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独歩 1日目

 嫌なことがあったわけではない。現実逃避したいわけでもない。でも、今夜は独り歩く。なにも求めてない。なにもしたくない。今日はそんな日。“近頃は眠気と脱力感の二大勢力の狭間で日進月歩する毎日を過ごしております。”そんなLINEをあいつに送った。なにがしたいのかは自分でもわからない。あいつはこれを見てなにを思うんだろうか、なにも思わないだろうな。これほど冷たい風が気持ちいいと思ったことがあっただろうか。iPhone7を取り出す、指をホームボタンに置く、音符のマークに指を合わせ、そこに触れる。ミュージックを開き、静かな曲のプレイリストを開く、とりあえずシャッフル再生。ふうてんって曲がきた。ぴったりの曲。ちょっと儚い。いや、そんな重い曲じゃないだろ。虚しい、の方がしっくりくるのかな。夜の風を浴びながら、音楽を聴きながら、今夜は独り歩く。いつもはみんなとノリノリの音楽聞きながらみんなとノリノリで歩いてるのに、今夜は独り歩く。なぜなのか、自分に問うても返ってこない。なにがしたいのか、そう問うても返事はない。取扱説明書を探すが、そんなものはとうの昔になくした。まずそんなものあったのだろうか、記憶はない。まだ目的地までは距離がある。自分はなにをしてるんだろうか、そう思索に耽ける。答えはでない。答えを求めてるわけではない。じゃあなにを求めてるんだ。論理的には導き出せない、理論も公式もない、そんなものを求めているのだろうか。いつもの自分ならそんなフレーズを思いついたことに喜びを覚えすぐにメモを開いてうちこむのに、今日はそんなフレーズは空虚に感じた。空虚な心に支配されている、それがなぜか気持ちいい。居心地がいい。これは本当に自分なのか、定かではない。なにを持って自分とするのか、定義もない。生産性という言葉からかけ離れた場所、なぜか気持ちいい。いつもは大嫌いなはずなのに、、、くだらないことばかり考えていると、目的地にたどり着く。あいつに送ったLINEの通り、疲れていた。読み返すと意味がわからない。まず日進月歩の使い方違うやろ。そんなことどうでもいいや、疲れた。喫食、入浴、歯磨、入眠。あしたはどんな日になるのかな

 起床、歯磨、登校、受講、喫食、受講、放課。また今日もこの時間になる。


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初めてノートにこういうのあげてみた。ここまで読んでくださった方、反応が知りたいのでコメントよろです!2日目はまたいつか。

被写体モデル:@nsiabrhabxaijd

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