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時の流れ

イエローマジックオーケストラ(YMO)は、私が高校生の頃に世界ツアーコンサートを展開していた。
当時、日本はエレクトロニクスのデジタル技術の分野でも、世界をリードしていた。
シンセサイザー楽器と正確無比な高橋氏によるドラムの演奏から奏でる彼らの音楽は、デジタルとアナログの融合だろうか。
彼らのLPレコードに刻まれた、くっきりとした溝の太さには、
思わず驚いたもので、音域の広さの証でもあった。
ライディーンやテクノポリスなどの曲は、今でもその未来感覚は、
色あせていないと思うが、あの時、どれだけ聴いたか分からない。
あの頃、様々な分野でデジタル技術が日本を牽引して行ったが、
その目覚ましい技術の可能性を夢見て、多くの若者が電気・電子工学の道を歩んだが、私もその一人だった。
そして、世界に発信した彼らの演奏からは、そんな日本の飛躍した技術が世界トップレベルにあるのを、感じたものだった。
未来に向けて、クリエイトすることの素晴らしさ。
そんな3名からなるメンバーのうち、高橋幸弘氏は昨年末に、坂本龍一氏も三月末に癌で亡くなってしまった。
癌との難しい共有生活の中でも、環境保護や平和活動にも、積極的に働きかけていただけに、残念な気持ちでいっぱいだ。

テクノロジーは飛躍的に進んだが、人の思考能力が、昭和の時代に後戻りを続けているこの頃。
自己中心的な野心と自己顕示欲の塊の猛者達の、利権へと群がり、吸い尽くす行為からは、未来に何も生み出せない。
そして、彼らの上っ面の言葉に惑わされ、己で考えて決断が出来ずに、流れに乗る風潮が一層、拍車をかけているのかもしれない。
どれだけ、この国は、未来や夢を目指す力を閉ざしてしまっているのだろうか。
この国を再生するには、明治から昭和という時代をもう一度、その歴史を、じっくりと振り返れば、良いと思うのだが。
この国の欺瞞さや愚かさが分からなければ、仕方がないが。
歴史は、本当に繰り返すものだ。

大寒の頃から、脚の具合が悪くなってしまい、今年は、近所の桜並木まで、歩くことを目標にしてましたが、残念ながら出来ず、車椅子を使って出かけてみました。
少し、満開を過ぎた為、葉桜もありましたが、あちらこちらで、風に桜の花びらが舞う中、
立ち上がって、来年はどうなるかと思いながら、春の空気を味わいました。