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超一流のメサイア アメリカ・オーケストラ漫遊(15) Chicago, IL

 12月の始めにToledoの大聖堂で聞いたメサイアだが、コンサート形式のものをぜひ聞いてみたいというのと、日本語解説付きのスコアを購入して少し勉強したのでその成果確認も含めて、もう一度どうしても聞いておきたかったので、3日前に金管コンサートを聞いたにも関わらずシカゴに通うことになった。クリスマス前の金曜日の午後公演があったので、今回は日帰りにした。

 前回のメサイア↓

 現地に昼頃に着いて、有名なシカゴ風ピザの店の一つ、Giordano’sでピザランチ。ランチタイムはPersonalサイズのピザのセットがリーズナブルに食べられて満足だった。

Giordano’sのピザランチ

2023年12月22日 シカゴ交響楽団

12/22/2023, Fri, 1:30 pm, @ Orchestra Hall, Chicago
Chicago Symphony Orchestra
Chicago Symphony Chorus
Sir Andrew Davis, conductor
James K. Bass, guest chorus director
Joélle Harvey, soprano
Jennifer Johnson Cano, mezzo-soprano
Matthew Polenzani, tenor
John Relyea, bass


  • HANDEL's MESSIAH

 今回のコンサートはCSOのコンサートの中でも高かった。2階の前方左隅の席で$250。なかなか普通は手が出ない金額だ。それでもラストチャンスかもしれないという思いもあり買ってしまった。
 合唱用の楽譜を購入して、少し勉強して臨んだ2回目のメサイア、そして本格的にコンサートホールで聴く初めてのメサイア。前回同様、印刷した歌詞対訳を持参した。歌詞がどういう意味なのか、あるいは意味がわからなくても何と歌っているのかをわかることは歌を聴くには重要だ。
 コンサートが始まる前にChicago Symphony Chorusが入場してきたとき、その人数の多さにまず驚いた。舞台後方だけかと思っていたらその上の客席にまで並び、総勢80名にもなるだろうか。
 曲が始まってみると、充実したオーケストラで前奏が演奏され、初めに入ったテノールのソロ、次に入るバリトンのソロ、それぞれ迫力がものすごかった。そこからの合唱も人数通りとても充実していて、ホール中にしっかりと演奏が響き渡って、コンサートホールで聴く良さを感じられた。
 そしてこのホールは2階の前方が一番良いのだと強く感じた。それは正面でなくても良さそうだ。下手寄りの席だったが、そこではソリストがとても近く感じられた。
 第1部はソプラノが歌うルカの福音書のクリスマスの描写、救い主が生まれた!と祝う合唱がとても美しかった。途中トランペットが舞台から下がり2階バンダに上手下手に二人が分かれて演奏するなど、立体的に聴かせる演出もあった。
 第2部、第3部はカットされていた部分があり少し残念だったが、聴衆も全員立って聴く”Hallelujah”は(少し反応が遅れたが、笑)、舞台上の奏者たちと聴衆が一体になっている感覚もあり、とても印象的だった。
 第3部で一番印象に残っているのがトランペットのソロだ。堂々とした立奏でバリトンのソロとの掛け合いが素晴らしかった。トランペット奏者のEsteban Batallán氏が、2022年の「展覧会の絵」のときも思ったが本当に凄い。超絶技巧を見せるわけではなくても、トランペットのソロの音と旋律で聴衆を釘づけにしてしまう。
 最後は充実の合唱で締めくくられ、本当に万雷の拍手だった。

 コンサートホールで聴くとソロ、オーケストラ、合唱の聞こえ方がクリアーで、それぞれの素晴らしさを感じられた。CSOでこの曲を聴くことができたというのはおそらく一生の思い出になるだろう。もっと曲の理解を深められれば益々楽しめるだろう。
 日程的にも多少無理をしたし、帰りの運転はずっと雨の中で大変だったが、それでも行って良かったと思える演奏会だった。

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