリスマスのホテルランク」を自慢してた大学生時代 この前どっかで「1990年代」みたいな記事をみて「わりと最近だ」と思った瞬間、それがすでに30年前後も前だったと知って愕然とした私。 そんな私を含めていまの50代前半は「90年代バブルの最後の残り香」世代です。   1980年代後半、日本政府が公共事業拡大と低金利政策を実行したことにより、企業・個人にお金が余り、それが株や不動産に回ったことが日本に空前のバブル景気をもたらしました。 1989年12月29日の日経平均株価はなん

自分史コラム   人を引き寄せる祭りの魅力

いきなりタイトルと違った切り口ですみませんが、いろいろなところで自分史の話をして気づくのは、ほとんどの人が「自分史を特別なもの」と考えているのだということ。 よくSNSで友人があげている投稿に「それ自分史だね」というと、かなりの人が「あ、これも自分史なんだ!」という返事をくれるからです。 それには自分史ということばが当初、年配の人が晩年生涯を振り返って遺す書物として広く知られたという事実があるのだと思います。 しかし自分史は過去だけのものではありません。 現在進行形で生きて

自分史コラム 自分の「寿命」について

私がライフワークにしている自分史では「過去の事実は変えられないが、過去の解釈は変えられる。そしてその解釈をしているのは現在の自分で、その現在の自分をはっきり自覚することで、未来にどうなりたいかが明確に見えてきます」とお伝えしています。 つまり自分史とは、過去を振り返りながら、実はすごく未来志向のものなんだということ。 これは実際に自分が自分史活用アドバイザーとして活動しはじめてから、ハッと気づき、すごく腹落ちしたことなのです。 それ以来私はこのことを最重要テーマの如く繰り

自分史コラム 「本当の自分」に出会えてますか?(書評レビューあり)

「自分らしさ」という深い問いみなさん「自分」についてどれくらい分かっていますか? そしてその自分をどれくらい信頼していますか? また、その自分は、他者との関係においてもうまくやれていますか? 私はかなり長い間、こんなことを考え続けてきた自覚がありますが、特に最近は仕事柄もあり、さらに学びたい思いが強くなっています。 私はこれまでいろんな趣味や仕事にトライしましたが、長いあいだ「自分が本当の自分らしく生きれていないんじゃないか」という思いが強く、いつも今ひとつちょっと不安で

自分史コラム 結婚10年目に振り返る自分史

突然で恐縮ですが、本日10月1日、私と妻の10年目の結婚記念日「錫婚式(すずこんしき)」を迎えました。 こんな私的なことをテーマにコラムを書くのもちょっと気恥ずかしいのですが、タイトルのとおり私のライフワークは「自分史」なので、この10年という節目に、私たちの自分史を振り返って書かせてもらおうと思います。 人生の転機となった2011年自分史は「シニアが晩年残す書籍」という認識が浸透していますが、自分史の持つ価値は、年齢を問わず、また書くことだけに留まらないということを私は

自分史コラム 「自分史」の巨人逝く

ある歴史家の軌跡 去る9月7日、一人の歴史家がこの世を去りました。 その人の名は「色川大吉」さん。享年96歳の大往生でした。 民衆史研究の先駆者として知られる歴史家で東京経済大名誉教授の色川大吉(いろかわ・だいきち)さんが7日、老衰のため死去した。96歳だった。告別式は故人の遺志で行わない。 (中略) 東京・多摩地域の自由民権運動をテーマに歴史を掘り起こし、『明治精神史』(1964年)にまとめて脚光を浴びた。この研究が、五日市町(現あきる野市)で作られた明治時代の私的な憲

自分史コラム 「時代から外れる恐怖」

先日、某人気YouTuberが配信した、ホームレスの方に対する差別的な発言により、ネットでは喧々諤々の論争が繰り広げられた末に、彼のYoutubeアカウント停止について署名運動まで巻き起こる騒ぎになったのをご存知の方も多いと思います。 私は個人的に彼の発言は許されざるものであると思っていますが、それだけでなく、こうした考え方が、年齢を問わず今や多くの日本人にとって「時代のトレンド」なのではないかという底冷えのする危機感を感じます。 私の分析でいえば、彼だけでなく、昨今巷で

自分史コラム 時代が変わるということ

気がつけば私が生まれてから半世紀以上が経過しています。 意識はそれほどしていないものの、生まれたころの街の写真などを見ると、ものすごく古くてビックリ(笑)。 その年月のなかで、良くも悪くも社会での通念や定義が変わっていることを知り「あー時代が変わったんだな」と実感するわけですが、そのなかの一つに「LGBTQ(性的少数者。レズビアン 、 ゲイ 、 バイセクシュアル 、 トランスジェンダー 、 クィア または クエスチョニング)」への認識があります。 近年、そうした性の多様性

自分史コラム 人の自分史に励まされた

この世の中、多くの人が「できるなら他人の役に立ちたい」とか「他人を元気づけてあげたい」ということを漠然とでも考えているんじゃないかと思います。自分はそう思いたい。 ただそうは言っても、それを狙って実現するのは簡単じゃありません。 なにより自分自身に、その思いや状況などを含めた準備がないといけないし、それを相手が感じ、受け取ってくれるかどうかだって分からないから。 そんな私は先日、あるご夫妻に、心から励まされました。 もちろんそのご夫妻はそんなことを狙っていたわけではありま

自分史コラム 10年目に語られる「希望」

人類史上、同じ自分史は2つとしてない私は自分史活用アドバイザーとして、これまで多くの人に自分史講座で「自分史に一つとして同じものはなく、生きた人の数だけある物語です。」とお伝えしています。 ただ現実は幸せな自分史の人ばかりではなく、幸せじゃないと思う人のほうが多いのかもしれません。 そうしたことも踏まえたうえで、私はさらにこう伝えています。 「それを無理に受け入れる必要はなく、ただ向き合うだけでよいのです。それをどう解釈して未来に活かすか、それが大事なのです。過去は変えら

自分史コラム 不思議な万病治療法との出会い

久しぶりの投稿になってしまいましたが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか? 私はといえば、この2ヶ月かなりいろいろな自分史の出来事がおきて、なかなかゆっくりと執筆の時間を取ることができませんでした。 しかし、その分コラムを書くための題材はかなり蓄積できましたので、これからは追々ここで書いていこうと思います。 そのまず第一弾としてお伝えしたいのが、今日タイトルにも書いたある万病治療法についてです。 私は特に寒い時期になると、首や肩甲骨、右腕のしびれや鈍痛が慢性的に出ます。身

自分史コラム 「一枚の自分史」に出演しました。

私はこのプロフィールどおり「自分史活用アドバイザー」という肩書で、自分史の普及をライフワークとしていろいろな活動をしています。 このnoteでも当初「自分史という視点の楽しみ方」というタイトルで、自分史というものの基礎知識や、簡単な書き方をお伝えしてきました。 企業や行政、友人にむけて個人向けの自分史講座をリアルやzoomを使ってオンラインで開催したり、自分史をベースとして自分自身を内省し掘り下げる教育プログラム「マインドフルカフェ」の実施に取り組んでいます。 この「自