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ここで暮らす #07

前回

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2024/07/15-2024/07/21 (渡航47~53日目)
大学3週目

7月15日(月)

急に!!!! 冬だ!!!!

朝家を出る前に気温を確認したら8度という表示が見えてぎょっとした。10度切るの嫌だよ〜〜と思いつつ、着る予定のなかった上着を着て外へ出る。確かに寒かった。激寒ってほどではないけど確かに冬だった。ほんの3日前にかいた汗はなんだったんだよ〜〜……。

午前中の授業の休憩時間、教室を出て行こうとした女の子がドアの前で急に最前列に座っていた私の方を向いて「素敵な髪型ね!!」と言って、言ってすぐ、出て行った。ちょっと呆気にとられた。かれこれ3か月近く伸び放題になっている元ベリーショート、パーマもカラーもしていない、したことがない。日本であればまず褒められない。むしろ芋だと形容されるレベルである。(自覚はあるけどその改善に注ぐエネルギーがどうしようもないほどにない。) 一瞬嫌味なのかと思ったけどちょっとそれは流石にきっと私がねじ曲がりすぎている。黒髪の前髪ぱっつんがこの学校にいると物珍しい感じになっていることはまあ、わかる。

大学にセラピードッグがくる日だった。学期に1度そういう日があるらしい。

昼休み、午前の授業が終わって廊下へ出ると目の前にいた。こわごわ近づいた。体感7割くらいの動物(人間含む)に嫌われる私だが問題なく撫でさせてもらえた。まあそりゃセラピードッグに吠えられるとか聞いたことないよな。

髪型を褒めてくれた彼女がすぐ横にいて、その奥には知らない2人組がいた。しばらく4人で犬を愛でていたら唐突に誰かに「あなた手大きいわね」と言われた。

何が何だかよくわからないままに手のひらを合わせて大きさ比べをさせられた。普通に私が1番大きかった。大きいねーと口々に言われるのを聞きながら、海を越えてきても言われることは同じなんだなと思った。生まれてこの方自分より手の大きい同性には1人しか出会ったことがありません。先ほどの彼女が「大きいけど指が細くてfeminineでいいね」と言ってくれて、これまた初めて聞く褒め言葉だなと思った。

今日の昼休み、その彼女と授業が始まるまで一緒にいた。大学3週目にして誰かと昼休みを過ごしたの、初めてです。コミュ力皆無内向型人間舐めるなよ☆

ただひとつ問題があって、私、彼女の名前を聞いていない。なんなら私も名乗っていない。本名を知らないのに仮名を決めるのも変な話なので今日のところは「彼女」表記で……。

ひとしきり(主に彼女が)お犬さまを撫で回した(私は途中から観察に徹していた)後、コーヒーを買いに行くんだけどよければ一緒に行かない?と言われて着いていくことにした。構内のカフェに寄ってから、しばらく外を散歩した。彼女は先学期入学したらしい。でも3つ授業が被っていることが発覚した。クラスに知り合いいないんだよねえと私が言ったら私もだよ、全然自分から話しかけられないし、と返される。「え〜話しかけられるタイプだと思った、私のこと誘ってくれたし」「あなたはなんとなくいけそうだと思ったから……」

以下、話した内容、箇条書き。

・MBTI (聞かれてINTJだと答えたら近いね私INFJだよ、と言われた。特大偏見だけどINFJってなんか自ら生きづらいって申告するタイプの人が多いような気がしている、気配りしすぎて疲れちゃいます!みたいな。対して超利己的人間こと私、1文字違うだけでえらい差である)
・日本とオーストラリアの高校の違い
・同じく大学の違い
・同じく自動車免許の違い(もし日本でオーストラリアみたいな仮免制度があったら私は今頃この世にはいないなって言ったらウケてた)
・彼女の通学時間、片道2時間
・「〇〇って授業とってる?面白いんだよね」と言われてよく聞いたら私が来学期取る予定になっている授業だった。現役△△(職業が入る、専攻noteでは言ってないからここも伏せさせて)の人の授業で、元々私もかなり楽しみにしていたから面白いと聞いて嬉しい。

一郎がキャンパス内でコアラに遭遇したとストーリーにあげていた。いいな。

帰り道、初めてレンジャクバトを見かけた。頭から下は普通のハトとほとんど変わらない見た目をしているのに、冠羽があるだけでなんだか可愛く見える。

7月16日(火)

専門C、既に先生が学生全員の顔と名前を一致させてた。良いのか悪いのか、確実に出席している人数が少ないせいである。

こっちのスーパーでは毎週水曜日にセール品が入れ替わる。今週お米が半額になっていたことを最終日の今日になるまですっかり忘れていて、学校帰りにスーパーへ寄った。5キロで9ドルちょっと。ありがたい。当分の間はお米を買わずに済みそうだ、と思いつつ、5キロ入ったエコバッグを片手に下げると帰り着く頃には腕が痛くなっていた。

日傘が裏返るくらい風が強かった。そういえばwindyに相当する言葉が日本語にないことが幼い頃からずっと不満だ。意味的には「風が強い」という訳で全く問題ないことはわかっているけど、なんとなく1単語で表してほしいのだ。

7月17日(水)

来週専門Aの小テストがある。学期中に各科目3つある大きな課題のうちの1つめで、成績の30%に値する。小テストとは言えオンラインで各自受ける方式で、しかもすべて選択問題かつ教科書やノート参照可だからそこまでボロボロになることはないと踏んでいるのだが、果たして。先生もそんな難しくないって言ってたし。

練習テストが公開されていたのでまだ全く勉強してないけど試しにやってみる。制限60分の半分くらいを残して、得点率73%。……本番は9割はほしい、1週間勉強すればいけるかな。

7月18日(木)

全休、料理day。ふと思い立ってにんじんしりしりに使うにんじんを切らずにすべてピーラーで薄切りにした。途中で飽きた。切る方がいいわ。

これ書いたかどうか覚えてないんだけど、なぜかこっちにきて買ったピーラーがI字型で、まだその使い方に慣れきっておらず使う度にちょっとあたふたする。売り場でT字型のものが見つからず、探すのを面倒くさがってI字型を買った過去の自分をちょっと恨む。今からでもT字型、買うか……。というか私はピーラーはすべてT字だと思い込んで生きてきたんですが違うんですね。国によって主流のものが違ったり、する?

7月19日(金)

今までずっと日本から持ってきた歯磨き粉を使っていたのだけど、こっちのを試してみることにした。いちごミルクみたいな色合いをしている。

……なんか、なんか、なんとも言えない味がする。超まずいわけではないど決して好ましい味ではない。全然辛くはない。慣れるまで何日かかるかな。

7月20日(土)

特に何も書くことがないので、大学生活を3週間送ってみて、つまり学期の1/4を終えてわかったことを並べてみる。

・出欠のとり方、アナログ
→授業中に名簿が回ってきて自分の名前の欄にチェックを入れる方式の授業が2つ、先生が呼名するのに答える方式の授業が2つ。こういう単純作業のデジタル化って、日本よりも海外の方が進んでるのかと勝手に思ってたけどそうでもないのか。日本で通っていた大学でもいちいち名前を呼ばれる授業もあるにはあったけど、授業中に提示された何桁もの数字を専用のアプリに打ち込む形式の授業がほとんどだったような気がする。

・意外とみんな発言しない
→日本と違ってみんなぽんぽん発言するのかなとか思ってたけどそんなことない。先生の問いかけに対して誰も反応しなくて、先生が「みんな虚空を見つめないで〜」とか言って苦笑いすることが往々にしてある。まあなんだかんだ喋る人はいるんだけど一部のメンバーに固定されてきつつある。

・出席率低め?
→コースサイトから各授業の受講者一覧が見られるんだけど、実際に教室にいる学生がそのうちの半分ちょいくらいしかいないような気がする。まず日本の大学では絶対にあった「1/3以上休むと単位取れません」的な説明がどの授業でもなかった。もしかしてそういう決まり、ないのかな。国内生に関しては。学生ビザは出席率が8割を下回るとアウトなので私はよほどのことがない限り出席しますけども。

7月21日(日)

月曜日だったか火曜日だったか忘れたけど、ちょっと衝撃的でその日は書けなかったことを書く。

スーパーで買い物をしていたら、私のすぐ後ろの陳列棚の影から女性が1人奇声をあげながらこちらに向かって飛び出してきた。正気の人ではないことは誰が見ても明らかで、一気に心拍数が跳ね上がったのを感じながらすぐにその場から離れた。

きっとクスリをやっている人だった。

理由はなんであれ、大声を出す人は苦手だ。まあ好きな人なんていないだろうけど。買い物を続けるにはなれずすぐにレジへ向かった。少し並んで会計を済ませて店を出ると、一旦店の前のベンチに座った。一度「怖い」を認識してしまうと持ち直すまでに少々時間がかかる。

数分後、なんだかまた喚き声が近くなってきたと思ったら、体格の良い警備員2人に両側から腕を掴まれた状態で先ほどの女性が店から出てきて、そのままどこかへと連行されていった。

完全に平和ボケしていたけれど、いつどこで何が起こるかなんて誰にもわかったもんじゃない。空は高く、地球は丸く、私は無防備だ。

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