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関西の理系大学生は森見登美彦を読むべし

 こんにちは、Hisaです。皆さんは小説家の「森見登美彦」さんはご存じでしょうか?読書が好きな方は知っている人もいるでしょう。私は森見さんの小説が好きです。全作品を読んだわけではないですが、1年ほど前に読んだ「夜は短し歩けよ乙女」に衝撃を受けました。その後、色々な作品を読みながら、関西の理系大学生(私もそうなのですが)は森見登美彦を読むべきだと思うようになったので、そのことを書いていきます。


「森見登美彦」さんの紹介

 まずは森見さんについて紹介します。森見さんは奈良出身で現在(2024年時点)45歳です。京都大学農学部を卒業し、大学院も修了しています。小説家としては、在学中の2003年に「太陽の塔」でデビュー。その後、2006年の「夜は短し歩けよ乙女」や2007年の「有頂天家族」などのヒット作を若くして執筆しています。本屋大賞にも計6回ノミネートされている、もの凄い作家です。今年2024年には、最新作の「シャーロック・ホームズの凱旋」を発表しました。私はまだ読んでいないので、今度本屋に行くときに買おうと思っています。
 では、なんで森見さんの小説を関西の理系大学生に読んでほしいのか。特に、「夜は短し歩けよ乙女」や「四畳半神話大系」、「恋文の技術」あたりを読んでほしいと思っています。それはなぜかを以下で解説していきます。

1. 理系大学生が主人公の作品が多い

 まず、理系大学生が主人公の作品がそこそこ多いのが森見作品の特徴です。上記で挙げた3つの作品はそうで、大学を舞台に物語が進むので親近感が湧きます。森見さんが農学部出身だということもあり理系学生が主人公なことが多く、理系学部に所属している人なら共感できるような心情が描かれています。研究や実験に苦悩したり、研究室で起こる奇想天外な出来事の数々は、実際に研究室で大学生活を過ごしたことがある人が読むとより解像度が上がるのではないでしょうか。
 私が印象に残っている箇所は「恋文の技術」内で、研究データが記録されている主人公のPCが、研究室の先輩によって隠される話です。1日ならまだいいですが、数週間も隠されていました。もしも自分のPCが1週間以上隠されると考えると、身の毛がよだつ思いです(笑)。

2. 京都を舞台にしている

 ほぼすべての作品が京都を舞台にしているため、関西の人にとっては身近に感じると思います。特に京都に住んでいる人は、知っている地名や家の近くの地名が出てきて楽しいのではないでしょうか。私は京都に住んでいるわけではないのですが、知っている地名や行ったことのある場所が出てきて面白いです。そのため、普通に読んでいても面白い作品が、京都付近に住んでいるとより一層面白くなると思います。
 また、小説のモデルとなったバーやお店、景観が京都には数多く存在するので、聖地巡礼みたいなこともできます。このことより、関西に住んでいる人はより一層、森見作品を楽しめると思います。

3. 愛すべきキャラ達

 これは森見作品全体にいえることですが、登場人物が超魅力的です(だからこそアニメ化も多くされているのでしょう)。「有頂天家族」の弁天や「ペンギンハイウェイ」の歯科助手のお姉さんなど好きな登場人物は多いですが、結局「愛すべきバカな主人公」が面白いです。森見さんの独特の文体で描かれる彼らの言動は全読者が「バカだなー」と思うのではないでしょうか。
 最初に挙げた3作品では主人公が全員大学生で、なおかつ大学生活をダラダラ過ごしています。「四畳半神話大系」の最初の文は「大学三年生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。」です。自信をもってここまでいえるのは相当です(笑)。ですが、こんな主人公に共感する自分もいます。私は大学入学当初コロナの影響で学校に全く行けず、友達もなかなかできませんでした。地元の友達ともなかなか会えず、2年生の後半でようやく旅行にも行けるようになり始めたくらいです。いわゆる「キャンパスライフ」を楽しみたいと思っていたものの、最初の2年間は学校に行く機会が少なく残念な気持ちもあります(家にいたからこそ発見した趣味や楽しみももちろんありますが)。そのため、森見作品を読んでいると主人公に共感しつつ、「自分の大学生活もそんな悪いもんじゃなかった」と思わせてくれます。
 今の大学生には、私と似たような境遇になった人が山ほどいるでしょう。そんな人たちには是非森見さんの小説を読んで、元気をもらってほしいと思っています。

まとめ

 「関西の理系大学生は森見登美彦を読むべし」といったテーマで書いてみましたが、森見登美彦さんの作品は大学生であろうとなかろうと全人類におススメできる名作ばかりです。気になった方は是非本屋で買ってみてください!


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