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鏡のなかの言葉(定期購読)

映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等のワークショップ、そして編集長がお勧めする… もっと読む
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2020年9月の記事一覧

つくり手であること 08*新聞ごみ袋

おばあちゃんがよく作っていた、とか、古い定食屋さんで枝豆のカラ入れに出てきた、とか、詳細こそ違えど、きっと多くの日本人が人生のうちに何度かは見かけたことがある、広告チラシでつくるゴミ袋。 わたし自身はこれが山ほどある家で育ちました。小さい頃お友達の家に行って、これがないご家庭もあると初めて知った衝撃の瞬間も記憶にあるほど、ウチでは当たり前のものでした。 ただ親の家を出て以降、自分でこれを作ることはありません。でもこれの便利さは知っています。特に近年、プラスチック製品を生活

映画を見せる、広げる 02 「折り梅」が果たした100万人の出会い

『ユキエ』の上映会で全国を旅して歩きながら不思議でならなかったこと。 それは、映画監督たちはどうして上映会の旅をして歩かないのだろうとでした。 映画は、特別選ばれた人たちがつくるもので、監督は作品の公開初日に観客の前でキャンペーンの舞台挨拶をしたら、1日も早く新しい作品の現場に戻るのが本分、と皆さんが考えているからでしょう。 私も監督とはそういうものと思っていたのが、各地の上映会に招かれる度「映画をつくるよろこびは観客との出会いにある」と思うようになっていったのです。 『ユ

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自分史エッセイ「いのちをいただく」

気がつけばすでに9月が終わろうとしていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。 このnoteでこれまで6回にわたり、自分史の定義や書き方のテクニックや基礎知識についてお伝えしてきましたが、テクニックや知識だけでは「自分史という視点」を、今ひとつイメージしずらい方もいるのではないかとか、頭ではなんとなく理解はしたものの、その視点を忘れがちになってしまうという方も多いのではないかという懸念もあります。 そこで前回もお伝えしたとおり「自分史という視点」をもとに、私ヤナギサワが、

つくり手であること 07*お米

母がお米農家さんと再婚して20年になりました。 おかげさまで私もこの20余年は、母と義父のお米を食べて、健康でいます。 義父の家は新潟県・佐渡市。そのためこの20年は、母に会い に佐渡まで行くようになりました。 親戚も友達もいないまま通い続け、故郷でもないのに常に市政や天候も気にしたりして、私にとってはすっかり親近感のある存在となった佐渡。さらにこの10年ほどは夫も一緒に佐渡でのんびり過ごすことが定番の夏の予定となりました。 佐渡の家は隣家も遠いし自宅の敷地も広いため

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つれづれ日記 18 母についてー②

母の看取りを通じた幸運な体験5年前の暮れのある日。ショートステイに預けていた94歳の母が深夜に転び、近くの救急病院に運ばれた。老人の転倒につきものの大腿骨骨折である。 それまで認知症を患うこともなく、「東京オリンピックまでは生きなきゃ」と言いどこといって悪いところのなかった母が、たった一晩預けた施設で転倒するとは、あまりにも思いがけない不運な出来事だった。 が、それから50日間、入院先のS病院で若い医師と看護師さんのチームから受けた手厚い治療と看護は、私たち家族にとってまた

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つれづれ日記 17  母について-①

背中で示した母の生きざまこのタイトルは、毎日新聞で連載された『わたしとおかあさん」というエッセイが書籍になったときに編集者がつけたもので、あまりいいタイトルとは思えません。 そのエッセイをnoteに転載するにあたり、写真はアルバムの中に見つけた結婚式の日、22歳のときの母の背中。 戦争前の、まだ平和だった頃の銀座。 母は、銀座通りにあった「睦屋」という絨毯店で働いていたという(写真右)

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稲木紫織のアート・コラムArts&Contemporary Vol.7

アンサンブル・ノマド第69回定期演奏会を 松井久子監督と聴くアンサンブル・ノマドは1997年、ギタリスト佐藤紀雄さんの呼びかけで結成された、全員ソリストクラスの実力あるアンサンブル。「NOMAD」(遊牧、漂流)の名にふさわしく、時代やジャンルを超えた幅広いレパートリー、斬新なプログラムが特徴で、古楽から超絶技巧を要する現代音楽まで、軽々と演奏する。サントリー音楽財団「第2回佐治敬三賞」受賞など受賞歴多数。海外公演やアウトリーチ活動でも活躍している。  ノマド・メンバーのフル

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オンライン・ショップセレクション ひなた農園04

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Yumikoの映画玉手箱07 オードリーは永遠に

オードリー・ヘップバーンのハリウッド映画デビュー作『ローマの休日』が製作されたのは1953年。 私は中学2年生で、放課後はひたすらバレーボールに熱中する元気な女の子でした。自分では見てはいないのだけれど(当時は学校生徒は許可なく映画館に出入りすることは禁止されていた)、この映画の評判は、大げさに言うと日本中に知れ渡っていて、山陰の小さな地方都市の中学生でも何だか素敵そうな映画らしいくらいは知っていました。 濡れ衣もうれし、オードリー ある日の放課後、事件は起きました。風紀

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つれづれ日記15 恋するように、テニスを愛す

去年の全米オープンを最後に、とうとう丸一年もお預けだった錦織圭の試合がやっと見れると思うと鼻の奥がツンとなるほど嬉しい。 2008年にデルレイビーチで初優勝をしてたのが18歳のときだから、もう12年も錦織圭君とともに生きてきたわけだ。 彼に故障がなく、また新型コロナのパンデミックが始まるまで、ATPツアーは1月の全豪オープンから11月のATPファイナルズまでほぼ1年を通して、毎週、世界中を移動しながら転戦を重ねていくスポーツなので、私にとっても彼の応援がほとんど日常となってい

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つれづれ日記 13 私の健康法

「あなたの一番の自慢は何ですか?」と聞かれたら、 「健康なこと、身体が丈夫なことです」と答えるでしょう。 もし身体が健康でなければ、これまでも自分がしたい仕事をし続けることができなかったでしょうし、何かを成し遂げるために必要な気力も維持することもできなかったでしょう。 私が74歳になった今日まで、ほとんど病気という病気をしないでこれたのは、勿論丈夫な身体に産んでくれた親のおかげだったと思っています。 父は91歳、母は95歳まで生きた私の両親は、私が生まれてから彼らがこの世を去

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Yumikoの映画玉手箱06 愛しのターザン

 前回、自分の娘や孫の子ども時代の映画体験について書きました。 じゃあ、自分は?と振り返ってみると、私の場合は「ターザン」ですね。 戦後間もないころ、大人も子供も娯楽といえば映画でした。娯楽の王者ターザン!     <戦後の映画館は> 当時、映画館は全国どこの町にもあって、私の生まれた山陰地方の小さな町にすら何館もありました。 小さな芝居小屋を改造したような映画館にもお客がひしめいて、通路にも後ろにも立錐の余地なく立って見ました。今のコロナ時代の「三密」なんてものじゃないです

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PCのなかで眠っている映画企画

上の写真の美女は、いったい誰でしょう? まさか、ご存知の方はいらっしゃらないでしょうねぇ。 実はこの女性、あの『星の王子様』の作者サン=テグジュペリの妻・コンスエロで、『星の王子様』に登場するバラは、彼女のことだそうです。 私のようなマイナーな監督にも、「これを映画にしてもらえませんか?」と原作本や企画を持ってこられることは結構あって、自分が興味を持ったものは、何ヶ月もかけて資料を集めたり、下調べをして、企画書を書くことがあります。 この企画を私に持ってこられたのは、『星

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MomokaのYoga Lesson06

皆さん、こんにちは! ヨガ・インストラクターの Momokaです。 いよいよ9月に突入し、今年も残すところ4ヶ月となりました。 夏の暑さも落ち着き、涼しい日々が続いていますが、お身体の具合や体調はいかがでしょうか? 今回は、夏のお疲れやクーラーの下で冷えやすくなった脚を簡単にほぐし、リンパの流れを促すためのヨガビデオをご用意しました。 用意するのはマットだけ。ベッドの上などでも実践して頂けます。 新しい季節に入り、忙しくお過ごしの方も多いと思いますが、今月もまた ヨガのあ

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