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わたしの「ひみつの京都」その② 〜智積院で長谷川等伯の障壁画と再会を果たす〜

前回の記事(その①)の続き。

ハイアットでお昼ご飯を食べた後、すぐ近くの智積院へ行きました。


今年の1月に行ったサントリー美術館での展覧会『京都・智積院の名宝』で、長谷川等伯の障壁画に感動して、次にお墓参りで京都に帰ったら智積院は絶対に寄ろうと決めていました。

今年の1月の展覧会、朝から大行列と話題だったけど
夕方に行ったらそこそこ空いててラッキーだった
(おかげで2周できた)


展覧会へ行くまで前に、めっちゃ参考にした記事を貼っておきます。(智積院や長谷川等伯についてはこちらをご参照ください、そのほうがよくわかる!)


さあ、念願の智積院へ〜!

母撮影の私、なんとも言えない曇り空の下で
右に映る肩は多分父


智積院は真言宗智山派の総本山、ものすごく厳かな雰囲気でした。何よりも観光客の姿がなくてびっくり。すぐ外には京都国立博物館、三十三間堂、ちょっと歩いたら東福寺、そんな場所なのに?なんですが、実はですねぇ、、、
東山区で生まれ育った母も、智積院に入るのは初めてだったんです。子供の頃、建仁寺さんでは靴飛ばしや野球をして遊べても、ここは「入って遊んではいけないオーラ」があったらしく。(宿坊があったりするからか?)ちなみに観光バスのバスガイド時代も、ここは観光ルートに入っていなかったと。そりゃまぁ、静かです。。。

金堂には大日如来さんがおられて、より厳格な空気が流れていました。心が静かになると言うか、勝手に背筋が伸びるような、凛とした空間です。正座をして静かに手を合わせた後は、やっぱり、、、より近くで確認したい欲が出てしまい、横からの角度で大日如来さんに近づいて、まじまじと眺めてしまいました。。。(すんません)

金堂から撮影、ほんまに人がいなくて驚き


こちらは明王殿
時期的にギリで咲いてる彼岸花


明王殿ではしっかりと参拝されている方がおられました。観光で行くお寺とかではあまり見ることのない光景です。観光客が少ないからこんなにしっかり明王さんと向き合えるのか、それともしっかり仏さんたちと向き合えるように、広く開放してないのか。いずれにせよ、ほんまにめちゃくちゃ静かでした。(何回も言う)


続いてお庭へ。ここからは拝観料がかかります。(300円ぐらいだった)

中までのアプローチがたまらん


めっちゃお庭でびっくり

入って一同、「うわぁぁ、、、、」と声が出てしまうほど、素晴らしいお庭でした。母も「中がこんなことになってたとは!」と驚き、そして感動。説明では中国の廬山を模って造られた「利休好みの名勝庭園」とのこと。大書院からこのお庭を眺められるんですが、鳥の囀りだけが聞こえてきて、心が洗われていく感覚です。

講堂の廊下

こんな板張りの廊下歩いたの、久しぶりでした。ちょっと軋む音がまた良し。
講堂や大書院には奉納された襖絵なんかもたくさんありました。なんとその様子が、智積院のホームページで、360°VR画像で公開されています。(最近のお寺ってすごい)

思っていた以上に観るとこあるわ、ゆっくりできるわで、時間が足りないぐらいです。

さぁさぁ、いよいよ宝物館へ!(拝観料500円!)
あの障壁画との再会、気持ちが高まりすぎて写真1枚も撮ってないです!

なのでいただいた宝物館だより(それもvol.1!)と
リーフレットとチケットを


「ああ、日本人でよかった。」障壁画の前にいると、日本に生まれて生きてることに、思わず感謝してしまいます。それと同時に、ちょっと切なくもなります。描かれた時代から現在に至るまでいろんなことがあって、人々の生活は大きく変化したのに、自然は何も変わってないんですよね。昔の方がよりダイナミックに季節や自然を感じて生きていたんだよなぁと思うと、ちょっと羨ましいような気持ちになるし、人間のやってることって、これであってんのかなぁ?って思います。なんか色々、胸にくる作品なんです。やっぱりこの時空の超え方、すごいです。

2023年1月サントリー美術館にて
《楓図》のレプリカ(一部)

サントリー美術館にたくさんの宝物が来ていたのは、この宝物館ができる工事期間でした。そんな特別なタイミングに立ち会えてよかったなぁとも、今回しみじみ思いました。と言うのも、智積院の宝物館は国宝障壁画のために作られた宝物館なので、作品に合わせた展示室になっていたんです。雪松図、桜図、楓図、松に秋草図、松に黄蜀葵(とろろあおい)図、どれもきっちり収まってます。一部屋にギュッと展示され、静かな館内でお気に入りの部分の前に座って(靴を脱いで入る館です)没入体験に浸れます。それも尊い時間で素晴らしいんですが、サントリー美術館で見たときは広い展示ケースの中に障壁画があったので、ものすごい引きの位置から鑑賞できたんです。智積院には立派な宝物館が完成してますから、他の場所で鑑賞できる機会がいつやってくるかわかりません。そういう意味で、今年始めの展覧会は貴重な体験になりました。

サントリー美術館の展示がわかる動画があったので貼っておきます。


宝物館を出たところの石畳が素敵でした。これからは紅葉の光景が広がるはずです。

ステキ石畳


桔梗の御紋だからたくさん桔梗が


心がキラキラした何かで満たされ、とってもリフレッシュできました。思っていた以上に素晴らしい場所で、静かで人が少なくて、、、だからあんまり人に言いたくない、私のひみつの京都になりました。

その③、あるかも。

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