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IT業界と新卒でのキャリアについて、日本一わかりやすく書きたい<その②>

就活生のためのIT業界研究しりーず。前回の記事では、
【STEP①】AをBする会社である
ということを理解しましょう。という話でした。

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今回は、
【STEP②】aをbする「仕事」である
ということを理解する方法について、お伝えします。

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ぶっちゃけ、このフレームはIT業界に限らずすべての企業の研究に当てはまります。一つの企業の中にはいろいろな「職種」がありますから。会社の事業内容だけでなく、仕事内容まで理解をしないと、ミスマッチの原因になります。
※「商品にあこがれて入ったけど仕事が営業で合わなかった」みたいなことよくあるので注意です!(特に食品とか化粧品とかの人気業界)

未経験でIT業界を検討する場合も、このこと(企業理解だけでなく仕事理解もすること)はとても重要です。なんでかって、未経験でも奮起してIT業界に飛び込もうとする理由の大半は、将来に役立つスキルを得るためですよね?専門性を狙ってますよね?
スキルや専門性というのは結局のところ仕事の経験を通してしか身につかないので、ちゃんと将来役立つスキルを得るためにも、b=どんな仕事か?はとても重要な要素なのです。

どうやって見極めるのか?


基本的には、前回話した、

【構想する⇒作る⇒動かす(使う)】

のフレームを思い浮かべて、どのフェーズに関わる仕事なのかを情報収集していく以外にありません。

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自社開発システム(サービス)の場合


自社のシステムを開発する会社の場合は全部のフェーズ自社でやっている!という話を前回しましたが、多くの場合は会社内で役割分担されています。
特にIT未経験者の場合は、開発職(作る)で採用されることはほとんどないと思っていいでしょう。どちらかというと、自社のサービスを「売る・宣伝する・マーケティングする・問い合わせ対応する」みたいなことに携わることが多いです。

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自社サービスを売ったり、顧客の問い合わせ対応をすることは、次にどんなレベルアップをしたらいいかの構想につながる仕事なのでつまらない仕事ではありません。

でも、「このサービスを10年売り歩いて合計1,000社に導入しました!」というベテランだからと言って、「他社でも使えるITの専門性」が身についているかというとちょっと違うかも、、、
というのはなんとなく想像できますよね?

一方で、自社で開発するシステムに開発職(エンジニア)として関わる場合ですが、「構想→開発まで幅広くかかわれると聞いて入社したが、実際は既存のサービスのちょっとしたレベルアップ案件ばかりで、ゼロからシステムを作っていく楽しさが味わえなかった」というのもよくある話です。

いずれにしても、「入社後の自分の仕事内容」をよく理解しておくことが大事ですね。


他社から依頼されるシステム(サービス)の場合


他社から依頼されてシステムづくりに関わる仕事についても、
考え方としては上とほぼ同じです。前回ご紹介した下図を思い浮かべて、どの部分を行う仕事かを見極めましょう。

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こちら(他社から依頼されたシステム)については、世の中の需要が大きい分、「作る」ことをしている会社に入れば、未経験でもシステム開発に関われるチャンスは十二分にあります。
一方で、前回「多重下請け」構造の説明もしましたが、
下請け(二次請け)
下請けの下請け(三次請け)
下請けの下請けの下請け(四次請け)
・・・

となるにしたがって、利益率が低かったり、それによって労働環境や待遇が劣悪だったり、ということもあり得るので、注意が必要です(もちろん下請けが全部ブラックというわけではありません。1社1社口コミなども含めて確認することが大切です)。


知っておきたい3つの注意点


1.募集職種名だけ見て安心するべからず

採用、って企業にとっては人材獲得競争です。「競争」なのです。したがって、なるべく候補者によく見えるように様々な工夫をしてくるのは当然と言えば当然ですね。

その最たるものが募集職種のネーミングです。
例えば、「コンサルティングセールス職」と書いてあったとして、じゃあコンサルティングができるんだ!と思うのはちょっと早計に過ぎます。具体的な仕事内容を聞いてみると、「ん?それは営業じゃないか?」と思うようなケースもよくあります。

「どこら辺が『コンサルティング』なんですか?」
「顧客の要望を聞いて、最適な契約プランをご提案できるところだよ。」

うーーん、確かにコンサルと言って嘘じゃないのかもしれないけれども、自分の思っていたコンサルティングとは全然違うなぁ、
みたいなことがあり得ます。

他にも、
カスタマーサクセス
セールスエンジニア
エバンジェリスト
みたいに、IT業界は良くわからないカタカナ職種にあふれています。だから大事なことは、職種名ではなく、
「具体的な仕事の内容をよく聞いて理解すること」
ですね。

まぁ職種名イリュージョンについてはIT業界に限らず日本企業の伝統的な手法でもあります。僕が就活した時の銀行なんかも、「総合職」「基幹職」「一般職」に分かれていて、何じゃこりゃ!?って思ったものですが、その辺のからくりはまた別の機会に。


2.上流ほど年収が高い傾向がある。

「他社から依頼を受けて作るシステム」の方ですが、下の図で、左側を「上流工程」、右側に行くほど「下流工程」と呼んだりします。一番上流を担当するのが「コンサルティング」の領域ですが、一般的には上流に行けば行くほど年収が高くなる傾向にあります。

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もちろんこれは、「一般的には」という話ですのであしからず。エンジニアでも高い技術やマネジメントスキルを持ったエンジニアの年収は高く、近年は特にデータサイエンスやAIに詳しいエンジニアは年収が高くなる傾向にあります。


3.一方で、上流(コンサル)から下流(開発エンジニア)への転職は難しいが、その逆(下流から上流)はよくある

意外と見落としがちな点ですが、ITコンサルとして就職をして特に開発(システムを作るフェーズ)に関われないまま数年を過ごすと、意外とその後の転職先が限られます。事業会社のIT部門や同じITコンサルで転職することは多いですが、少なくともエンジニア(作る側)に回るケースは多くありません。

これは、SIの大手企業でも言えることで、「下請けに仕事を回して主に管理をする」仕事の場合、開発のスキルが身につかず、転職の選択肢は少なくなってしまうことがよくあります。だからb(何をする仕事か?)をしっかり見極めることがやはり大切ということですね。

逆に、開発経験のある人が、より上流のフェーズ(コンサル)に転職するケースが今とても増えています。システムの作り方が、「ウォーターフォール型」から「アジャイル型」に変わってきたことが一つの大きな要因です。
ウォーターフォール型とアジャイル型の細かい説明は省きますが、簡単に言うと、

要件定義から開発まで、綿密に計画を立てて、一つ一つ順序を守って進めていくやり方(ウォーターフォール型)と、
細かい単位で「構想する⇔作る」を繰り返しながら、そして都度修正をしながら進めていくやり方(アジャイル型)の違いです。

アジャイル型の方が主流になりつつあるのは、世の中の変化、テクノロジーの変化、顧客のニーズの変化に素早く対応できるからですね。

そうすると何が起こるかというと、構想する人と作る人が、より緊密になる、というか、両者がより一体になってきます。

開発しながら、構想のアイデアを出すとか。
構想しながら、開発にも口をはさむとか。

となると!
開発が全くわからないITコンサルタントより、開発に熟知しているITコンサルタントが今求められている。

ということが、ご納得いただけるかと思います。

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結論!!

大事なことは、IT業界に飛び込んで専門性を得たいのであれば、企業のネームバリューでも、職種のタイトルのカッコよさでもなく、

どんな仕事をするのか?
それによってどんなスキルが得られそうか?

ということを、1社1社吟味して企業選びをしましょう。地道で手間がかかりますが、、、、、、頑張って!!


ここまでお読みいただき本当にありがとうございます!
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